1. トップ
  2. エピソード
  3. 「利子がつくほうだけ、私が立て替えようか」弟に200万円を貸した姉。3年たっても借用書を捨てられない理由

「利子がつくほうだけ、私が立て替えようか」弟に200万円を貸した姉。3年たっても借用書を捨てられない理由

  • 2026.9.8

弟の奨学金を、私が立て替えることにした

弟が専門学校に通っていたころ、うちはひとり親の家庭で、学費は奨学金を借りてまかなっていました。

卒業して働き始めた弟は、自分で返済を続けていました。

ただ、借りていたものには利子がつく分と、つかない分がありました。

そのころの私は働き始めて数年がたち、当分使う予定のない貯金がありました。

ある日、母の家で返済の話になったとき、私は弟に言いました。

「利子がつくほうだけ、私が立て替えようか」

金額は200万円ほどでした。

家族とはいえ、お金のことを曖昧にはしたくありません。

返済方法や金額を書いた書面を二通作り、弟と私で一通ずつ持つことにしました。

「ちゃんと返すから」

「うん。無理のない範囲でいいよ」

当時は、そんな話も普通にできる関係でした。

それから弟は少しずつ返してくれていました。母の家で顔を合わせると、「今月も振り込んだから」と話すこともあり、私も返済を急かすつもりはありませんでした。

母と疎遠になり、弟とも会わなくなった

ところがその後、母との間で大きな行き違いがありました。

詳しいことはここでは書きませんが、私は母と距離を置くようになり、実家へ行くこともなくなりました。

すると、弟とも自然に会わなくなりました。

弟とけんかをしたわけではありません。

ただ、それまで顔を合わせていた場所が母の家だったため、母と会わなくなったことで、弟との接点までなくなってしまったのです。

しばらくすると、返済についての連絡も途切れました。

弟の連絡先は知っています。こちらから電話をしたり、メッセージを送ったりすることもできます。

それなのに、「お金を返して」と言うためだけに久しぶりの連絡をすることが、どうしてもできませんでした。

かといって、何事もなかったように「元気?」と送ることもできません。

何度かスマートフォンで弟の名前を表示させたことがあります。それでも、そのまま画面を閉じました。

借用書を見るたび、連絡しようと思う

疎遠になってから三年ほどたちます。

最近は、弟が母の近くにいるのなら、残っているお金のことはもう考えなくてもいいのかもしれない、と自分に言い聞かせることがあります。

もちろん、本当にそう思い切れているわけではありません。

友人にこの話をしたとき、「一度、連絡してみたら」と言われました。

「お金の話じゃなくてもいいんじゃない?」

「うん。そのうちね」

その言葉が正しいことは分かっています。

借用書は今も、机の引き出しの奥にあります。

きちんと書面まで作ったのだから、お金の貸し借りとしては間違ったことをしたつもりはありません。

ただ今の私にとって、そこに書かれた200万円という数字は、返してほしい金額だけではなくなっています。

弟に連絡すれば、止まっていた関係も動くかもしれません。それが怖くて、借用書をしまったままにしているのだと思います。

引き出しを開けるたび、「今度こそ連絡しよう」と思います。

そして今も、その書類を静かに元の場所へ戻しています。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ