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「遺産って、結局いくら残ったんだっけ?」七回忌の食事中に金額を聞いた親戚。義父が2度とも同じ言葉を返した理由

  • 2026.9.8
「遺産って、結局いくら残ったんだっけ?」七回忌の食事中に金額を聞いた親戚。義父が2度とも同じ言葉を返した理由

笑い声のあった席で、突然出た話題

数年前、夫の祖父の七回忌に出席したときのことです。

法要が終わったあと、親族が15人ほど残り、そのまま同じ部屋で食事をすることになりました。

私は夫の隣で、親族の輪の端のほうに座っていました。

長机には人数分の仕出し弁当が並び、義母がお茶を入れて回っていました。

最初は穏やかな時間でした。

祖父に子どものころ川へ連れていってもらった話や、昔の家で起きた出来事など、思い出話が次々と出ます。

笑い声もあり、私も聞きながら「こういう時間もいいな」と思っていました。

そんな中、親戚の一人が少し大きな声で口にしました。

「遺産って、結局いくら残ったんだっけ?」

その瞬間、さっきまで続いていた会話が止まりました。

箸を動かす手を止める人もいれば、弁当に視線を落とす人もいます。隣にいた親戚が、小さな声で言いました。

「ちょっと、今する話じゃないでしょう」

けれど、質問した本人には悪気があるようには見えませんでした。

「いや、うちも他人事じゃないから。今後の参考にと思って」

自分の家でも、いずれ同じような話をすることになるかもしれない。そんな気持ちだったようです。

それでも、その場で具体的な金額を聞くことに、周囲は戸惑っていました。

義父が返したのは、同じ言葉だった

施主だった義父は、少し笑いながら答えました。

「まあ、大した額じゃないよ」

金額は言いませんでした。声を荒らげることもなく、いつもと変わらない調子です。

すると、その親戚はもう一度尋ねました。

「えー、具体的にはどれくらい?」

私は思わず義父のほうを見ました。

義父は少し間を置きましたが、返した言葉は先ほどとまったく同じでした。

「大した額じゃないよ」

二度目も、説明を足すことはありませんでした。

それ以上質問する人はいませんでした。周囲も弁当に目を戻し、しばらくすると別の親戚が祖父の昔話を始めました。少しずつ箸も動き始め、食事の席は元の空気に戻っていきました。

質問した親戚も、それ以上遺産の話をすることはありませんでした。帰るときには、ほかの親族と同じように普通に挨拶をして帰っていきました。

帰りの車で、夫がぽつりと言いました。

「親父、ああいうの上手だな」

「二回とも同じこと言ってたね」

そこで初めて、私も気づきました。

義父は質問を責めることも、無理に笑ってごまかすこともせず、ただ答えたくない部分には答えなかったのです。

強く言い返していたら、かえって話が長引いていたかもしれません。同じ言葉を静かに繰り返す。それだけでも、「ここから先は話さない」という意思は十分に伝わるのだと感じた出来事でした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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