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「また少し高くなったね、去年は198円だったのに」金額を見て憂鬱な母。だが、私が気づいた家族の小さな我慢

  • 2026.9.4

誰もいない棚の前で、声に出してしまった

夕方のスーパーで、私はいつもの棚の前に立っていました。

買うものは決まっています。それなのに最近は、値札を見てから手が止まることが増えていました。

かごに入れたあとで別の商品と見比べ、やっぱり戻す。少し迷って、結局どちらも買わない。そんなことも珍しくありません。

その日も値札を見ながら、思わず口にしていました。

「また少し高くなったね。去年は198円だったのに」

言ってから周りを見ると、近くには誰もいませんでした。

自分でも少し驚きました。家では、値上がりの話をほとんどしていなかったからです。

夕飯を食べながら値段の話をしたら、家族まで気を遣うのではないか。そんな気がして、なるべく口にしないようにしていました。

ところが、気を遣っていたのは私だけではなかったようです。

ある日、娘がいつも買っていたものを手に取ったあと、棚へ戻しました。

「今日はいいや」

夫も以前は仕事帰りにお菓子や飲み物を買ってくることがありましたが、いつの間にか減っていました。

誰も「節約しよう」と言ったわけではありません。それでも、それぞれが少しずつ買うものを減らしていたのです。

冷蔵庫に一枚の紙を貼ってみた

ある土曜の朝、私は今週必要なものを紙に書き出しました。

卵、牛乳、野菜。思いつくものを並べて冷蔵庫の扉に貼り、家族に声をかけました。

「今週いるもの、先にここに書こうか。卵と牛乳は安い日に買えばいいし」

我慢しよう、という話ではありません。ただ、必要なものを一度みんなで見えるようにしてみようと思ったのです。

夕方に紙を見ると、娘の字で洗剤が書き足され、その下には夫の字で味噌とありました。

私が書いてと言ったわけではありません。冷蔵庫に貼ってあるのを見て、それぞれ思いついたものを書き足したようでした。

次の週、娘は紙を見ながら一つの項目に線を引きました。

「これ、今週じゃなくてもいいや」

すると夫も、スマートフォンでチラシを見ながら言いました。

「これなら土曜のほうが安そうだよ」

「じゃあ、それまで待とうか」

値段の話をしているのに、以前のような気まずさはありませんでした。

娘も紙を見ながら、何でもないことのように言いました。

「じゃあ、欲しいものあったらここに書いとくね」

それから冷蔵庫の紙は、わが家の習慣になりました。

「これ、高くなったね」「じゃあ今週はやめようか」と、今では普通に話せます。

黙って一人ずつ我慢するより、話して決めるほうがずっと楽でした。

今週の紙にも、娘の字でいちばん上に「卵」と書いてあります。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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