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「忙しすぎるよ」注文が重なって動けなくなった私。だが、常連客が笑ってくれた理由

  • 2026.9.4
「忙しすぎるよ」注文が重なって動けなくなった私。だが、常連客が笑ってくれた理由

慣れないカウンターで、注文を何度も聞き直した

学生のころ、小さな飲食店でアルバイトをしていたことがあります。カウンター席が中心の店で、私はそこで初めて接客の仕事を覚えました。

店主は仕事にきっちりした人でした。分からないことを聞けば教えてくれますが、忙しい時間になると、私もなかなか声をかけられません。

特に苦手だったのが、飲み物の注文でした。

種類も多く、お客様によって好みも違います。聞き慣れない名前が出るたびに、私は注文を聞き直していました。

そんな私をいつも気にかけてくれたのが、カウンターの端によく座っていた常連の方です。年齢は、当時の私の親くらいだったと思います。

私が注文を確認すると、その方は嫌な顔をせず、

「大丈夫。分からなかったら、もう一回聞いてくれたほうがいいよ」

と笑ってくれました。

急かされないだけで、ずいぶん気持ちが楽になりました。

その方は注文するときも、「今日はいつもの感じでお願いします」と言ったあと、私が困った顔をすると、すぐに店主へ確認しやすいよう言い直してくれました。

仕事を教えてくれるというより、新人の私が失敗しないよう、客として少しだけ合わせてくれていたのだと思います。

注文が重なり、頭の中が真っ白になった

ある晩、店が急に混み始めました。

一組のお客様から注文を聞いている途中で、別のお客様からも声をかけられます。

(忙しすぎるよ…)

空いたグラスも下げなければならず、私は何から手をつければいいのか分からなくなりました。

そのとき、いつもの常連の方からも追加の注文が入りました。

「すみません、少々お待ちください」

そう答えたものの、声が上ずっていたのを覚えています。

私が慌てて動こうとすると、その方がこちらを見て言いました。

「慌てなくていいよ。こっちはあとで大丈夫だから」

ほんの一言でした。

それでも、その言葉でいったん手を止めることができました。先に受けていた注文を確認し、終わってから次へ進む。店主にも声をかけ、できていないことを伝えました。

しばらくすると店内も落ち着きました。

遅くなってしまった飲み物をその方の前に置き、私は「お待たせしてすみませんでした」と頭を下げました。

すると、その方はグラスを受け取りながら、「ちゃんと来たんだから大丈夫。さっきより落ち着いてるね」と笑いました。

帰り際にも、特別なことは言いませんでした。ただ、いつものように「ごちそうさま」と言って店を出ていきました。

あの店で働いた期間は、それほど長くありません。それでも、新人だった私を急かさず、失敗しそうなときに少し待ってくれたことは今でも覚えています。

慣れていない人を助ける方法は、何かを代わりにしてあげることだけではありません。相手が落ち着くまで少し待つことも、十分な助けになるのだと感じた出来事でした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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