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「まだ貼らないの、この総菜はいつシールが貼られるの」値引きを待ち続けた客。だが、店員が止めた行動とは

  • 2026.9.3

値引きが始まる時間を待っていた人

近所のスーパーでは、夕方になると惣菜の一部に値引きシールが貼られます。

毎日まったく同じ時間ではありませんが、だいたいの時間帯は決まっています。私も買い物の時間が重なると、少し待ってから選ぶことがありました。

その日も惣菜売り場へ行くと、少し離れたところに一人の方が立っていました。

ある惣菜を手に取っては棚へ戻し、しばらくすると、また同じパックを手に取っています。

店員が値引き用のシールを持って売り場へ来ると、その方は作業の様子を気にするように何度もそちらを見ていました。

「まだ貼らないの。この総菜はいつシールが貼られるの」

近くに店員はいなかったので、独り言のように聞こえました。

店員が別の場所から順番にシールを貼り始めると、その方はもう一度、目当てらしい惣菜を手に取ります。しかし、まだシールは付いていません。

周りの商品と見比べてから元の位置へ戻す。そんなことを、その間に三度ほど繰り返していました。

安くなるのを待っているのだろうと思いました。私自身も値引き品を選ぶことはあるので、それだけなら特に気になりませんでした。

隣のパックに貼られたシールへ、手が伸びた

やがて、近くに並んでいた別の惣菜には値引きシールが貼られました。

すると、その方はシールの付いたパックを手に取りました。少し眺めたあと、もう一方の手には、先ほどから何度も手にしていた惣菜を持っています。

次の瞬間、シールの端へ指をかけました。

最初は見間違いかと思いましたが、シールを少し浮かせて、もう一方のパックへ移そうとしているように見えました。

ちょうどそのとき、値引き作業をしていた店員が戻ってきました。

「すみません。そのシールは、ほかの商品には貼り替えないでください」

責めるような声ではありませんでした。ただ、してはいけないことだけを短く伝える言い方でした。

その方は一瞬手を止めました。

「あ、これはダメなのね」

そう言うと、浮かせかけたシールを元へ戻しました。

少し迷ったあと、値引きされていたほうの惣菜をかごへ入れ、そのまま売り場を離れていきました。

店員もそれ以上は何も言わず、再び値引き作業へ戻りました。

大きな声が出ることもなく、周りの買い物客が集まることもありませんでした。ほんの少し止まっていた売り場の空気が、そのまま元に戻ったように感じました。

私は近くで見ていただけでしたが、店員が気づいてくれてよかったと思いました。私が先に声をかけていたら、相手を驚かせたり、話がこじれたりしていたかもしれません。

値引きを待ちたい気持ちは分かります。それでも、シールを自分で動かしてしまうのは別の話です。

夕方の惣菜売り場へ行くと、ときどきあの日のことを思い出します。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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