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「お怪我はありませんか?」割れた破片を棚の下へ押し込んでいた客。だが、片づけを見た客の一言とは

  • 2026.8.28

ガシャン、と音がして、私は売り場の奥へ向かった

雑貨店で働いていたころの話です。ぬいぐるみや食器、フレグランスなど、さまざまな商品を扱う店で、ガラスの器やマグカップもたくさん並んでいました。

割れ物を扱っている以上、お客さんがうっかり商品を落としてしまうことはあります。

そんなときは、たいていその方から「すみません、落としてしまって」と声をかけてくださいます。店では弁償をお願いすることはなく、こちらで破片を片づけて終わることがほとんどでした。

その日は閉店前で、店内も少し静かになっていました。

売り場の奥から、突然ガシャン、と大きな音がしました。

私はほうきとちりとりを取り、音のしたほうへ向かいました。

棚の間を抜けたところで、一人のお客さんの足元に割れた器の破片が見えました。

ただ、その人は店員を呼ぶのではなく、つま先で破片を棚の下へ押し込んでいたのです。

棚の下から、細かな破片が次々に出てきた

私に気づくと、その人は足を止めました。

「ごめんなさいね、落としてしまって」

そう言いながら、少し気まずそうにその場を離れようとしました。

私は責めることはせず、まず聞きました。

「お怪我はありませんか?」

「大丈夫よ」

それを聞いてから、私は棚の下へ入った破片をほうきで少しずつ手前へ掃き出しました。

「細かい破片が残ると、あとで踏んでしまう方がいるので、こちらで全部片づけますね」

掃くたびに、小さな破片が次々に出てきました。見えていたものより、ずっと多く奥へ入り込んでいたようです。

その様子を見ていたお客さんは、帰りかけた足を止めていました。

しばらくして、小さな声で言いました。

「ごめんなさい」

私は「お怪我がなくてよかったです」とだけ答えました。

お客さんはもう一度頭を下げ、そのまま店を出ていきました。

割ってしまうこと自体は、誰にでも起こり得ます。ただ、見えない場所に破片を残してしまえば、別のお客さんが怪我をするかもしれません。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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