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片づけ中に恋人の止まった腕時計を見つけた僕→料理と一緒に伝票まで撮ってしまった

  • 2026.6.30
ハウコレ

部屋を片づけていたら、棚の奥から見覚えのある腕時計が出てきました。恋人が前に置き忘れたものだと、すぐにわかります。針が止まったままだと気づいたことが、僕の毎日を少しずつ変えていったのです。

止まったままだった、彼女の忘れもの

その時計は、彼女がずっと愛用しているものでした。「直さなきゃ」と言いながら止まったまま放っているのを、前に見せてもらったときから知っていました。手のひらで眺めているうちに、「彼女の誕生日までに直して、ちゃんと動くようにして返したい」そんな気持ちが、急にかたちを持ちはじめました。気の利いた贈り物の一歩を、僕はずっと先延ばしにしていたのです。

修理に出した、あの日の写真

近所のジュエリー店が時計の修理も引き受けてくれると知り、その日のうちに預けました。預かり票だけが手元に残り、テーブルに置きっぱなしになっていたのです。その晩、自信のある料理ができたので、写真に撮って彼女へ送りました。料理を見てほしいばかりに、脇の預かり票まで一緒に映り込んでいたことには、少しも気づいていません。あとから写真を見返して、僕は頭を抱えました。

言えないと答えた、本当の理由

それから彼女の返事は短くなり、僕の返事も準備に気を取られておざなりになっていきます。距離が開いていくのを感じながら、僕は写真を見られたのだと察しました。やがて部屋に来た彼女が、料理の隣の紙のことを尋ねてきます。「あの料理の横にあった紙、なんだったの」。本当のことを話せば、用意していた計画が台無しになる。とっさにそう考えて、僕は「それだけは、今は言えないんだ」とだけ返しました。問い詰める彼女に、少しむっとしてしまった自分が、いちばん情けなかったです。

そして…

そして、迎えた彼女の誕生日。修理から戻ってきた時計を小さな箱に入れて、僕はテーブルに置きました。「あのジュエリー店、時計の修理もやっててさ」。打ち明けると、彼女は少しだけ目を潤ませます。隠そうとしていたばかりに、いちばん大切な相手をいちばん遠回りさせていたのです。次に何かを企てるときは、ちゃんと言葉にして手渡せる人でいたいと思います。

(20代男性・会社員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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