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土砂災害警報とは?基準やレベル、発表された場合の対策を紹介

  • 2026.8.26

大雨の際に恐ろしいのが、一瞬にして財産や命を奪い去るがけ崩れや土石流などの土砂災害です。こうした危険から身を守るための重要な情報として、2026年5月から新たな防災気象情報の運用がスタートしました。

これまでの情報体系が整理され、新たに「土砂災害警報」が導入されています。中には、「土砂災害警報って何?」「大雨警報と何が違うの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

今回は、新しくなった土砂災害に関する情報や発表基準、そして発表された際に取るべき避難行動について解説します。

土砂災害警報とは?

「土砂災害警報」は、大雨によって土砂災害が発生する危険性が高まった際、住民に避難行動を促すために発表される防災気象情報です。土砂災害警報には3種類あり、情報の名称そのものに「レベル3」「レベル4」「レベル5」といった警戒レベルの数字が組み込まれているのが特徴です。

また、警戒レベルとは、災害発生の危険度と住民がとるべき行動を5段階に分けたものです。数字が大きくなるほど危険性が高く、自治体から発表される「避難指示」などの避難情報とも連動しています。

レベル3土砂災害警報

レベル3土砂災害警報とは、警戒レベル3相当に位置づけられ、自治体が「高齢者等避難」を発令する目安となります。なお、レベル3土砂災害警報は土砂災害の危険性が高まった際に、レベル4の基準値に達する3時間前までを目安に発表されます。次で紹介するレベル4土砂災害危険警報の予告情報としての役割を担っています。

レベル4土砂災害危険警報

レベル4土砂災害危険警報とは、レベル4相当に位置づけられ、自治体が「避難指示」を発令する目安となります。土砂災害発生の危険性が極めて高まっている状態であり、危険な場所にいる人は全員が速やかに、かつ安全に避難を完了しなければなりません。

レベル5土砂災害特別警報

レベル5土砂災害特別警報とは、警戒レベル5相当に位置づけられ、自治体が「緊急安全確保」を発令する目安となります。土砂災害がすでに発生している可能性が高く、命の危険が迫っているため、直ちに身の安全を確保しなければなりません。

土砂災害警報の発表基準

土砂災害の危険度を判断する具体的な基準には、「土壌雨量指数(これまでに降った雨が土壌の中にどれだけ溜まっているかを数値化したもの)」と「60分雨量」の両方を組み合わせた、「スネークライン」と呼ばれる指標が使われています。

スネークラインが右~右上に向かって進むほど土砂災害のリスクが高まります。

なお、土砂災害の基準として上の図のようにレベル2基準(黄色)、レベル3・4基準(赤色&紫色)、レベル5基準(黒色)があります。

以前はレベル3基準とレベル4の基準は異なっていましたが、2026年5月からの新たな防災気象情報の運用によって統一されました。

そのため、③と④が併記されていますが、実際にはレベル4基準として数えるため、現在はレベル2基準、レベル4基準、レベル5基準が存在することになります。

土砂災害に関する注意報警報は、それぞれの基準に達する前に余裕を持って発表されるようになっています。

各レベルの具体的な基準は以下の通りです。

・レベル2土砂災害注意報: レベル2の基準に達する6時間前に発表

・レベル3土砂災害警報:レベル4の基準に達する3時間前に発表

・レベル4土砂災害危険警報:レベル4の基準に達する2時間前に発表

・レベル5土砂災害特別警報:レベル5の基準に達したときに発表

グラフの通り、レベル3土砂災害警報とレベル4土砂災害危険警報の間には約1時間しか猶予がありません。このため、雨の降り方が急激な場合は、レベル3が発表されないまま、いきなりレベル4が発表されることもあります。

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大雨警報との違い

現在の大雨警報が主に浸水害や中小河川の氾濫などの水害を対象にしているのに対し、土砂災害警報はがけ崩れや土石流といった土砂災害を対象にしている点です。

以前は大雨警報(土砂災害)という形で、大雨警報に土砂災害の情報が含まれていました。現在はそれが廃止され、水害に対する大雨警報と、土砂災害に対する土砂災害警報で完全に分離されています。なお、大雨警報についても土砂災害警報と同様に、レベルが付与されて以下のように発表されます。

・レベル3大雨警報

・レベル4大雨危険警報

・レベル5大雨特別警報

どちらの警報もレベル3から5までの段階に統一されたことで、私たちは「今どの災害の危険が、どの程度迫っているのか」を把握し、迅速な避難行動へつなげられるようになりました。

土砂災害警戒情報との関係

今回の新しい土砂災害警報の導入に伴い、避難指示(レベル4)の判断材料として使われていた「土砂災害警戒情報」は廃止されました。これまでは、気象庁と都道府県が共同で発表する土砂災害警戒情報を受け、自治体がレベル4の避難指示を発令する判断基準の一つとなっていました。しかし、現在はこれが「土砂災害危険警報(レベル4)」へと一本化されています。

土砂災害警報が発表された場合の対応

レベル3土砂災害警報やレベル4土砂災害危険警報が発表されたら、警戒レベルに合わせた避難行動が原則必要です。また、あわせてキキクルも確認してください。キキクルとは、今どこで土砂災害の危険度が高まっているかを、5段階の色分けで地図上にリアルタイム表示する気象庁のサービスです。

キキクルの色も、以下のように警戒レベルと連動しています。

・黄色:警戒レベル2=自らの避難行動を確認

・赤色:警戒レベル3=危険な場所から高齢者等は避難

・紫色:警戒レベル4=危険な場所から全員避難

・黒色:警戒レベル5:直ちに安全を確保

キキクルをみてもわかるように、同じ市町村でも土砂災害のリスクが高い場所には大きな違いがあります。このため、土砂災害警報が発表された場合に、キキクルで見ると自分の家がある場所はレベル1(白色)やレベル2(黄色)にとどまっているケースもあります。この場合、自宅が直ちに被災する可能性は低いものの、避難先に向かうルートの途中にレベル3(赤色)やレベル4(紫色)がある場合は要注意です。

今よりも状況が悪化して、いざ避難しようとしたときには土砂崩れで道路が寸断され、移動が困難になる可能性もあります。現在地だけでなく、避難経路全体の危険度をキキクルで総合的に判断し、ルート上に危険が迫っている場合は直ちに避難するか安全なルートを選びましょう。

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<執筆者プロフィル>
田頭孝志
気象防災アドバイザー(国土交通大臣委嘱)

田頭気象予報士事務所代表。愛媛の気象予報士・防災士。防災や気象関連の記事執筆をはじめ、テレビ番組の監修、防災教材開発などを行う。BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向けに講演を多数、防災マニュアルの作成に参画。

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