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バスで突然「これじゃ座れないだろ!」男性が女性客に怒鳴っていて…運転士が駆けつけ、目にした“トラブルの原因”

  • 2026.9.15
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。送迎バスの運行管理やバス運転士の経験を持つVenus☆トラベルです。

みなさんは、路線バスや送迎バスを利用するとき、隣の席が空いていたら、どのように座りますか。

バスの座席は、1人1席が一般的な考え方です。しかし、「ちょっとぐらい」「これくらいなら大丈夫」という思いから、トラブルに発展することもあります。

今回は、総合病院の送迎バスを運行中、乗客同士が口論となったトラブルをご紹介します。

不特定多数が乗車するバスほどトラブルに発展しやすい

病院の送迎バスのように、不特定多数の方が乗車するバスほどトラブルは増えやすい傾向にあります。

運転士との面識もなければ、乗客同士が顔見知りというわけでもありません。

そのため、ちょっとした配慮の欠如によって、思いもよらぬ出来事となるケースがあります。

14年ほど前、送迎業務に携わっていたとき、ある日の乗務では、定員である28人に迫るほどの利用者がいました。後方から順に補助席を使うほどの乗車人数です。

しかし、あと2つバス停を過ぎれば病院へ到着するため、あと5席あれば十分と思い、運転に集中していました。

そのとき、突然後方から乗客の怒鳴り声が聞こえ、思わずブレーキに足が伸びるほど驚きました。

乗客の怒りは座席の使い方が原因だった

安全を確認したうえで路肩にバスを停車させ、私はあわててバス後部の座席を振り返りました。

すると、最後部から3列目あたりで「これじゃあ座れないだろ!」と怒鳴っている乗客を見つけました。同時に、怒鳴っている男性を見て、周囲の乗客は萎縮し、車内で動揺が広がっている様子も見てとれました。

男性は怒りが収まることなく、再び「どけろ!」「何を考えているんだ!」などと、怒鳴り続けていました。そこで私は安全な場所に停車した上で、運転席から客席通路へと移動し、男性のもとへ駆けつけました。

そのとき、初めて他の乗客の声が聞こえました。

「座ろうと思えば座れるはずでしょ」

妙に冷静な態度で男性に向けて言葉を放っていたのは、窓際に座っていた20代くらいの女性でした。

女性の周辺に視線を移すと、女性のものらしきバッグが通路側の座席の3分の1ほどを占めている状態でした。そこで男性が怒っている理由にピンときたのです。

男性が「座れない」と怒っていたのは、女性が隣の席に置いているバッグが原因のようでした。

常識と意地のぶつかり合い

正直、当時の私もさすがに男性が怒るのも無理はないと感じたものです。

とはいえ、怒鳴るほどのことでもないように感じたのも事実です。

「すみません。他のお客様にこちらの座席を使用していただくので、荷物は膝の上に移動させていただけませんか?」

これ以上トラブルが発展しないよう、私は冷静に女性へ問いかけました。すると、女性は「わかりました」とすぐに荷物を膝の上に置き、席を空けてくれました。

拍子抜けするほど、すぐに対応してくれた女性に対し、なぜそんなに男性が怒っていたのか、理解できずにいました。

しかし、病院へ到着するとすぐに謎がとけました。

怒っていた男性には乗降扉付近の座席を利用してもらったため、彼は病院へ到着するとすぐに降車していきました。

そこで、最後に降車しようとしていた女性に、なぜ男性が怒鳴り出す前に座席を空けなかったのか、思い切って聞いてみたのです。

すると、女性は眉をひそめながら「突然怒鳴り出されて腹が立ったので、無視していたんです」とトラブルになった原因を教えてくれました。

話し合いで解決することも感情のぶつかり合いでトラブルに

よく、「叱る」と「怒る」は違うと言われますが、まさに当時のトラブルは、感情をむき出しにした結果だと言えます。

冷静に相手へ伝えれば話し合いで解決することも、感情を爆発させることで相手の聞く姿勢を崩してしまうことがあります。

本人はそんなつもりはなくても、声を張り上げたり言葉を選べなかったりすると、相手もムキになってしまうことでしょう。

近年、公共の場でのトラブルやハラスメントが社会問題化していますが、根本にあるのはこうした『感情と意見の混同』なのかもしれません。

当時のトラブルは、人と人の間では、冷静に話し合うことが大切だと感じる良い経験となりました。私は今でも、感情と意見は別物と考え、常に冷静に話ができるように心掛けています。


ライター:Venus☆トラベル

近畿地方でバスの運転に関わる仕事に携わって約12年、多くの送迎バスを運転しました。幼稚園や自治体、企業や施設など、それぞれの場所で学ぶことが多くありました。その反面、運転士視点で感じた心の声をリアルにお届けします。


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