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8/26は「火山防災の日」って知ってる? 意外と身近な火山災害に備えよう

  • 2026.8.24

地震や台風に比べると意識されにくい火山災害ですが、日本には111の活火山があり、その多くが私たちの生活圏のすぐそばにあります。たとえば日本のシンボル、富士山。活火山だと知っていても、富士山の噴火に備えて具体的な行動を取っている人はどれくらいいるでしょうか? ほかにも箱根山や桜島など、観光地として、あるいは日常の風景として親しまれている山々の中に噴火の可能性がある活火山は数多く存在します。8月26日の「火山防災の日」をきっかけに、意外と身近な火山への備えを見直してみませんか?

「火山防災の日」とは?

「火山防災の日」は、2023年に活動火山対策特別措置法の一部が改正された際に、活火山対策について国民の関心と理解を深めるべく制定されました。制定に合わせて、例年、国や自治体主催の記念イベントや啓発活動が各地で行われています。

1911年8月26日は、当時日本で最も活発な噴火活動を続けていた浅間山(長野県)に国内初の火山観測所が設置され、器械を用いた近代的な観測が始まった日です。このことから、8月26日が「火山防災の日」となりました。

日本の活火山、どこにどれだけある?

日本にある111の活火山のうち、約半数の51火山が「常時観測火山」に指定され、24時間体制で監視されています。この常時観測火山は、中長期的(今後100年程度以内)に噴火の可能性があり、周辺の居住地域や登山者・観光客への影響など、社会的な影響があると考えられるものが選定されています。

分布図を見ると、活火山は近畿・四国地方を除く全国に広く分布していることがわかります。

これらの火山を対象に、気象庁は「噴火警報」を発表しています。生命に危険を及ぼす以下の火山現象の発生やその拡大が予想される場合に、警戒が必要な範囲(生命に危険を及ぼす範囲)が明示されます。

<噴火警報が対象としている主な火山現象>

大きな噴石:噴火によって火口から飛び出すおおむね20〜30cm以上の大きな噴石。破壊力があり、人体や建物に被害を及ぼします。避難するまでの時間的余裕がないことが多く、登山者などの命に関わる災害になります。

2014年に長野県と岐阜県の県境にある御嶽山で起きた噴火では、噴石によって多数の方が亡くなりました。

火砕流:高温の火山灰や岩石と火山ガスが一体となって、猛スピードで山腹を駆け下る現象。温度数百度、最大時速100km以上にも達し、その通過域では焼失・破壊など壊滅的な被害が生じます。

1991年に長崎県・雲仙岳(普賢岳)で発生した大規模な火砕流では多くの犠牲者を出しました。また火山灰をはじめとした噴出物が降雨のたびに土石流となり、家屋や耕地、道路や鉄道など周辺地域に多大な影響を与えました。

融雪型火山泥流:積雪期の噴火で、火砕流などの熱によって雪や氷河が溶け、大量の水と周辺の土砂が一体となって高速で流れ下る現象。時速60kmを超えることもあり、積雪の状況によっては谷筋や沢沿いをはるか遠方まで一気に流下し、通過域では壊滅的な被害が生じます。

1926年の十勝岳や1973年、1982年の浅間山の噴火では、この融雪型火山泥流が発生し、多くの被害をもたらしました。また富士山の噴火でも発生の可能性があり、富士山ハザードマップには、到達時間や範囲をシミュレーションした図が記載されています。

51常時観測火山のうち、49火山(2026年3月時点)で「噴火警戒レベル」が運用されています。噴火警戒レベルは、火山活動の状況に応じてどの範囲まで危険か、何をしたらよいかを5段階に区分したもので、噴火警報とともに発表されます。

また以下の場合は、「噴火速報」が発表されます。

・噴火警報が発表されていない常時観測火山において、噴火が発生した場合

・噴火警報が発表されている常時観測火山において、噴火警戒レベルの引き上げや警戒が必要な範囲の拡大を検討する規模の噴火が発生した場合

・このほか、社会的に影響が大きく、噴火の発生を速やかに伝える必要があると判断した場合

噴火警報・噴火速報の最新の発表状況は、気象庁のサイトで確認できます。

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有珠山の教訓

2000年に発生した北海道・有珠山の噴火では噴石や熱泥流が起こり、約16000人が避難を強いられました。住宅や公共施設、農地やインフラなどにも甚大な被害が生じましたが、犠牲者はゼロでした。

この結果は、噴火予知の成功と事前の適切な避難誘導によるものが大きかったといいます。ハザードマップが事前に作成・配布されていたことで、想定される災害の具体的なイメージが共有され、噴火前に住民の避難が完了できました。

有珠山の例からも、身近な火山について正確な情報を集め、ハザードマップなどに基づいて被害を想定し備えることはとても大切です。

個人でできる火山災害の備え

「自分の住んでいる地域は火山なんてないし……」と思っているかもしれません。しかし、たとえば富士山が噴火した場合、火山灰によって道路が通行不能になると想定されている範囲は静岡県だけでなく、東京都、神奈川県、千葉県、茨城県にまで及びます。

東京都では富士山噴火に備える「Tokyo富士山降灰 特設サイト」を開設し、降灰の影響や備えについて発信しています。その他にも神奈川県や千葉県、埼玉県、各県内の自治体でも独自のマップや降灰対策についての指針などを公開しています。一度自分が住んでいる地域や通勤・通学先の自治体のホームページで火山に関する情報をチェックしてみましょう。

火山災害は、①普段からの備え、②危険な場所には近づかないこと、③事前の速やかな避難が重要です。

<情報収集>

・各市町村で作られている「火山防災マップ(火山ハザードマップ)」を確認。火山の近くに住んでいる人は、「噴火警戒レベル」に対応する危険な場所を確認し、あらかじめ避難場所やそこまでの道順を調べておく

・気象庁の発表する「噴火警報」などの情報や、「噴火警戒レベル」に注意。現在の火山の情報を見たいときには、気象庁の「火山に関する情報の発表状況」を参照

・危険な場所に近づかないことが最も重要。噴火の恐れがある場合、危険な地域では事前の避難が必要になるため、自治体の指示に従って速やかに避難する

<備蓄>

・飲料水・食料品・日用品は最低3日分、可能ならば7日分以上を準備(過去の宝永噴火(1707年)では、2週間噴火活動が継続)

・ゴーグルやマスクなどの火山灰対策用品(屋外での作業時などは、DS2やN95といった規格合格品の高性能な防じんマスクを着用)

<登山者・旅行者の備え>

・気象庁「火山登山者向けの情報提供ページ(全国)」で火山活動に関する情報と火山防災マップをチェック

・登山届の作成・提出(「Compass(コンパス)」Webサイトやアプリからオンラインでの申請が可能)

・万が一の噴火に備えた装備

火山灰を防ぐ雨具や降灰で視界不良となったときに役立つヘッドライトは、登山や旅行に限らず、家庭でも備えておくといざという時に便利です。

気象庁の「火山防災の日」特設サイトでは、親子で学べるコンテンツも多数公開されています。普段はあまり意識することはないかもしれませんが、私たちが住む日本は世界有数の火山国。この機会に家族で火山防災について話してみませんか。

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<執筆者プロフィル>

那須 あさみ

フリーランスライター。小学生、中学生の4児の母。さまざまな年齢の子どもと一緒に家庭で備えられる防災を模索中。

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