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ブームの「高タンパク質」ダイエット、新たな研究結果が示す“本当のところ”とは?

  • 2026.8.21
MTStock Studio / Getty Images

高タンパク質食(ハイプロテイン・ダイエット)に対する関心はここ数年、大幅に高まっている。それを受け、フムスやピザなどにも「高タンパク質バージョン」が登場するなど、市場にはさらに数多くの高タンパク質食品が出回るようになっている。

また、食品だけではなく高タンパク質食をテーマにした料理本の数々も出版されている(ルピー・アウジュラ博士著『Healthy High Protein』、レイチェル・デヴォー著『The High-Protein Plate』、エマ・ピーターセン著『Healthyish High Protein』、エマ・バードウェル著『The 30g Plan Cookbook』など)。そのほかイギリスでは、アメリカ発のメキシコ料理チェーンのチポトレや、サラダとプロテインボウル専門店のアティスなども、高タンパク質のメニューを発売している。

タンパク質がそれほど注目される理由は、どこにあるのだろうか? それは、タンパク質が筋肉量の維持やリカバリーのサポートのために欠かせない栄養素であることに加え、満腹感が長く持続することにある。高タンパク質の食事はいまや、健康的な食事、ダイエットやフィットネスのために、ぜひ取り入れたいものと考えられるようになっている。

いっぽう、こうしたなかで新たに発表された高タンパク質食に関するレビュー研究の結果によると、現在の「プロテインブーム」は私たちに、必要以上のタンパク質の摂取を促している可能性があるという。

350件以上の研究結果を見直したそのレビュー論文は、実際にはタンパク質の摂取量を減らすことが、炎症の抑制や細胞が受けたダメージの影響の軽減に役立ち、より健康的なエイジングと長寿につながる可能性もあることを示している。

研究で明らかになったこととは?

ジャーナル『セル・プレス・ブルー』に掲載された研究結果が示すのは、「タンパク質の摂取を減らすことが、代謝を高めるとともに、細胞の正常な機能を維持することにつながる可能性がある」との見方。

だが、栄養に関するその他のあらゆる研究結果と同じように、こうした結果が示されたからといって、「摂取を減らせば長生きできる」と単純に言い切れるものではない。研究によって得られたというエビデンスはそれらの多くが、ヒトではなく動物を対象とした実験に基づいたもの。論文の責任著者であるウィスコンシン大学マディソン校のダドリー・ラミング教授も、次のように述べている。

「もちろん、タンパク質が活動的な人の筋肉の成長や運動反応にプラスに働くことは間違いありません」

「とはいえ、多くの人は座っていることが多い生活を送っています。そのため、実際に必要と考えられる以上の量のタンパク質を摂取している可能性が高いのです」

個人の体質に合わせた栄養のとり方を提案するリトリション・クリニックの創設者であり、栄養士で『The Fibre Formula』などの著書もあるリアノン・ランバート氏もまた、「多ければ多いほどいいというわけではないことを、忘れないようにしておくのがベストです」と話している。

あまり動かない生活をしている人は特に、バランスの取れた普通の食事で、十分な量のタンパク質を摂取できている可能性が高いという。

「高タンパク質食」はどんな人に必要?

MEDITERRANEAN / Getty Images

ランバート氏は、タンパク質の摂取量を増やすことで恩恵を受ける可能性が高いのは、日常的に運動をしている人、特に筋力トレーニングしている人や、高齢者の中でも特に加齢による筋肉量の減少のリスクがある人、妊娠中の女性、病気やケガからの回復期にある人たちだと説明する。

こうした状況にあるわけではない人、特に運動する習慣がない人がバランスのとれた食事をとっているなら、あえて栄養強化食品を探したり、さらにタンパク質をプラスした食事にしようと努める必要もないという。

「健康な人がタンパク質を多く摂ること自体が有害だということではありません。ですが、特に必要性がない状態でタンパク質を多く摂り続けることは、食物繊維が豊富な全粒穀物や豆類、果物、野菜といった重要な栄養素の摂取量が不足する要因にもなり得ます」

毎食必ず「30グラム」が必要?

ランバート氏はさらに、体内で新たな筋肉組織が作られる(修復・再構築される)プロセスについての研究結果に基づき、「1回の食事で約20〜30グラムのタンパク質をとることを目指そう」と推奨されていることについて、こう述べている。

「初期の研究によって、若年成人の多くは特にレジスタンス運動の後に30グラム程度の良質なタンパク質を摂取することにより、筋肉が生成される反応が最大化されるとの結果が示されました。ですが現在では、実際のところはより複雑であることが明らかになっています」

つまり、30グラムは“マジックナンバー”ではないという。1回の食事で効果的に活用できるタンパク質の量は人によって異なることから、すべての人が達成すべき目標値ではなく、「一部の人にとっての目安となる数値」と捉えるべきだと話している。

私たちの多くに必要なことは?

SrdjanPav / Getty Images

タンパク質が筋肉の維持、回復のサポート、健康的なエイジングのために不可欠な栄養素であり、重要なものであることに変わりはない。だが、その人にとって必要な量は、年齢や体格、活動レベル、全般的な健康状態によって大きく異なる。大切なのはタンパク質と同様に、不足しがちな人が多い食物繊維をしっかりとること、炭水化物や良質な脂質をバランスよく取り入れることだという。

「現在のプロテインブームはおそらく、必ずしもそうする必要がない人たちにまで、より多くのタンパク質をとることをすすめています」

「より有効なメッセージとなるのは、すべての人が摂取量を増やすべきだということではなく、それぞれの人に合った量を見極めようと呼びかけることです」

From Women’s Health UK

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