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「あとで恥ずかしい思いをするぞ」葬儀前の控室。だが、叔父の思わぬ質問に場の空気が凍りついた

  • 2026.8.13
「あとで恥ずかしい思いをするぞ」葬儀前の控室。だが、叔父の思わぬ質問に場の空気が凍りついた

葬儀前の控室で始まった話

数年前、伯母の葬儀に参列したときのことです。

式が始まる少し前、親族は控室に集まり、久しぶりに顔を合わせた人同士で静かに言葉を交わしていました。

私も受付で香典を渡したあと、母と一緒に控室へ入りました。

伯母との思い出を話す人もいれば、遺族に気をつかって黙って座っている人もいて、室内には葬儀前らしい落ち着いた空気が流れていました。

そんななか、伯母の弟にあたる七十代の叔父が、近くにいた従兄弟に声をかけました。

「お前、香典はいくら包んだんだ?」

突然の質問に、従兄弟は少し戸惑った様子で「まあ、普通だよ」と答えました。

ところが叔父は納得しません。

「普通っていくらだ。姉さんには世話になったんだから、少なすぎたら格好がつかんぞ」

もともと叔父は、冠婚葬祭になると「親戚ならこれくらいが普通だ」と金額を気にする人でした。

そのため最初は、周囲もまた始まったというような表情を浮かべるだけでした。

しかし叔父はその後も、別の親族が控室に入ってくるたびに「ちゃんと包んできたか」「いくらにした」と尋ね始めました。

聞かれた側は「受付に出したよ」「その話は今じゃなくてもいいだろ」とやんわりかわします。それでも叔父は「親族なんだから確認しておかないと」と引き下がりません。

私は聞いているうちに、だんだん居心地が悪くなってきました。香典は故人を悼む気持ちとして包むもので、親族同士で金額を比べるためのものではないはずです。

「今は金額を比べる場じゃない」

やがて係の方から、間もなく式が始まるので移動するよう案内がありました。

親族が立ち上がるなかでも、叔父はまだ従兄弟に向かって言いました。

「本当に少なくないんだろうな。あとで恥ずかしい思いをするぞ」

すると、それまで黙って聞いていた伯母の長男が足を止めました。

「叔父さん、もうその話はやめよう」

叔父は「でも親族としては」と続けようとしましたが、伯母の長男は声を荒らげることなく言いました。

「今日は母を見送るために集まってもらったんだ。誰がいくら包んだかを比べる場じゃないよ」

控室が静かになりました。

叔父もさすがに遺族本人から言われては続けにくかったのでしょう。「そういうつもりじゃなかったんだけどな」と小さくつぶやき、それ以上は香典の話をしなくなりました。

その後、私たちは式場へ移動し、葬儀は滞りなく進みました。

帰り際、母が「ああいうことは、聞かれた方も困るよね」とぽつりと言いました。私も同じ気持ちでした。

冠婚葬祭では、地域や家によって考え方が違うこともあります。それでも、故人を見送る場で大切なのは、周囲の金額を確かめることではないはずです。

静かに叔父を止めた伯母の長男の言葉を聞きながら、その場にふさわしい振る舞いについて改めて考えさせられた出来事でした。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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