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あの日、最低の質問をしたのは私だった。参観日の教室で目にした親子の姿が胸から離れない

  • 2026.5.4
ハウコレ

取り返しのつかない言葉を口にしたのは、私のほうでした。なぜあんなことを聞いてしまったのか。自分の中にある答えと向き合うのが怖くて目をそらし続けていた私に、参観日の教室が現実を突きつけてきました。

ずっと気になっていたこと

彼女の子供がご主人に似ていないことは、前から気になっていました。目元も輪郭も、どちらかといえばお母さん似で、お父さんに似ていないと思うことが何度かあったのです。他のママ友も同じことを感じていたようで、彼女がいない場で「似てないよね」とひそかに話題に上がることもありました。

あの日のお茶会で、私はつい口にしてしまいました。「あんたの子、ご主人の子なの?」。彼女の顔から表情が消えるのが見えました。「え?」という声に、自分がとんでもないことを言ったのだと気づきました。でも引き返せなくて「似てないなって思って。目元とか、全然」と取り繕うように続けたのです。彼女は少し間を置いて「子供って、両方に似るわけじゃないから」と答えました。その声の平坦さが、かえって痛々しかった。

私自身の話

本当のことを言えば、あの言葉は彼女に向けたものではなかったのかもしれません。2年前、私は元夫と別れました。原因は、彼が長年にわたって別の女性と関係を持っていたことでした。

それ以来、私は幸せそうに見える家族を素直に見られなくなっていました。どこかに隠された嘘があるのではないかと疑い、綻びを探してしまう。彼女の家庭にそれを見たわけではありません。ただ、「似ていない」という事実に、自分の過去を重ねてしまったのです。

参観日に見たもの

参観日の教室に、彼女のご主人が現れました。お母さんたちの中に一人だけ立つ男性の姿に、周囲がざわつきます。親子で工作をする時間、ご主人と子供が並んで座りました。

二人は顔は確かに似ていません。でも、ハサミを持つときの首のかしげ方、思い通りにいかないときの眉の寄せ方。完成した工作を持ち上げて笑う角度まで同じでした。隣で見ていた彼女が、そっと目元をぬぐっているのが見えて、私は思わず目をそらしました。あの親子の間にあるものは、顔の造りなんかでは測れないものでした。

そして...

参観日の帰り道、彼女に声をかけようとして、足が止まりました。ご主人と子供と三人で歩く後ろ姿を見て、かける言葉が見つからなかったのです。

私があの質問をしたのは、彼女の家庭を心配したからではありません。自分の傷ついた過去を、誰かの家庭にぶつけたかっただけでした。

謝らなければいけないとわかっています。でもあの親子の前に立つ資格が、今の私にあるのかどうか。まだ答えが出ないまま、あの教室の光景だけが胸の奥に残り続けています。

(30代女性・専業主婦)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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