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猛暑のNYで“デオドラント&制汗剤離れ”が広がる。公共マナーと体臭対策、その境界線とは?

  • 2026.8.1
Tatiana Maksimova / Getty Images

厳しい暑さが続く夏は、臭いや汗が気になる人が多いはず。デオドラント製品を使用したりする人がいる中で、ニューヨークでは今、環境への配慮や健康意識の高まりから、あえてデオドラントや制汗剤を使わない選択をする人が増えているという。

あえてデオドラントや制汗剤を使わない人も

世界各地で記録的な暑さが続き、例年以上に汗や体の臭いが気になる今年の夏。街中はもちろん、電車などの公共交通機関でも、周囲の臭いが気になる場面は少なくない。

エチケットの一環として、汗や皮脂の分解によって発生する体臭を抑える効果がある「デオドラント」や、汗と体臭の両方を抑える働きがある「制汗剤」を使用してる人が多いものの、“自然体のまま”で過ごす人がニューヨークで増えているよう。

ニューヨークでデオドラントを使わない生活を選んでいるという美容師兼大工の女性(36歳)は、制汗剤について「お金をかける価値のないもの」と考えており、自身の選択に後悔はないと『New York Post』に語っている。

「私には必要ありません。もし臭いが気になるなら、体を洗えばいいだけ。私は脇毛を処理していないのですが、脇毛には天然のデオドラントのような役割があると思っています。汗や湿気を肌から逃がしてくれるから」

Olga Pankova / Getty Images

「石けんと水があれば十分。必要以上に製品を使わない方が、肌本来のバランスも保たれると思っています。完全なるナチュラル志向というわけではないですが、自然な体臭を別の香りで覆い隠すことにも意味を感じません。かえって臭いが混ざって、もっと気になる気がするんです」

また、映像編集者兼アソシエイトプロデューサーで“ウェルネス好き”だというある男性は、一般的なデオドラントや制汗剤は使わず、暑い日には近所のナチュラルショップで購入した植物由来のボディスプレーを使用しているという。

彼が一般的なデオドラントや制汗剤を使わなくなったきっかけは、大学時代に市販のパーソナルケア製品に含まれる化学添加物や有害物質のリスクについて語る講演を聞いたことだったそう。彼は、そのときの衝撃について、マクドナルドの食事だけを続けた監督モーガン・スパーロックの健康状態の変化を追ったドキュメンタリー映画『スーパーサイズ・ミー』を初めて観たときと同じだったと振り返っている。

「それ以来、『もうこうした金属や有害物質を体に取り入れたくない』と思うようになりました。制汗剤を脇に塗ることは、毛穴をふさいでしまうようなもの。こうした製品に含まれる化学物質について、もっと研究が進めばいいと思っています」

デオドラントや制汗剤を使ってほしいとの声も

デオドラントや制汗剤を使わない人たちにはそれぞれの考えがあるものの、街中に漂う体臭に不満を抱く人も少なくないよう。猛暑が続くニューヨークでは、通勤客などから「せめて夏だけでもデオドラントを使ってほしい」といった声がSNS上で相次いでいるという。

コンテンツクリエイターのクリス・バルガスさんは、自身のTikTokに投稿した動画で、「ニューヨークは今、本当に耐えられないほど暑い。“ナチュラル系デオドラント”を使う季節じゃない」とコメント。さらに、「アルミニウム入りでもいいから、ちゃんとデオドラントを使ってほしい。本気で言っています。ナチュラル派を気取って、体臭を振りまくのはやめてほしい」と呼びかけた。

同動画には、2026年7月24日時点で450件以上のコメントが寄せられており、クリスさんの意見に賛同する声も目立った。

  • 「今日の電車はすごい臭いだったよ」
  • 「この暑さで、体臭をごまかせなくなってる」
  • 「デオドラントを持ち歩かなきゃダメな暑さだよね」
  • 「アルミニウムフリーのデオドラントを普段から使っていて体が慣れている人なら別だけど、今この暑さで新しく試すのはやめた方がいい」
  • 「電車やバスなんてもう地獄。マスク必須」

デオドラントや制汗剤の体への影響は?

多くの人が公共の場でのエチケットについてコメントしたものの、なかにはデオドラントや制汗剤に含まれる“化学物質”の影響を心配する声も寄せられている。

『Blavity』によれば、デオドラントや制汗剤には、アルミニウム、トリクロサン、パラベン、フタル酸エステルといった化学成分が含まれている製品もあり、これらの成分は、ホルモンバランスへの影響や水生生物への毒性が指摘されているとのこと。排水とともに環境中へ流れ出ることで、水質汚染につながる可能性があるという。

Kinga Krzeminska / Getty Images

一人が使用するデオドラントや制汗剤が環境に与える影響はごくわずかだとされているものの、多くの人が日常的に使用し、不適切に廃棄されることが積み重なれば、水域を汚染し、水生生態系や人々の水源へ影響を及ぼすおそれがあるとのこと。

さらに『The Guardian』によれば、デオドラントや制汗剤に含まれるアルミニウムと乳がん、アルツハイマー病との関連性についてはこれまで多くの研究が行われてきたが、因果関係を裏付ける科学的根拠は認められていないという。

乳がんに関する情報やサポートを発信する『Breastcancer.org』は、アルミニウムを含まない制汗剤は基本的に存在しないものの、だからといって使用を完全にやめる必要はないと説明。専門家によると、少量のアルミニウムが体内に取り込まれても、健康への影響はほとんどないと考えられているとのこと。そのため、制汗剤は1日に何度も使うのではなく、1日1回程度に抑えたり、汗をかきたくない特別な場面だけ使用したりする方法も選択肢の一つだとしている。

また、気になるのが汗そのものではなく体臭であれば、汗を抑える制汗剤ではなく、体臭対策を目的としたデオドラントを選ぶという方法もいいという。

nemke / Getty Images

更年期移行期の影響で脇から強い臭いがするようになったというある女性は、デオドラントや制汗剤をやめたものの、周囲への配慮は欠かさず、1日に1〜2回シャワーを浴びるほか、通気性の良い衣類を選び、さらに緊張して汗をかきやすい場面では、脇にペーパータオルを挟むなど独自の工夫も取り入れているとのこと。

「夏の通勤ラッシュは混雑していて、それだけでも十分ストレスがあります。制汗剤やデオドラントを使わないという選択をするなら、周囲への配慮も必要です」

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