1. トップ
  2. ヘルスケア
  3. 血糖値コントロールで仕事のパフォーマンスを上げる「ゼロポイント」へみちびく方法を専門医が解説

血糖値コントロールで仕事のパフォーマンスを上げる「ゼロポイント」へみちびく方法を専門医が解説

  • 2026.7.29

食行動による血糖コントロールの次は、血糖値を上げてしまうオンとオフ、それぞれの行動と思考にフォーカス。頭と気分が静かにさえている状態=『ゼロポイント』を目指さそう。

話を伺ったのは…
小池雅美(MASAMI KOIKE)
:こいけ診療所院長。なす医院非常勤医師。臨床分子栄養医学研究会特別認定指導医、漢方専門医。代謝学、栄養学に通じ、外来に加えて医師・医療関係者の指導も行う。著書に『気分の9割は血糖値』(東洋経済新報社)。

血糖をうまくコントロールし、ハイパフォーマンスへ

Maskot / Getty Images

血糖は体と心を動かすエネルギー源ゆえ、ホルモンや自律神経と密接な関係にあり、そのために血糖が揺れてしまうと交感神経が刺激され、体調や気分までブレてしまう。体は食べたものでつくられ機能するので、食の行動変容は不可欠だが、自律神経を“逆なで”する行為で血糖を揺らしてしまうこともある。

「たとえば、寒さ、痛み、騒音。見過ごしがちですが、外からのネガティブな刺激は交感神経を揺さぶり、血糖を上げてしまう。そして仕事について改めて考えると、昼夜を問わずコーヒーやエナジードリンクを飲んで緊張状態をつくりだす必要があるのでしょうか。働いていれば、緊張感が求められる瞬間はありますが、週7日のうち平日5日を追い込み、週末2日は寝て過ごすのは本末転倒です。エネルギー切れやカフェインのとりすぎに加え、冷えの放置、見通しの甘さによる激務……外からのストレスが重なって交感神経が過度に興奮すると、イライラが暴走し、疲労が蓄積。アドレナリンでさらに血糖が乱れ、まさに負のスパイラルです。

逆に、血糖をうまくコントロールしていくと、心がなぎのように穏やかで、かつ最高の知性が働く『ゼロポイント』へ至ります。本物の元気とは、思考も感情もハイテンションではなく、静かにさえた状態。淡々として力強く、ハイパフォーマンス。多忙な女性にこそ到達してほしい境地です」

Hearst Owned

働く日のパフォーマンスアップ術

重要な予定は「おなかを空かせて」臨まない

「空腹時は誰もが戦闘モードに。特に昼食後、夕方にかけて血糖が下がっていくため、午後遅めの商談や打ち合わせは、軽食をつまみながら、あるいは先に補食をとってから。16時スタートと“空腹にコーヒーだけ”は避けるのが賢明です。信頼関係とは、コース料理のように時間をかけて血糖値を上げながら対話をするほうが築きやすい。これは、ビジネスだけではなく、恋愛関係でも同じです」

「ランチ」「昼寝」「補食」を予定に組み込む

「昼食の時間を惜しんで作業。眠気はコーヒーで断つ。いずれも仕事熱心のようにみえて、実際は非効率。昼食も昼寝も、午後のパフォーマンスを最大化するためのミッション。疲れているのに気合を入れると血糖が大きくブレます。一時的に血糖が上がり、同時に血糖の貯蔵庫を消費して、スタミナ切れに。昼食、仮眠、補食でリカバーできれば仕事もはかどり、メンタルも保てます」

働く目的を「遊ぶ金ほしさ」に変えていい

「コーヒーとドリンク剤なしには乗り切れない。そんな働き方は、とにかく仕事を詰めすぎ。結局のところ、仕事を受けすぎて無理でも断れない、スケジュール管理不全。同じタスクでも、受動的に行えば交感神経が刺激されてしまいます。どんな仕事もリラックスして取り組むほうが効率がよく、“遊ぶ金ほしさ”ならがぜんやる気に。血糖を乱高下させる働き方はサステナブルとはいえません」

Hearst Owned

緊張を解き放ち、休養し、整えるオフ術

加温してでも「寒さ」を徹底的に排除

「体は、寒さを感じるだけでアドレナリンを出して血糖値を乱します。女性は筋肉が少なく冷え対策が必須ですが、目指すべきは“温かい”状態。膝かけやソックスでは、現状より下がらないようにするだけ。電気毛布やカイロを活用し、特に夜は体をしっかり温めて寝るのが正解。のぼせやすい更年期は、上半身は冷やして膝下を温かく。ふくらはぎにカイロを貼ると効果てきめん。冷房による冷えも要注意」

緊張、解放。睡眠法で脳のスイッチを切る

日中に血糖値が乱れると交感神経優位な状態が続き、睡眠にも影響が。興奮を引きずったままでは入眠しにくいので、体に『戦いは終わった』と認識させる睡眠法。布団の中で一度全身にグッと力を入れ、一気に脱力。意図的に疲れさせて、抜く、これを繰り返すことで緊張が解かれ、寝付けます。仕事帰りのジムは、興奮のスイッチが入ることも。入眠を妨げない負荷を見極めてから」

「失敗」を客観視、「ネタ」に昇華させる

「やらかしたときは、自分を責めるのではなく『作戦が失敗しただけ』と客観視しましょう。客観性は大切です。たとえば夕方、血糖が下がってアドレナリンが動員された“カラ元気が出始めた状態”を、むしろ調子がいいととらえてしまう。眠気を疲れのサインと認識しない。血糖が安定し自律神経が整えば、ピンチさえも『次のセミナーでネタにしよう』『徳を積んだな』と笑える強さが手に入ります」

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ