1. トップ
  2. ヘルスケア
  3. 医師から『悪性リンパ腫』を宣告された50代女性→数ヶ月前から、体に起きていた“睡眠時の異変”に「もっと早く受診していれば…」

医師から『悪性リンパ腫』を宣告された50代女性→数ヶ月前から、体に起きていた“睡眠時の異変”に「もっと早く受診していれば…」

  • 2026.9.9
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「首のしこりとひどい寝汗は、きっと更年期の不調やほてりのせいね」

そう思い込み、市販のサプリメントを飲んで過ごしていた50代女性のBさん。痛みがないこともあり放置していましたが、数ヶ月後に熱が下がらなくなって受診した病院で言い渡されたのは、血液のがんである「悪性リンパ腫」でした。

抗がん剤治療により回復へ向かっているものの、過酷な副作用に苦しむ日々に「早く受診していれば」と後悔を滲ませています。

みなさま、こんにちは。麻酔科専門医の松岡雄治です。今回はBさんの事例をもとに、見過ごされやすい血液のがんの初期症状や受診の目安について詳しく解説します。

「痛くないしこり」から始まる白血球のがん化

なぜ「痛くないただのしこり」が、全身を脅かす血液のがんへと進行してしまうのでしょうか。悪性リンパ腫は、以下のようなメカニズムで体を蝕みます。

【がんが全身を巡るフロー】

  • 発生:白血球の一種で、本来は体をウイルスなどから守るはずの「リンパ球」ががん化してしまいます。
  • 増殖:がん化したリンパ球が、首や脇の下、足の付け根などの「リンパ節」で増殖し、痛みを伴わないしこりを作ります。
  • 全身への波及:リンパ球は血液やリンパ管に乗って全身を巡るため、がん細胞がリンパ管や血管を通じて全身へ運ばれ、各臓器に生着・増殖し、発熱や急激な体重減少などを引き起こします。

「ただの風邪・更年期」と危険ながんの境界線

「痛くないから病院に行くほどではない」「最近寝汗をかくけれど、きっと更年期ね、市販薬を飲んでおこう」。毎日懸命に生きる皆さんが、自身の体の小さな変化を「いつものこと」「年齢のせい」とやり過ごしてしまうのは、ごく自然な心理です。

しかし、専門医としてお伝えしたい「危険な境界線」があります。通常、感染症による腫れは痛みを伴うことが多い一方、悪性リンパ腫は痛みを伴わない硬いしこりとして現れるケースが多いのが特徴です。

さらに、がん細胞が全身で暴走して異常な物質を放出することで、「ひどい寝汗(盗汗)」や「原因不明の発熱」「急激な体重減少」(これらはB症状と呼ばれます)が起こります。これらがある場合、がんが全身を巡っている危険なサインかもしれません。

恐ろしいのは、ただの風邪や更年期だと思い込み、本当は血液のがんが全身に広がり始めているのに長期間放置してしまうことです。「痛みのないしこりと寝汗のつながり」をほんの少し知っているだけで、過酷な闘病を避け、かけがえのない日常を守れた可能性があります。

重症化する前に、確認すべき3つのサイン

もし首などにしこりを見つけたり、体調の変化を感じたりしたら、重症化する前に以下のサインをご確認ください。

1. 首、脇の下、足の付け根のしこりが「痛くない・どんどん大きくなる」

感染症による一時的な腫れとは異なり、がん化したリンパ球が増殖している直接的なサインかもしれません。

2. パジャマを着替えるほどの「ひどい寝汗」をかく

単なる暑さやほてりではなく、がん細胞が全身で炎症反応を引き起こしている危険なサインのおそれがあります。

3. ダイエットをしていないのに「急激に体重が減少する」

がん細胞が体のエネルギーを異常に奪っている状態で、進行を疑う重大なサインかもしれません。

痛みのないしこりや異常な寝汗に気づいたら早めに受診を

悪性リンパ腫は白血球の一種であるリンパ球ががん化する病気で、感染症による腫れとは異なり「痛みのないしこり」として現れる特徴があります。

大量の寝汗や原因不明の発熱、急激な体重減少といった症状を「加齢や更年期のせい」と決めつけて放置すると、がん細胞が全身へ広がり治療が長期化・過酷化する恐れがあります。

「痛くないから大丈夫」と油断せず、首や脇の下のしこりが消えない場合や気になる体調変化が続く際は、躊躇せずにまずは内科や耳鼻咽喉科を受診し、必要に応じて血液内科へ受診して大切な日常を守っていきましょう。


監修者・執筆:松岡 雄治
総合病院や大学病院、小児専門医療機関での勤務を通じて、幅広い診療科の周術期管理に従事。現在は急性期病院の麻酔科医として最前線の医療に携わっている。専門医としての高度な医学的知見を活かし、医療・健康・美容分野でのコラム執筆や医学論文の解説などを幅広く手掛ける。医療AI技術開発プロジェクトへの参画など多岐にわたる実績を持ち、読者に寄り添った分かりやすい医療解説に定評がある。保有資格は麻酔科専門医、睡眠コンサルタント、睡眠検定1級など。

の記事をもっとみる

注目コンテンツ