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医師「なるべく避けた方が安心」→実は『子どもの高熱』で知っておくべき…解熱剤・冷却シートに潜む「意外なリスク」とは?

  • 2026.9.10
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

夜中に子どもが突然、40度近い熱を出したら、誰でもパニックになってしまいますよね。「一刻も早く熱を下げて楽にしてあげたい」と思うのは、親として当然の心理です。

しかし、なぜ夏にこのような突発的な高熱が出てしまうのでしょうか?そこには、夏の環境と子どもの身体のメカニズムが深く関係しています。

また、良かれと思って行っている解熱剤の飲ませ方や冷却シートの使い方に、思わぬリスクが潜んでいることも。今回は、麻酔科専門医の松岡雄治さんに、夏の高熱の原因や、夜間に慌てないための正しい対処法について詳しくお聞きしました。

夏の突発的な高熱!熱がこもりやすくなる「身体のメカニズム」とは

---夏になると、子どもが突然40度近い高熱を出すことがあります。なぜこのような突発的な高熱が起こるのでしょうか?

松岡雄治さん:

「夏特有の環境要因として、手足口病や夏風邪の原因となるウイルスが、高温多湿の環境を好んで活発になることが挙げられます。加えて、夏にありがちな『熱を逃がしにくくなりやすい要素』と『自律神経の乱れ』が深く関わっています。

【熱がこもりやすくなるメカニズム】

  • 軽度の脱水:夏は気づかないうちに汗などで水分が失われます。水分が不足すると、汗を蒸発させて熱を逃がす仕組みが十分に働かなくなりがちです。
  • 自律神経の乱れ:冷房の効いた涼しい室内と猛暑の屋外を往復することで、体温を調整する自律神経のバランスが崩れ、熱を体内に閉じ込めてしまうことがあります。
  • 体表面積の広さ:子どもは大人に比べて体重当たりの体表面積が広く、外気の影響を受けやすい特徴を持っています。

子どもの場合、外で元気に遊んで帰宅してから夜までぐっすり寝ているということもあります。しかし、給水が十分でないと、脱水が進んで体温をうまく下げることができなくなって夜間に体温が上がっていることもあります。

このように熱がこもりやすい身体の土台があるところへウイルス感染が加わると、免疫反応による脳の『設定温度』の上昇が引き金となり、一気に40度近い発熱を招くことがあります。夏の突発的な高熱には、こうした環境と身体のメカニズムが密接に関わっているのです。」

良かれと思ってやっていない?解熱剤や冷却シートの「意外な落とし穴」

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

---子どもが40度の高熱を出したとき、早く熱を下げてあげたいと焦ってしまいます。解熱剤や冷却シートを使う際の注意点はありますか?

松岡雄治さん:

「夜中に子どもが40度の熱を出せば、一刻も早く熱を下げて楽にしてあげたいと思うのは、親としてごく自然な心理です。ただし、焦りからくる解熱剤の頻用や、冷却シートの併用にはリスクがあることをぜひ知っておいてください。

薬を飲ませたのにすぐ熱が下がらないと不安になってしまいます。頻回に体温を測定して、薬が効いていないと焦るのは無理もないことです。通常解熱薬として子どもに使用するアセトアミノフェンは効果が出るまでに30分〜1時間程度の時間がかかります。

また、『飲み合わせ』が関係していることもあります。お子さんが薬を飲みやすいように、ゼリーやあんこなどの『炭水化物』と一緒に飲ませていませんか?実は、アセトアミノフェンを炭水化物と一緒に服用すると、成分が結びついて体内への吸収が穏やかになり、熱が下がり始めるまでに時間がかかるとされています。

効果が出るのが遅いからと焦って薬を追加してしまうと、肝臓や胃腸に深刻な負担をかけるおそれがあります。薬は必ず規定の量と間隔を守りましょう。

また、額に貼る冷却シートにも注意が必要です。寝返りでずれて口や鼻を塞ぎ、呼吸を妨げたことで脳に重い障害を残した事例が報告されています。こうした事故のおそれがあるため、乳幼児の使用や就寝時の使用はなるべく避けた方が安心です。」

夜間のパニックを防ぐ!事前のスマホ準備と「すぐに受診すべきサイン」

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

---いざというときに慌てないために、平時のうちにできる準備や、直ちに救急受診すべき目安を教えてください。

松岡雄治さん:

「子どもの突然の高熱に直面したとき、パニックを未然に防ぐためには事前の『スマートフォンの準備』がとても役立ちます。

まずできることは、短縮ダイヤル『#8000(小児救急電話相談)』を電話帳に登録しておくことです。この番号はお住まいの都道府県の窓口に繋がり、夜間や休日でも、小児科医や看護師から家庭での具体的な対処法や受診の目安について直接アドバイスを受けられます。

さらに、最近では非常に便利なサービスがあります。それが、夜間対応の小児オンライン診療です。健康で落ち着いている平時のうちに、評判を確認して、アプリのインストールや、お子さんの健康保険証や医療費受給者証の登録を済ませておけば、いざというときに暗い部屋の中で個人情報を入力する手間と焦りをなくすことができます。

ただし、どのような状況でもオンラインや電話に頼るべきではありません。以下のサインが見られた場合は、迷わず119番で救急車を呼ぶか、直ちに夜間救急外来を受診してください。

【すぐに受診すべき危険信号】

  • 生後3ヶ月未満で38度以上の発熱がある(入院治療が必要になりやすい)
  • 顔色が悪く、ぐったりして視線が合わない
  • 不規則な呼吸や、息苦しそうな様子がある

特に、夜間は寝ているのか、ぐったりしているのか判断に迷うこともあるかもしれません。寝かせて体力を回復させてあげたい思いと心配で起こして確認すべきか迷う時にもお気軽に相談してください。迷ったときは、ひとりで抱え込まずに医療を活用して、お子さんの健やかな日常を一緒に守っていきましょう。」

事前の備えと正しい知識で、子どもの突然の高熱を乗り越えよう

子どもの突然の40度の熱。焦って解熱剤をすぐに使い足したくなったり、冷却シートを貼ってあげたくなったりしますが、そこには思わぬリスクが隠されていることが分かりました。炭水化物と一緒に飲むと薬の効き目が穏やかになることや、冷却シートの窒息リスクなど、親が正しい知識を持つことが大切です。

また、いざというときに慌てないために、平時のうちから「#8000」の登録やオンライン診療アプリの設定など、スマートフォンでできる準備を整えておくことが心強い味方になります。危険なサインを見逃さず、迷ったときには電話相談などの医療をうまく活用しながら、大切な子どもの健康を守っていきましょう。


監修者:松岡雄治
麻酔科専門医。総合病院、大学病院、小児専門医療機関での勤務を通じ、幅広い周術期管理に従事。現在は急性期病院で麻酔科医として勤務する。日々、美容領域を含む各診療科の手術に携わっている。医師としての知識と経験を活かして医療系ライターとしても活動し、医療・健康・美容分野の記事執筆、医学論文の解説、商品監修、AI技術開発関連プロジェクトへの参加などの実績を有する。睡眠コンサルタント、睡眠検定1級の資格も保有。

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