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10日返せなかった親友へ、やっと会おうと送った理由

  • 2026.8.1
ハウコレ

「大変だね」の一言で流したくない相手ほど、返信は書いた分だけ画面から消えていきました。

母の付き添いから戻る道で開いた画面には、親友の長文がずっと居座っていました。

軽く返せば済むはずの、軽く返せない相談だった

親友からのメッセージを開いたのは、母の血圧が落ち着いてからでした。

「会社でやらかしちゃった。もう自信ない。話聞いてほしい」

学生時代から電話越しに何時間でも聞いてきた彼女の相談と、同じ声が画面越しに響きました。「大変だね、また話そう」と入力してから、送るのをやめました。私は普段、彼女相手にこの一言で済ませたことがありません。廊下の椅子で膝にスマホを置いたまま、下書きだけが積もっていきました。

返信を書き直しては、送れないまま日が過ぎた

翌朝、母の点滴を眺めながら画面をもう一度開きました。書き出しを変え、途中で消し、書き直し、また書き直し。診察の呼び出しや看護師の質問が挟まるたび、私の意識は親友の相談から離れていきました。悪気はありませんでした。私は頭のどこかで、彼女への返信を「余裕のあるとき、ちゃんと」の側にずっと置いていました。そのうち、返信の遅さ自体が申し訳なくなり、余計に開けなくなりました。

「一度会えない?」の通知に、私はすぐ返信できた

10日目、母の容態が落ち着いた日に、彼女から短いメッセージが届きました。

「一度会えない?」

私は「ごめん、遅くなって。話せる?」とすぐ返しました。カフェで向かい合った彼女に私は「ちゃんと書きたくて、送れなかった」と切り出しました。「母が急に倒れて、入院してる」と続けたとき、彼女は「気づけなくてごめん」と口を開きました。謝るのは私のほうでした。

そして...

黙って背中を撫でてくれる時間の合間に、彼女は共通の知人から古い写真の話を聞いていたと知りました。私が別の友人と楽しそうにしていたのは、去年の集まりの1枚だったのに、それが最近のことのように伝わっていたそうです。会えない時間に彼女は勝手に距離を感じ、私は勝手に返信のハードルを上げていました。誰かに頼るのが苦手なのは、いつも私のほうだったのだと、あの席で気づきました。

(20代女性・会社員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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