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娘の子育てに口を挟み続けた私が、あの日粉ミルクの缶の前で気付いたこと

  • 2026.8.1
ハウコレ

「あなたのやり方じゃ、この子がかわいそう」娘に向けたはずの言葉は、口にした瞬間、若い頃の自分に返ってきました。「もう口を出さないで」と告げられた私が、粉ミルクの缶を持ったまま思い出した過去。

孫の口元にスプーンを近づけたとき、隣に立っていた娘の手が横から伸びてきました。

通わずにはいられなかった娘の家

娘の妊娠が分かってから、私は自分の育児本を古い箱から出して読み返しました。母乳はいつまで、離乳食は何ヶ月から、抱き癖はいけないのか。娘の家が実家から近くて良かったと、あの頃は思い込んでいたのです。

孫が生まれた後、私は娘の家に足を運ぶ回数が増えていきました。「見に来てあげてるだけよ」と繰り返す私に、娘はうなずくだけで、目を合わせなくなっていきました。私が孫に食べさせようとすると、娘が止めようと手を伸ばしたこともあります。私は「いいから」と笑い、そのままスプーンを口に運びました。

送るたびに、既読が遅くなる

娘が仕事に復帰してからは、家に上がる回数は減りました。その分、私は思いついたことをメッセージで送るようになりました。離乳食は手作りの方が体に良い、市販の味付けは強すぎる。娘に届けたかったのは、私が昔知らずに失敗して悔いていることばかりだったのです。送信のたびに、既読がつく間隔は延びていきます。それでも、送るのをやめる決断ができませんでした。

「あなたのやり方じゃ、この子がかわいそう」

連休に、娘が孫を連れて実家に帰ってきました。荷物の中にあった粉ミルクの缶を、私はキッチンで見つけて手にしていました。

「あなたのやり方じゃ、この子がかわいそう」

娘に向けたつもりの言葉なのに、口に出した瞬間、昔の私自身に話しかけているようでした。娘の返事は短いものでした。

「もう口を出さないで」

玄関で娘たちを見送った後、私は缶をふたたび持ち直し、しばらく台所に立っていました。

そして...

数日迷った末に、私は娘に短いメッセージを送りました。「育児本を1冊注文したから、あなたが読んで捨ててくれていい」と書きました。私が昔、姑に何一つ認めてもらえなかったこと。だから娘にはそんな思いをさせたくなかったはずなのに、気付けば私が同じことを繰り返していたこと。次に会えたら、粉ミルクの缶の話から、1つずつ伝えていきます。

(60代女性・元事務職)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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