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お盆の帰省で「バキッ、バキッ」…40代女性が実家の駐車場で遭遇した"想定外の異音の正体"

  • 2026.8.24
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

元自動車整備技術アドバイザーの松尾です。

お盆の帰省や夏休みの旅行では、普段より長い距離を車で走る機会が増えます。そんなとき、出発前から気になっていた小さな異音を「駐車するときだけだから」と放置してしまうと、思わぬトラブルにつながることがあります。

今回は、私が以前勤めていた職場で関わったNさん(40代女性)から聞いた、帰省先での車のトラブルについて紹介します。

「パキパキ」という音を気にしながら帰省へ

Nさんは普段から車をよく利用しており、お盆には家族と一緒に片道数時間の距離を走って実家へ帰省する予定でした。出発前から、少し気になっていたことがあったそうです。

「車庫入れするとき、ハンドルをいっぱいまで切ると『パキパキ』って音がするんです。でも、直進しているときは何も問題ないんですよ」

音が出るのは、駐車場などでハンドルを大きく切ったときだけ。普通に走っている限り、異常な振動や走行不良も感じていませんでした。

そのため、Nさんは「駐車するときだけなら大丈夫だろう」と考え、そのまま帰省へ。高速道路を使った長距離移動も、途中までは特に問題ありませんでした。ところが、実家に到着して駐車場へ入ろうとしたときです。

「今までより明らかに大きな音がして、バキッ、バキッって感じでした。しかも、車体にも振動が伝わってきたんです」

ハンドルを切ることにも不安を感じるようになり、その後、車両を確認するとドライブシャフト周辺に異常が見つかりました。自走して移動することが難しい状態だったため、帰省先で修理工場を探し、レッカー搬送を手配することになったのです。

「曲がるときだけ異音」が出る理由とは

ドライブシャフトは、エンジンの動力をタイヤへ伝える重要な部品です。前輪駆動車などでは、ハンドルを切ってタイヤの向きが変わっても動力を伝えられるよう、ドライブシャフトの両端などに「等速ジョイント」と呼ばれる部品が使われています。

このジョイントを保護しているのがドライブシャフトブーツです。ブーツが破損すると内部のグリスが漏れ、反対に砂や水などの異物が入り込むことがあります。その状態で走行を続けるとジョイント内部が摩耗し、ハンドルを大きく切ったときに「パキパキ」「カチカチ」といった異音が発生する場合があります。

特に厄介なのが、初期段階では症状が限定的なことです。「普通に走っている分には何ともないから大丈夫」と思ってしまいやすいのですが、異音が出ている時点で、内部の摩耗などが進行している可能性があります。さらに長距離走行では、普段より長い時間、部品に負荷がかかります。近所では問題が出なかった車でも、遠出をきっかけに症状が一気に悪化することは十分考えられます。

帰省先での故障は対応が大変に

帰省先で車が故障すると、普段以上に対応が大変になります。いつもの整備工場やディーラーに相談できる環境とは違い、土地勘のない場所で修理先を探さなければなりません。さらに、お盆期間は整備工場が休業していることもあり、すぐに修理できるとは限りません。家族で帰省している場合は、レッカーを待つ間の移動手段や荷物、場合によっては宿泊場所まで考える必要があります。

Nさんも「実家に着いたからよかったと思ったら、今度は帰りのことまで心配になりました」と振り返っていました。

「ハンドルを切ったときだけ」「駐車するときだけ」という異音でも、正常とは限りません。特に、以前は鳴っていなかった音が出始めた、音が大きくなった、発生する頻度が増えたという変化は見逃さないようにしたいところです。ドライブシャフトの異常では、タイヤの内側やホイール周辺にグリスが飛び散っていることもあります。タイヤ交換や空気圧を確認するときなどに、普段とは違う汚れがないか確認するのも一つの方法です。

ただし、足回りから出る異音の原因はドライブシャフトだけとは限りません。サスペンションやステアリング周辺など、別の部品に原因がある可能性もあります。そのため、音だけで「ここが悪い」と自己判断するのは避け、異音や振動が気になる場合は整備工場などで点検してもらうことが大切です。

小さな異音こそ遠出前に確認を

特にお盆や夏休みに数百kmの長距離移動を予定しているなら、「近所では普通に走れるから大丈夫」と考えないこと。出発前に異音や振動などの違和感があるなら、原因を確認してから出発するほうが安心です。また、自動車保険やロードサービスの連絡先、レッカー搬送の条件なども事前に確認しておくと、万一の際に慌てずに済みます。

車の異音は、必ずしもその場ですぐ走行不能になるわけではありません。しかし、「今は走れる」ということと、「長距離を走っても問題ない」ということは別です。せっかくの帰省や夏休み旅行を車の故障で台無しにしないためにも、普段から聞こえている小さな「パキパキ」を「いつものこと」と片付けず、遠出の前には一度、車の状態を確認しておきたいものです。


ライター:松尾佑人(二級ガソリン自動車整備士・二級ジーゼル自動車整備士資格保有)
新卒で自動車整備業界に入り、約8年間整備に従事したのち、現役メカニックに向けた故障診断アドバイザーや各種講習の講師として活動。年間約1,200件の技術相談に対応し、電気回路や配線図の読み解きを基盤とした電子制御システムの解説を得意としている。


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