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相手「自分には過失がない」0:10を主張してきた直進車…夕暮れ時の接触事故でドラレコが映していた“致命的な見落とし”

  • 2026.9.14
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。自動車販売・整備・保険業に27年従事している河野みゆきです。

秋になると、日没の時間が少しずつ早くなります。帰宅時間と薄暗くなる時間が重なることで、夕方の運転では「まだ見えている」と感じながら、実際には周囲のクルマを見つけにくくなっていることがあります。

この時期、気をつけたいのが無灯火走行による事故です。

Oさん(20代・男性)も、夕暮れ時の右折中に直進車と接触しました。当初はOさん側の過失が大きいと考えられましたが、相手側が「自分には過失がない」と主張。ところが、ドライブレコーダーの映像から、相手車両が無灯火だったことが分かりました。

右折中に直進車と接触――相手は「0:10」を主張

Oさんが自宅へ向かっていたのは、周囲が暗くなり街灯が点き始めた夕方のことでした。交差点で右折しようとしたところ、直進してきたクルマと接触。幸い双方にケガはありませんでしたが、車両には損傷が生じました。

事故後、保険会社から過失割合について説明を受けたOさん。右折車と直進車の事故では、右折側の責任が重くなることが多いため、今回もOさん側8、相手側2程度が基本的な割合として考えられる状況でした。

Oさん自身も、「右折していたので、自分のほうが悪いことは分かっています」と話していました。ところが、相手側からは「自分には過失がない」と、Oさん側10、相手側0を求められたのです。さすがに0:10には納得ができず、事故当時の状況を詳しく確認することになりました。

映像を確認すると、相手車両は無灯火だった

確認の手がかりとなったのが、ドライブレコーダーです。

映像を見ると、事故が起きた時間帯には、周囲を走るクルマの多くがヘッドライトを点灯していました。その一方で、接触した相手車両は無灯火での走行。映像からも周囲のクルマより見えにくい状況でした。夕暮れ時は、完全に暗くなる前であっても、ライトを点けているクルマと点けていないクルマでは周囲からの見え方が変わります。

特に、ほかの車両がライトを点灯しているなかでは、無灯火のクルマが背景に入り込み、発見しにくくなることがあります。

Oさんも、相手車両が見えにくい状態だったと話していました。

ただし、ここで注意したいのは、無灯火だからといってすべて相手側の責任になるわけではないということです。夕暮れ時や悪天候のときは、いつも以上に右左折車は直進車の動きを確認しなければなりません。

相手の「0:10」主張からOさんの主張が考慮された

今回、相手車両の無灯火が確認され、その事実が過失割合を修正する要素として考慮された結果、最終的な過失割合はOさん側7、相手側3で決着しました。

もともとの基本的な割合として考えられていたのは、Oさん側8、相手側2程度です。つまり、右折車であるOさん側のほうが依然として大きな過失を負う結果ではあるものの、相手側についても「過失なし」とはならず、過失が1割加算されました。

事故の過失割合は、事故の形だけを見て一律に決まるものではありません。

信号の状況や道路の形状、双方の速度、相手を発見できた状況など、事故ごとの事情が考慮されます。今回の場合は、その中の一つとして相手車両のライトの状態が考慮されたことになります。

事故直後のドラレコの映像は早めに保存

事故が起きたとき、当事者が覚えている内容だけでは、直前の状況まで正確に説明できないことがあります。その点、ドライブレコーダーには、衝突した瞬間だけではなく、その前後の道路状況も残されています。

今回のOさんのケースでも、映像によって相手車両のライトの状態だけでなく、周囲を走っていたクルマの状況などを確認することができました。もし、事故後に相手との主張が食い違った場合には、こうした記録が事故状況を確認する手がかりになります。

事故が発生したら、記録媒体に新しい映像が保存されて必要なデータが上書きされないよう、できるだけ早く映像を保護しておきましょう。ドライブレコーダーの機種によっては、専用の操作が必要な場合もあるため、取扱説明書なども確認しておくと安心です。

右折車だからと諦める前に確認したいこと

右折中に直進車と接触した場合、基本的には右折側の過失が大きくなります。

今回もOさん側7、相手側3となり、Oさん側の責任のほうが大きい結果となりました。それでも、相手車両の無灯火という具体的な事情が確認されたことで、相手側にも過失が認められています。大切なのは、事故が起きたときに「右折していたから自分が全部悪い」と最初から決めつけないことです。

もちろん、自分自身の安全確認に問題がなかったかを振り返ることは必須です。そのうえで、相手車両の走行状態や道路環境など、事故につながった事情を一つずつ確認することが重要になります。また、夕暮れ時に「まだライトはいらない」と考えず、早めに点灯することも大切です。

自分が周囲を見やすくするだけでなく、相手から自分の存在に気付いてもらうためにも、日が落ち始める時間帯は早めのライト点灯を心がけましょう。


ライター:河野みゆき
自動車販売・整備・保険業に27年従事。損害保険募集人資格を保有し、車両購入からメンテナンス、カーライフに関わる保険まで幅広く対応。現場経験をもとに、ユーザー目線でわかりやすい情報発信を行っています。


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