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横断歩道じゃなくてもお構いなしに渡る自転車→衝突事故になったら…悪者にされるのはバイク側だった?

  • 2026.9.14
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

道路を走行していると、横断歩道ではない場所を自転車が横切る場面に遭遇することがあります。なかには、車道を横断しようとした自転車と、直進してきた車やバイクが接触する事故が起きることもあります。

こうした事故では、「横断歩道ではない場所を渡っていた自転車側の過失が大きいのでは?」と思う人もいるかもしれません。しかし、実際の過失割合は、信号や道路の状況、双方の運転など、さまざまな事情をもとに判断されるようです。

では、自転車とバイクの事故では、どのように過失割合が決まるのでしょうか。また、自転車側に交通違反があった場合、そのまま過失割合にも影響するのでしょうか。事故を防ぐために双方が注意したいポイントとあわせて、損害保険会社で事故対応などに携わってきたスライカズヤさんに伺いました。

横断してきた自転車とバイクが接触…過失割合はどう決まる?

---横断歩道ではない場所を横断してきた自転車と、直進してきたバイクが接触した場合、それぞれの過失割合はどのように判断されるのでしょうか?

スライカズヤさん:

「横断歩道のない場所を横断してきた自転車との出会い頭事故では、

・信号の有無
・標識の有無
・道路の幅
・センターラインが交差点内でも途切れずにつながっているか(優先道路にあたるか)

などによって、基本過失割合が個別に判断されます。バイク側の基本過失割合の範囲は、20〜90%です。全体としては、被害者保護・危険責任の原則・優者危険負担の原則などから、バイクよりも自転車の過失が低く抑えられる傾向にあります。これは相手が車の場合も同じ考え方です。

たとえば、

・バイク・車側の道路のセンターラインが、交差点内までつながっている
・交差点内に信号機が設置されていない

この状況で、安全確認をせずに横断してきた自転車と接触した場合、基本過失割合はバイク50:自転車50です。

そこから、自転車側の明確な前方不注意を『著しい過失』としてバイク側が立証できれば、自転車側に10%が加算され、バイク40:自転車60なります。その後は、バイクに速度超過がなかったか、自転車に乗っていたのが児童や高齢者ではないかなどが考慮され、最終的な過失割合が決まります」

自転車が交通違反をしていたら?「違反=そのまま過失割合」ではない

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※Google Geminiにて作成(イメージ)

---横断した自転車側に信号無視や前方不注意などの交通違反があった場合、どのような責任が生じる可能性がありますか? また、交通違反は事故の過失割合にも影響するのでしょうか?

スライカズヤさん:

「自転車も道路交通法上では『軽車両』として定義されており、交通ルールを守る必要があります。

自転車の交通違反はこれまで警察による『指導警告』が中心でしたが、昨今は取り締まりが強化されており、付随して罰則も強化されています。重大な事故に直結する違反(スマートフォンのながら運転、信号無視、一時不停止、右側通行など)に対しては、反則金が科されるようになりました。

一方で、過失割合においては、この交通違反が必ずしもすべて数字として反映されるわけではありません。

あくまで警察による罰則は『刑事責任』に対するものであり、相手への賠償は『民事責任』に対するものです。また、バイクや車であれば免許の取り消しなどは『行政上の責任』にあたります。

そしてこの3つは、それぞれ別の責任として判断されます。交通違反があったからといって、そのまま民事上の過失割合が決まるわけではありません。

過失割合に影響する自転車の交通違反としては、

・信号無視
・車から見て左からの右側通行(逆走)
・前方不注意(よそ見、スマホのながら運転など)
・飲酒運転など重大な違反行為

が挙げられます」

「相手から見えているはず」は危険!自転車とバイク双方が注意したいこと

---自転車とバイクの接触事故を防ぐために、それぞれどのような点に注意して運転することが大切でしょうか?

スライカズヤさん:

「まず、安全運転のために共通して持ちたい意識は、以下の2つです。

・『相手からは自分が見えているはずだ』と過信しない
・駐車車両・対向車・右左折車などで視界が遮られているときは、相手が突然現れることを想定する

その上で、自転車は次のことを心がけるとよいでしょう。

・横断前に左右を必ず確認する
・見通しが悪い場所では、車が来る前提で速度を落とす
・車の陰から突然横断するような動きは避ける
・必要なら一度停止して、安全を確認してから横断する

また、自転車においても、右側通行は交通違反であり、そのまま交差点に進入すれば、左側通行をしている車との距離が近くなり、お互いが認識した瞬間に接触してしまうケースが多くあります。

この違反は過失割合でも自転車側に5%の過失割合の加算がされる場合が多く、さらに自転車側の大きなケガにつながります。

バイクは次のことを心がけましょう。

・視界を遮る車両の横を通過するときは速度を落とす
・車の陰から歩行者や自転車が出てくる可能性を考える
・自分が優先道路を通行中で徐行の義務がなくても、必要に応じてブレーキを使える速度にする

自転車とバイクの出会い頭の事故だと、自転車の赤信号無視でない限りは、バイク側の過失割合は同等かそれ以上になります。まずは安全運転を意識し、事故に遭う確率を減らしましょう。それでも接触してしまった場合に備えて、自分に過失割合の加算要素がないことを主張できるように、ドライブレコーダーを設置しておくのも大切です」

横断歩道のない場所でも、道路状況や双方の運転によって過失割合は変わる

横断歩道ではない場所を横断していた自転車とバイクが接触したからといって、自転車側の過失が一律に大きくなるわけではありません。信号や標識の有無、道路の幅、優先道路にあたるかどうかなどをもとに基本的な過失割合を判断し、さらに双方の速度や前方不注意などの事情を踏まえて最終的な割合が決まるとのことです。

また、自転車も「軽車両」であり、交通ルールを守る必要があります。ただし、交通違反に対する責任と、事故の損害賠償における過失割合は別々に判断されるため、「交通違反をした側がすべて悪い」と単純に決まるわけではありません。

自転車とバイクのどちらも、「相手から自分が見えているはず」と考えず、見通しが悪い場所では相手が突然現れる可能性を想定することが大切です。特に視界が遮られる場所では、速度を落としたり安全確認を徹底したりして、事故を防ぐ運転を心がけましょう。


監修者:スライカズヤ

損害保険会社で事案担当者として10年間、示談交渉・損害査定・自動車修理の協定業務に携わり、数多くの事故対応の現場に立ってきた、保険・自動車分野専門のライター。初級技術アジャスター、3級ファイナンシャル・プランニング技能士、損害保険事業総合研究所主催 本科講座修了。専門性の高い知識を、正確に、分かりやすく伝えることを信条とし、「当事者にならないとわからない」事故と保険のリアルを読者に届ける。


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