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【新・フレンチシック特集】パリジェンヌと読書! Z世代に広がるブームとは?

  • 2026.7.23
CLÉMENCE LOSFELD

【READER】文学愛を読書動画で伝える人気ブックトッカー

Hearst Owned

Emma Clairenbeaud/エマ・クレランボー

「超負け組のストーリーで何かおすすめは?」と、画面外から女性が問いかける。すると21歳のエマ・クレランボーは、自身の本棚へと振り向き、カフカの『変身』を手に取る。「人生にいいように食いつぶされてしまう男の話」。 約1分間、彼女はこの古典について、親しみやすい言葉と学術的な視点を織り交ぜながら明快に説明。2024年10月からInstagramとTikTokで「@unecamusienne」として週3本、読書動画を配信中。アカウント名は、本好きになるきっかけとなった作家アルベール・カミュへのオマージュから。ほかのブックトッカーと一線を画すエマの魅力は、チャーミングさに加え、質問に応じたユニークな選書と語り口。「文学的な家庭で育ったわけではないので、家族に読書をすすめるとき、あらすじだけでなく、なぜ自分がそれを好きなのかを伝える必要がありました。そんなふうにフォロワーにもおすすめしています」

Profile パリ在住の21歳。現在、大学の修士課程でアルベール・カミュを研究中。詩人、エミリー・ディキンソンにも魅了されている。好きな音楽は、ミシェル・ルグラン。特に『ロシュフォールの恋人たち』のサントラが好み。

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エマのおすすめブックリスト!

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2026年に1冊しか本を読めないとしたら?

『悪童日記』 アゴタ・クリストフ著 堀 茂樹訳

戦時下を生きる双子の少年。孤立無援の状況のなか、生きる術を習得し、起こった事実を“日記”につづっていく。壮絶なサバイバル日記。 ハヤカワepi文庫 ¥1,320

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主人公のようになりたいと思わせる作品は?

『知と愛』 ヘッセ著 高橋健二訳

修道院に入った美少年ゴルトムントだが、若き師の導きで知を断念し、愛欲に生きることに。人間の根源的な欲望である知と愛を掘り下げた名作。中古

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クールなバリキャリ女性のエネルギーをもらいたい

『危険な関係』 ピエール・ショデルロ・ド・ラクロ著 竹村 猛訳

18世紀後半のフランス貴族社会を舞台に、愛と性のゲームを通して貴族文化の栄華とデカダンスを描いたフランス文学の金字塔。角川文庫 ¥858

【TREND】停滞する出版界をロマンス小説が席巻!

若い女子に人気の『Tourist Season』。 CLÉMENCE LOSFELD

書籍市場が伸び悩むなか、フランスではロマンス小説が出版界を席巻している。2024年のベストセラー小説100冊のうち31冊がロマンスで、パリには「Gibert Romance」のような専門書店まで誕生。人気をけん引するのは、刺激的な「ダーク・ロマンス」やファンタジーと融合した「ロマンタジー」、現代的な恋愛観を描く「ニュー・ロマンス」。かつての恋愛小説と異なり、主体性を持つ女性主人公やメンタルヘルス、多様性などのテーマも扱う。

ロマンス小説の専門書店「Gibert Romance」には若い女性たちが集う。 CLÉMENCE LOSFELD
ダーク・ロマンタジー小説『A Kiss of Iron』。 CLÉMENCE LOSFELD

さらに、読書コミュニティ「#BookTok」での口コミがヒットを後押し。店内にはお気に入りの作品目当ての若い女性たちが集い、サイン会や読書コミュニティを通じて交流を深めている。ロマンスは今や20代から40代以上まで幅広い読者を巻き込み、フランス出版界で最も勢いのあるジャンルとなっている。

CLÉMENCE LOSFELD

GIBERT ROMANCE(ジベール・ロマンス)

28, boulevard Saint-Michel 75006 Paris FRANCE

www.gibert.com

【Writer】ニュー・ロマンスの象徴。30歳のベストセラー作家

LOU INSPI

Morgane Moncomble/モルガン・モンコンブル

今年3月に発売した、マリー・アントワネットにインスパイアされた3部作の第1巻『La Révolte de la Reine』が既に10万部を売り上げているモルガン・モンコンブル。若者を中心にブームとなっている「ニュー・ロマンス」(恋愛を軸にしながら現代社会の問題や若者の生き方を描く)ジャンルの若きベストセラー作家だ。「10年前に初めて印税明細書を受け取ったとき、一年で約4,000ユーロで、執筆だけで生きていくことは絶対に無理だと思って涙しました」。現在30歳となった彼女は、フランスで3番目に多くの読者を持つ女性作家へと成長。2021年、TikTokの動画がきっかけとなり、6冊目の著書『L’As de Cœur』で彼女はスターダムを駆け上がり、続く『Seasons』シリーズは、全4巻で150万部を売り上げた。「ある日を境に突然、人々が私や私の本についての意見を発信するようになったのです。私の日常は激変しました」。'24年、燃え尽き症候群に陥った彼女は、一人で韓国へ向かい、忘れられることへの恐怖と、目立たずにいたいという願望の間で揺れ動きながら1年間を過ごしたという。派手な趣味のないモルガンは、不確実な将来に備えてお金をため、今は“理想の家”を探している。

Profile 12歳で小説を書き始め、ソルボンヌ大学で現代文学を学ぶ。2016年、小説投稿サイト「Wattpad」に『Viens, on s'aime』を投稿したことで作家デビュー。『Seasons』シリーズ('23-24年)で国民的作家に。

HBO

『La Révolte de la Reine』

フランス革命前夜のベルサイユを舞台にした歴史改変ロマンス。モルガン・モンコンブル著 Hugo Roman刊 洋書 3部作の第1巻

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『Seasons』

秋・冬・春・夏の四季をテーマに、それぞれ異なる主人公の恋愛を描く全4巻のシリーズ。モルガン・モンコンブル著 Hugo Roman刊 洋書

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