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「掃除は気づいた人がやれば?」と主張する夫。だが、妻の正論で態度が一変

  • 2026.7.23

見えないほこり

共働きの我が家で、掃除はなぜか私だけの仕事になっていた。

夫は床のほこりや髪の毛に、まったく気づかない。目の前に落ちていても、平気でその上を歩いていく。

「足元、ほこり溜まってるよ」

「へえ、そう?全然わからなかった」

本当に見えていないらしい。

私が毎日拾い、拭き、掃除機をかけて、ようやく保たれている床だった。

それが当たり前になっていることに、じわじわと不満が募っていく。

先週末、たまらず頼んでみた。

「休みの日くらい、掃除手伝ってくれない?」

夫はあくびをしながら、こともなげに言った。

「掃除は気づいた人がやれば?」

気づいた人。つまり、いつも私。その理屈のずるさに、しばらく言葉が出なかった。

言い返したいのに、言葉が続かない。

そもそも手伝うと口にした自分にも、少し引っかかった。手伝う。まるで掃除が私の仕事で、夫はおまけみたいな響きだ。この家に二人で暮らしているのに、どうしてだろう。

この家は誰のもの

数日後の休日。私はソファでくつろぐ夫の隣に腰を下ろして、静かに切り出した。

「ひとつ聞いていい?」

「なに、急に」

「この家、あなたのだよね?」

夫はきょとんとした顔で私を見た。

「そりゃ、俺の家でもあるけど」

「だよね。じゃあ、この床のほこりも髪の毛も、半分はあなたのものだよ。私が気づくまで放っておくのって、自分の家を他人任せにしてるのと同じじゃない?」

夫の顔から、いつものへらへらが消えた。視線が部屋の隅をさまよい、床のほこりの上で止まる。

いつもなら笑って受け流す夫が、めずらしく黙り込んだ。天井を見上げ、それから小さく息を吐く。

「…そっか。俺、自分の家なのに、お客さんみたいだったのかも」

自分から動く背中

その日、夫は初めて自分から掃除機を手に取った。

ぎこちない手つきで、ソファの下や部屋の隅までていねいにかけていく。終わると、少し得意げに振り返った。

「見て、こんなにほこり取れた」

それからの夫は、変わった。私に言われる前に、床の髪の毛へ自分で気づくようになったのだ。

「ここ落ちてたから拾っといた。自分の家だからね」

翌週には、ゴミ袋の補充や排水口の掃除まで、私が言う前に済ませてくれるようになった。名もなき家事の存在に、ようやく気づいたらしい。

照れ隠しのように付け足す言葉が、なんだかおかしくて、うれしかった。

掃除は、押しつけ合う雑用じゃない。自分の暮らしを、自分の手で整えること。動き出した夫の背中が、そう教えてくれた気がした。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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