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東京で味わう、個性豊かなスペイン料理  最旬グルメトーク Vol.2

  • 2026.7.22
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美食の街・東京。日々新たな名店が誕生するこの街のグルメシーンを長年追い続けてきたグルメジャーナリストのKEIとYUMIKOが、独自の視点で選んだおいしいお店情報。

今回ふたりが注目したのは東京で増えている「スペイン料理店」。一時のバルブームから個性をより強く打ち出したお店の特徴とは? グルメ通による熱量あふれる対談から、東京グルメの“今”が見えてくる、濃厚トレンドナビ。

グルメナビゲーターはこのふたり!
KEI SASAKI …情報誌編集部を経て、2004年よりフリーランス。食と農、酒、旅などをテーマに、「人と味」「土地と食文化」の視点から国内外の都市、ローカルを取材。JSA認定ワインエキスパート。@sasaki__kei

YUMIKO TAKAYAMA…「エル・ジャポン」や「マリ・クレール」といったファッション誌や、映画専門誌、「エル・グルメ」などの編集者、ライター、地域活性事業などを経て現職に。旅と食文化、カルチャー、自然が身近にあるライフスタイルを目指す。@yumicoco0906

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KEI×YUMIKO対談:今、東京のスペイン料理は個性的に進化してる!

バルフードはただの小皿料理じゃない!

YUMIKO: 2010年前後ごろにバルセロナへ行った時、おしゃれピンチョスブームで熱気がすごかったですね。日本でもそのトレンドの波はきていたんですけど、当時の日本は見た目重視で高価な店も多く、文化として定着しなかった印象があります。

KEI:日本でも2005年以降、カジュアルなスペイン料理店が続々とオープンして人気を博していましたが。当時はピンチョスだとかタパスだとかいうより、みんなでワイワイ料理をつまむ、バル的な雰囲気が人気だったように思います。

YUMIKO: 今「ピンチョス」と「タパス」が混同されがちですが、タパスはいわしの酢漬けのようにお皿に盛られた小皿料理全般を指し、ピンチョスは串(ピン)に刺さっていたり、ひとつまみで食べられるもの。そこには「一口サイズの美学」が詰まってます。

蒲田から発信する新たなバーカルチャーに熱視線!

YUMIKO: ピンチョスの注目店が蒲田の『ロベル』。店主の上田さんは本場バスクを巡るなかで、日本で本当においしいピンチョスの店を作りたいとオープンさせたんです。元々は高級和食店で腕を磨いてきた方で、食材と美しさ、味のクオリティへのこだわりが強い。 バスクの味をベースに、日本の山菜やきのこ、ジビエを合わせた、ここだけのピンチョスが楽しめるのも魅力。しかもはしご酒の街、蒲田っていう立地を選んだのもユニークですよね。

KEI: スペインのサン・セバスティアンのように、立ち飲みで何軒かのバルをホッピングする立ち飲みスタイル、蒲田ならできるかもしれませんね。

YUMIKO: まさに!サクッと立ち寄って気軽に楽しめる。蒲田に新しいバル文化を定着させようっていう熱い想いが素敵な試みだなって思います。

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下町カルチャーに伝統をぶつける、亀戸の“渋エモい”バル

YUMIKO:亀戸の「ロサ アスール」はこれまでのトレンドとは違ったおもしろさがあるんですよ。とにかく煮込み料理のセンスが抜群。店主の二階堂さんは冬場に作る「カジョス(牛モツの煮込み)」の話になると永遠に語れるほどの熱量(笑)。華やかなモダンバルというよりは、マドリッドの路地裏にありそうな、渋くて落ち着いた雰囲気が漂ってます。

KEI:
亀戸という、日本下町の「煮込みの街」の歴史やカルチャーに、自分の好きなスペインの煮込み料理をあえてぶつけている通好みの魅力的なお店ですね。

本場を真似るだけじゃない!東京の土壌が育むスペイン食文化の立体的な魅力

KEI:何をもってスペイン料理とするかって、他ジャンルのシェフたちと話していても盛り上がるんですよ。例えばフランス料理なら、歴史的にはバターだとか、赤ワインなどの洋酒のきいたソースが味のベースになってるわけじゃないですか。

YUMIKO : 今のモダンなフレンチはそれだけじゃないけど、やっぱり国ごとに“味の骨格”がある

KEI :
クラシカルな視点ですが、スペイン料理といえばにんにく、オリーブオイル、そしてピメントン(スモークパプリカ)の効かせ方だと思うんです。あとは青唐辛子の酢漬けがアクセントになっているとか。特定の調味料や香りがバシッと決まっていると、「今スペイン料理を食べている!」って脳に響くし、無性にスペインワインが欲しくなる(笑)。今回取材した「コネクショア」の料理にはそれを明確に感じましたね。

YUMIKO:最近はどのジャンルも料理に和の食材を合わせるのが当たり前になっていますが、今回取材した3店はどこもベースを崩さない絶妙なバランスで日本食材を使ってるのがすばらしいですよね。

KEI:和食材を使うこと自体は珍しくないからこそ、その奥にある“味の骨格”やスペインのカルチャーとしての軸がブレずに残っているかがすごく重要。それぞれの店がどこを切り取って「スペインらしさ」を表現するか、その解釈のバリエーションこそが、今のスペイン料理の豊かさであり、おもしろさ。バルやタパスの文脈とは離れますが、単に「居心地のよい」レストランの選択肢としてきちんとしたスペイン料理店があるという意味でも「コネクショア」の役割は大きいですね。

YUMIKO:
今は「これがスペイン料理!」と定義するより、店ごとの自由な解釈を楽しむ。現地のバル体験を日本の立ち飲みに落とし込む店もあれば、下町の空気感と伝統の煮込みを融合させる店、スペインらしくクラシックな肉の火入れにとことんこだわる店もある。その個性の違いがおもしろいです。

KEI現地の味をそのままコピーするのではなく、味の骨格を守りつつ、日本の食文化と自分の技術をどう掛け合わせるか。そうした独自の選択肢がたくさんあり、日常的にそれを選べることが食文化の熟成の証だと思います。

Jun Hasegawa

コネクショア/東京・目黒

Satoshi Fukuda

ロベル/東京・蒲田

Jun Hasegawa

ロサ アスール/東京・亀戸

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