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昭和の記憶を次世代に繋ぐ。永山祐子設計の「黄金湯 新宿店」がオープン

  • 2026.7.13
OMOTE Nobutada

いまや海外からの旅行客のあいだでも人気沸騰の銭湯。近年新たなスタイルに挑戦する店舗も次々に増えている。自身も事務所を構え、2023年には「東急歌舞伎町タワー」の設計も担当した建築家の永山祐子が、地元、新宿の銭湯の大改修を手掛けた。


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大々的にリニューアルを果たしたのは、東京・東新宿の昔ながらの住宅街のなかにある1964年創業のレトロな銭湯。「黄金湯 新宿店」として新たな一歩を踏み出した。

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<写真>日によってピンクやイエロー、オレンジなどへと表情を変えるネオンを天井に設置した番台。


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設計を担当した、建築家の永山祐子はプロジェクトのきっかけをこのように話す。

「いろんな建築を手掛けてきましたが、銭湯の設計は初めてなので、胸が躍りました。改修前の現場を見た時に、もっとも印象的だったのが壁一面に広がるメルヘン調のモザイクタイル絵です。そこでこのタイル絵をはじめ、場に残る記憶を取り入れつつ、新しい時間を重ねていく空間ができないかと考え始めました」

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元来のタイル絵はそのままに、周辺をグラデーションでぼやかし幻想的な印象に改変。さらにかつて竹藪の囲いが設けられ、タイル絵が剥がされていた両端は、生成AIで補完し、手作業で貼り直した。

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この色調に合わせるように、浴室全体はウグイス色のタイルをオリジナルで焼成。後年の改修で切妻型に変更されていた天井パネルを撤去し、創業当時の姿であるドーム状の円形天井を復元。そこにバンドーウールの左官で優しい印象に収めていった。

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「新宿は昔からあるものを愛で、新しさも積極的に取り入れ、うまく融合していく新旧が絶妙に交錯する場所。そんな土地の感覚を意識しながら、以前訪れたことのある、ブダペストの『ゲッレールト温泉』というアール・ヌーボー様式の温泉施設で触れた空間の趣き、居心地の良さも参考にしました」

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快適性を高めるために、永山は炭酸泉、薬湯、水風呂の3つの浴槽を以前よりも広々としたサイズに設定。洗い場の明るさは保ちつつも、浴室全体の照度を抑え、アッパーライトで空間全体を緩やかに照らしていった。一角にはタイルベンチの休憩スペースや、個人で持ち込むシャンプーやボディーソープのための物置棚もオリジナルでデザインするなど、ディテールにまで細かく意識を配っている。

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さらに、現代の銭湯には必須と言われるサウナも完備。以前は従業員用の控室だったエリアを活用し、男性用は15名ほどが利用可能な溶岩石を壁面に用いた大型サウナルームを設置。水風呂と外気浴スペースも併設した。一方、女性用は男性用よりも少し小さいサイズで、穏やかな雰囲気に包まれた木調のサウナルームを用意。マイクロバブルが出る美泡水風呂、さらにはアカスリサービスも行うなど、サービス面もしっかり整っている。

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<写真>サウナエリアの壁は下部を小石が混ざった洗い出し、上部は水や蒸気に強い左官で仕上げ、洞窟のような非日常な感覚が味わえるのも面白い。

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入浴後は、番台と一体になった楕円型のバーカウンターでオリジナルのクラフトビールやドリンクを一杯。カウンター内にはDJブースも設置されているので、いずれはイベントなども開催される可能性もあるそう。また、カウンターでは、施設のクリエイティブディレクションを手掛ける高橋理子によるオリジナルの手拭いやバッグ、サウナキャップ、Tシャツなども販売している。

新宿に訪れたら、まずはひと風呂浴びて、新たな銭湯体験を楽しんでほしい。

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黄金湯 新宿店
住所/東京都新宿区新宿7-22-11
料金/大人550円(中学生以上)、サウナ代800〜1250円
休み/第1、3火曜日
営業時間/12:30〜翌朝9:30(8月以降)

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