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隣人「そのブロック塀、うちの所有物ですが…」40代夫婦が新築庭に設置したフェンス、直後に迫られた"顛末"

  • 2026.8.6
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

新築住宅を購入すると「夏休みまでに庭をきれいに整えたい」「子どもが庭でプールや水遊びをするときの目隠しがほしい」と考え、フェンスの設置を検討される方も多いのではないでしょうか。

ただ、隣地との境界にあるブロック塀は、見た目の位置関係だけで自宅側に見えていても「自分の所有物」とは限りません。所有関係を確認しないまま工事を進めると、思わぬトラブルにつながることがあります。

今日は、ブロック塀の所有者を勘違いしたまま目隠しフェンスを設置した結果、撤去や再施工が必要となり、予想外の出費とご近所トラブルに発展してしまった40代ご夫婦の事例をご紹介します。

「夏休みまでに完成させたい」と急いだ目隠しフェンス工事

数年前、隣地との境界トラブルについて相談を受けたのは、土地を購入して新築住宅を建てた40代のAさんご夫婦でした。

「今年の夏休みは、人目を気にせず庭で子どもがプールや水遊びを楽しめるようにしたい」

そんな思いから、道路や隣家からの視線を遮る目隠しフェンスを設置することにしたそうです。庭と隣地の間には、以前からブロック塀が設置されていました。

「塀は自宅側にあるし、この上にフェンスを取り付けても問題ないだろう」

Aさんはそう考え、外構業者にも「このブロック塀は自宅のものです」と伝えたうえで工事を依頼しました。外構工事では、既存の塀やフェンスの所有関係について、施主の説明を前提に施工が進められるケースも少なくありません。

工事当日、庭には資材が運び込まれ、職人がブロック塀へ金具を取り付ける作業を進めていきます。Aさんご夫婦も「これで夏休みまでに間に合いそうだ」と完成を楽しみに見守っていました。

「そのブロック塀はうちの所有物です」隣人から突然の一言

フェンスの柱が立ち始め、職人がブロック塀へ固定金具を取り付けていたそのときでした。隣家の住人が現場へ歩いて来られ、工事の様子を見たあと静かな口調でこう話したそうです。

「そのブロック塀は、うちの所有物ですが…」

突然の一言に、作業をしていた職人の手が止まり、その場には一瞬緊張した空気が流れました。

さらに隣家の住人は「こちらへ確認なくフェンスを取り付けられると困ります。撤去して元の状態へ戻してください」と伝え、その場で工事は中断。Aさんは突然の指摘に戸惑いました。

「えっ、この塀はこちら側にあるから、うちのものじゃないんですか?」

そう言い、何度もブロック塀と境界付近を見比べたそうです。

隣家からすれば、自分の所有するブロック塀へ無断でフェンスが設置されている状況です。撤去や原状回復を求めることは、所有者として当然の権利でした。

Aさんも事情を理解し、その後は境界や所有関係を確認するため、改めて話し合いを進めることになりました。

境界を調べると、認識に違いが

工事が止まったあと、Aさんは改めて隣地との境界を確認することにしました。

Aさんは土地を購入して新築住宅を建てました。土地の購入時には前所有者から境界について説明を受けていたものの、境界確定測量(隣接する土地所有者全員で境界を確認し、正式に確定する測量)は行われていませんでした。

そのため「ブロック塀は自宅側のもの」というAさんの認識と、「自分たちが設置したブロック塀」という隣家の認識に食い違いがあったのです。

後日、土地家屋調査士が現地で測量を行い、隣地所有者も立ち会って境界を一つずつ確認していきました。

そして測量結果がまとまり、ブロック塀は隣地所有であることが正式に確認されました。その結果、設置したばかりのフェンスは撤去することになり、ブロック塀も元の状態へ復旧。さらに、自分の敷地内へ改めてフェンスを設置し直すことになりました。

完成を楽しみにしていたフェンスはわずかな期間で取り外され、庭には再び工事車両が入り、職人が撤去作業を進める光景をAさんは複雑な思いで見守るしかなかったそうです。

撤去費用や再施工費、境界確定測量の費用などが重なり、当初は想定していなかった出費も発生しました。

「境界を一度確認してから工事をお願いしていれば、防げた話でした」

Aさんは悔しそうに振り返っていました。

境界付近の工事は所有関係を確認してから進めたい

隣地との境界付近にあるブロック塀やフェンスは、自分の所有物とは限りません。隣地所有者の単独所有となっている場合もあれば、共有となっているケースもあります。

また、購入時に説明を受けていても、境界確定測量が行われていない土地では所有関係について「双方の認識」が一致していないこともあります。

そのため、フェンスやブロック塀など境界付近の工事を行う際は、事前に境界や所有関係を確認することが大切です。

必要に応じて土地家屋調査士へ相談し、隣地所有者とも協議したうえで工事を進めることで“撤去”や“再施工”といった思わぬトラブルを防ぎやすくなります。

本来、庭づくりは家族との時間をより豊かにするためのものです。だからこそ、工事を急ぐ前に境界や所有関係を確認するひと手間が、予想外の出費や近隣トラブルを防ぎ、安心して暮らせる住まいにつながるのではないでしょうか。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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