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東大生を育てたおかん(8)「私と違ってよかった」東大合格の瞬間、胸に去来した想い

  • 2026.7.7
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フルタイム勤務で3人の子供を育ててきたしらたまさんの長男は東京大学に推薦入試で合格を果たしました。東大へと子供を送り出した保護者へのインタビューから、これからの時代の子育てのヒントを探る、全10回にわたる特別連載の第8回は、塾なしで挑んだしらたまさんの長男の大学受験の舞台裏と、合格を掴み取った瞬間に母・しらたまさんが抱いた「特別な想い」に迫ります。

寒い教室で一人…塾なしで挑んだ冬

高校2年になるタイミングで通っていた塾が経営難で閉校し、「塾なし」で大学受験期を迎えることになったしらたまさんの長男。推薦入試を視野に入れていたとはいえ、今どき塾に通わず大学受験に挑むのは、かなり珍しいケースと言えます。

多くの高校生が不安に駆られて塾に駆け込む中、しらたまさんの長男は淡々と、自習だけで合格への道を歩んでいきました。

しらたまさん:「東大入試は推薦での挑戦でしたが、一応共通テストも私立大学の入試も受けるスケジュールでした。何より塾に行ってなかったので、休日は家から歩いて10分ほどの学校へわざわざ行って、暖房もつかない凍えるような教室で、1人で黙々と自習をしていたみたいです」

本人の判断を信じて過ごした日々

青森の厳しい冬、暖房のない教室でたった一人、机に向かい続けたしらたまさんの長男。しらたまさんはここでも余計な口出しはせず、本人に任せ、本人の判断を信じて過ごしたといいます。

しらたまさん:「運がいいときは、先生が気付いて、暖房をつけてくれることもあったようなのですが、基本的には誰もいないのでとっても寒かったようですよ」

そして2月半ば、私立大学の受験シーズン真っただ中に、「東大合格」の通知が届いたのでした。

「自分で自分の道を切り開いてくれた」自分と重ね合わせて

合格の知らせを聞いたとき、しらたまさんは「ホッとした」そうです。そして自分と重ね合わせたといいます。

しらたまさん:「合格したときは、本当に『本人が頑張って実を結んだな』『自分で自分の道を切り開いてくれたな』とホッとしました。実は、私自身はどちらかというと親の言うとおりの人生を歩いてきてしまったな、という思いがあったんです」

「本当に嬉しかったし、すごく安心しました」

一般的な会社員のしらたまさんですが、実は小さなころから絵を描くことが大好きで、一時期はイラスト関係の仕事に就きたいと考えたこともあったそうです。しかし、親から「地元で就職しなさい」と言われていたため、夢は諦めたという過去がありました。

しらたまさん:「だからこそ、息子が誰に強制されるでもなく、自分の意志で、自分の力だけで、新しい世界への道を切り開いていってくれたことが本当に嬉しかったですし、すごく安心しました」

自分の力で道を開き、自分の足で人生のスタートラインに立った、しらたまさんの長男。しらたまさんにとっては、東京大学に合格したことよりも、その事実が何よりも嬉しかったそうです。

【お役立ちデータ】小学生の将来なりたい職業とライフプラン 日本FP協会が発表した2025年集計の「小学生が将来なりたい職業」の結果によると、男子のランキングは、1位「サッカー選手・監督など」、2位「野球選手・監督など」、3位「医師」が7年連続で同じ顔ぶれとなりました。これまでの定番であるゲーム関連やYouTuberといったデジタル系の職業が上位をキープする一方で、今回は「大工」が6年ぶりにトップ10に返り咲くという、ものづくりの原点への興味を示す面白い変化も見られました。一方、女子のランキングでは、毎年高い人気を誇る「保育士」が首位を獲得したほか、上位には看護士や美容師、医師、パティシエといった、人のお世話や美、食に関わる専門職が手堅く並ぶ安定した結果となりました。その中で唯一、今回は「漫画家」が大きく順位を上げてトップ10入りを果たすという、クリエイティブな分野への関心の高まりを伝える新たな動きが注目を集めました。

■日本FP協会:2025年小学生「将来なりたい職業」ランキング

ライターコメント

多くの受験生が塾へ駆け込み、カリキュラムをこなす中、塾に頼らず「自習」で東大合格を掴み取ったしらたまさんの長男。「受験=塾、課金」というイメージが先行する現代において、塾に行かない選択をしたからこそ課外活動に打ち込む時間を生み出し、推薦合格を勝ち取ったというストーリーは、過熱する一方の受験事情に一石を投じるものになりそうです。

<ライタープロフィル>ゆんち

2004年に産経新聞社へ入社。静岡、仙台での事件取材を経て、東京社会部では厚生労働省を担当、派遣労働問題などの社会課題を深く掘り下げる。また、特異なキャリアとして法廷画家を兼務し、数多くの法廷画を手掛けてきた。その後、産経新聞社が発行していたタブロイド紙「SANKEI EX」にてブランド、旅、食をテーマとした執筆活動を展開。南アフリカやオーストラリアなど世界各国を取材で巡るほか、臨時特派員として南太平洋のキリバス共和国への駐在経験も持つ。J-WAVE「TOKYO MORNING RADIO」にて、週1回おすすめニュースを3年間にわたり担当。

現在は2児の母となり、これまでの取材経験に加え、教育、健康、ライフハックへと関心の幅を広げている。「趣味を仕事に!」をモットーとする自称「脱力系ライター」。釣り、温泉、グルメ、そして海を眺めてぼーっと過ごす時間を愛する旅人でもある。長年、酒と旅と釣りを友としてきたが、現在は期間限定で禁酒中。新商品から旅、ファッション、グルメまで、自身のアンテナに触れたトピックを独自の視点で発信している。

東大生を育てたおかん

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