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相手「真ん中を走っていたのはあなたでしょう」ドラレコなしの50代男性、相手が自ら提出した映像に絶句

  • 2026.7.29
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。自動車販売・整備・保険業に27年従事している河野みゆきです。

交通事故では、言った、言わないだけでなく、どちらがどのように走行していたのかが問題になることがあります。

中でも、中央線のない道路や立体駐車場のスロープでは、車同士がすれ違うためにお互いが左へ寄って走行しますが、少しの走行位置の違いが事故の原因となり、「相手が真ん中を走っていた」と双方が主張するケースも珍しくありません。

「真ん中を走っていた」と言われ、不利になることを覚悟したMさん

ある日の午後、Mさん(50代・男性)は商業施設の立体駐車場で、スロープを下っていました。

このスロープには中央線がなく、車同士が安全にすれ違うためには、お互いが十分に左へ寄って走行する必要がある構造だったそうです。Mさんは、慎重に下っていましたが、前方から上ってきた車と接触。幸い双方に大きなけがはありませんでしたが、事故直後、相手はすぐにこう主張したそうです。

「真ん中を走っていたのはあなたでしょう」

Mさんは「自分は左へ寄って走っていた」という認識でしたが、相手は「Mさんが中央寄りを走っていたから接触した」と譲りません。

しかも、Mさんの車にはドライブレコーダーが付いていませんでした。

「証拠がない以上、自分に不利になるかもしれない…」

そう感じながら、修理のため来社。相手への補償や自車の修理代など不安な気持ちを話してくださいました。

真実を映していたのは相手のドライブレコーダーだった

一方、相手の車にはドライブレコーダーが装着されていました。事故後、相手は「自分に非はない」と考えていたため、自身の主張を裏付ける証拠になると思い、保険会社へドライブレコーダーの映像を提出したそうです。

しかし、実際に映像を確認すると、そこには相手が思っていたものとは違う状況が記録されていました。

映像には、相手の車が中央よりもMさん側へ寄って走行していた様子が映っていたのです。その結果、「Mさんが真ん中を走っていたために事故が起きた」という主張を裏付けるどころか、相手の走行位置も事故の原因となっていたことが客観的に確認されました。

この映像は事故状況を判断する重要な資料となり、過失割合の交渉でも活用されたそうです。

なお、ドライブレコーダーの映像提出は法律上の義務ではなく、あくまで任意です。そのため、すべての事故で相手が映像を提供してくれるとは限りません。今回は、相手が自分の主張を証明できると考えて映像を提出したことで、結果として事故の状況がより正確に確認できたケースでした。

客観的な証拠が過失割合の判断につながる

過失割合は、当事者の主張だけで決まるものではありません。

保険会社は、過去の裁判例をもとにした基本的な過失割合を参考にしながら、道路状況や車両の損傷、双方の証言など、さまざまな資料を総合的に確認して判断します。そこへドライブレコーダーの映像が加わることで、車両の走行位置や速度、回避行動などを客観的に確認でき、事故状況を判断する重要な資料のひとつとなるのです。

今回の事故でも、映像によってMさんが一方的に悪いという疑いは晴れ、過失割合も当初の想定より適正な内容へ修正されました。

Mさんは、「ドライブレコーダーは、自分の運転を記録するものだと思っていました。でも実際は、事故の事実を客観的に証明してくれるものなんですね」と話されていました。

「相手が付けているから安心」とは限らない

この事故をきっかけに、Mさんは自身の車にもドライブレコーダーを取り付けました。

「今回は相手が映像を提出してくれたから助かりました。でも、もし提出されなかったら、自分には証拠が何もありませんでした」

そう振り返っていたことが印象に残っています。

繰り返しになりますが、ドライブレコーダーの映像提出は任意であり、相手が必ず協力してくれるとは限りません。だからこそ、「相手が付けているかもしれない」と考えるのではなく、自分自身で事故の状況を記録できる環境を整えておくことが大切です。

ドライブレコーダーは、自分に有利な映像だけを残すためのものではありません。事故の事実を客観的に記録し、保険会社や関係者が適正に事故状況を判断するための大切な証拠です。

万が一の事故では、記憶や主張だけでは状況を正確に伝えられないこともあります。だからこそ、日頃からドライブレコーダーという「第三者の目」を備えて、自分自身を守ることにつなげておきましょう。


ライター:河野みゆき
自動車販売・整備・保険業に27年従事。損害保険募集人資格を保有し、車両購入からメンテナンス、カーライフに関わる保険まで幅広く対応。現場経験をもとに、ユーザー目線でわかりやすい情報発信を行っています。


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