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【実話怪談】誰もぶつかっていない祖父の写真前で供え物が床に→気配を背に階段を駆け下りた小学3年の夜

  • 2026.6.20

夜8時、二階へ新聞を取りに上がった

小学三年生くらいの頃の話だ。

夜の8時ごろ、リビングでテレビを見ていた父から、二階の祖母の部屋に新聞を取って来てほしいと頼まれた。

祖母はその時間、近所の集まりに出掛けていて、部屋には誰もいないことが分かっていた。

それでも子どもながらに少しだけ気が重かったのは、その部屋に祖父の遺影が飾られていたからだ。

祖父はとても優しい人で、生前は私のこともよく可愛がってくれていた。

怖いという気持ちは本当はなかったはずなのに、夜の二階の廊下は妙にしんと冷えていて、足音が階段に大きく響いた。

それでも父の頼みなので、手すりに掴まりながら一段ずつ上がっていった。

遺影の前を通り過ぎただけだったのに

祖母の部屋のドアを開けると、入ってすぐ左側に低めのテーブルがあった。テーブルの上には祖父の写真と、お供え物の和菓子がひとつぽつんと置かれている。

心の中で祖父にこんばんはと挨拶をして、お目当ての新聞を手に取った。一階に戻ろうと振り返ると、写真は今度は私の右側になった。

そのままドアの方へ歩いて、部屋を出ようとした、その時だった。背中の方から、ことん、と小さな音がした。振り返ると、さっきまでテーブルの上にあった和菓子が、なぜか床の上に転がっている。

慌てて拾い上げて、ほこりを軽く払い、祖父の写真の前に元通り戻した。一度小さく頭を下げて、また新聞を抱え直し、ドアの方を向いた。

気配を背に階段を駆け下りた

廊下に出ようとして、ふと足が止まった。今のはおかしい。

私はテーブルに肘もぶつけていないし、和菓子にも触れていない。ただ通り過ぎただけだ。なのに、なぜ落ちたのか。テーブルは安定して床に置かれていて、揺れる要素もない。

窓も閉まっていて、風が吹き込んだ気配もなかった。家の中で他に動いていた人もいない。下の階の父も、テレビの前から動いた様子はなかった。

考えれば考えるほど説明がつかなくて、急に背筋が冷たくなった。後ろから誰かに見られている気配だけが、はっきりと残っていた。

「ぶつかってないのに」

口の中で小さくつぶやいた瞬間、もう振り返る勇気は消えていた。

新聞を脇に抱えて廊下を走り、階段を一段飛ばしで駆け下りた。息を切らしてリビングに飛び込み、父にその話を伝えると、父は最初は笑っていたけれど、私の顔色を見て少し黙ってしまった。今になって思えば、祖父が何かを伝えようとしてくれたのかもしれない。

けれどあの夜の自分には、その意味を受け取る余裕はまったくなかった。あの和菓子がなぜ落ちたのか、大人になった今でも答えは出ていない。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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