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修学旅行のバス車内で…児童を叱る先生。バスガイドがとった“機転を利かせた対応”に「後日感謝状までいただいた」

  • 2026.7.31
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出典:photoAC ※画像はイメージです

元バスガイドのくろちびです。

修学旅行では、児童同士のトラブルが起こることもあります。ある進学校の修学旅行では、先生が車内後方で当事者の児童を集めて指導を始めました。

そのとき私が迷ったのは、「観光案内を続けるべきか、それとも先生の指導を優先すべきか」ということでした。
今回は、バスガイドとして”話すこと”と”話さないこと”の両方を考えながら対応した出来事をご紹介します。

先生の説教が始まり、車内の空気が一変

その日ガイドを担当したのは教育に熱心なことで有名な私立小学校でした。

規律がとても厳しく、私たちバスガイドも通常以上に事前準備を行っていました。

児童たちは一般的なしおりではなく、修学旅行専用の宿題を持っており、「バスガイドの案内の中に答えがあります」と先生から説明されていました。

そのため、私たちは歴史や文化だけでなく、宿題の答えにつながる内容も漏れなく案内しなければなりません。毎年、他校以上に入念な事前学習を行って臨む学校でした。

しかし、観光を終えてバスへ戻ると状況は一変しました。

前日の宿泊先で起きたトラブルが先生方の耳に入り、「一番後ろの席を使いますので、ガイドさんは通常通りの案内をお願いします」と声を掛けられました。

児童が乗車すると同時に、後方座席では先生による説教が始まり、車内は一気に張り詰めた空気になりました。

私が優先したのは「話すこと」ではなく「学びを守ること」

通常であれば、マイクを使って車内全体へ観光案内を行います。

しかし、その状況でマイクを使えば、先生の指導を遮ってしまいます。

だからといって案内を止めてしまえば、宿題の答えとなる大切な内容を児童たちへ伝えられません。

そこで私は、マイクは使わず、前方三列目の補助席付近まで移動し、肉声で案内する方法を選びました。

後方で先生の話を聞いている児童たちには届かない程度の声量で、前方の児童へ必要なポイントだけを簡潔に伝えました。

私が一番大切にしたかったのは、先生の指導も、児童たちの学びも、どちらも犠牲にしないことでした。

聞けなかった案内は、紙にまとめて先生へ

その後、旅行添乗員さんとも相談し、私がその時間に案内する予定だった内容をすべて整理しました。

翌朝、宿を出発する前に、先生へ内容をまとめた紙をお渡ししました。

案内を聞き逃してしまったのは、児童だけではありませんでした。先生方もその時間は指導に集中されており、案内を聞くことができなかったからです。

私たちバスガイドの案内は、単なる観光説明ではありません。先輩ガイドから受け継いできた知識や、住職さんから教えていただいた寺院の歴史など、本には載っていない話も数多く含まれています。

トラブルを起こした児童たちも、その後は反省した様子で真剣に旅行へ参加していました。先生からは、「案内内容をまとめてくださり助かりました」と感謝のお言葉をいただき、後日、感謝状まで頂戴しました。

一人ひとりへの気配りを忘れずに

この出来事を通して学んだのは、トラブルが起きたときほど、一部のお客様だけではなく、その場にいる全員へ目を向けることの大切さです。

バスガイドの仕事は、案内をすることだけではありません。その場の状況を見極め、一人ひとりにとって最善の方法を考えながら行動することも、大切な役割なのだと改めて実感した忘れられない修学旅行となりました。


ライター:くろちび

 バスガイドとして4年間、奈良・京都・大阪を中心に観光案内を担当。修学旅行や団体旅行、高齢者ツアーなど、さまざまなお客様をご案内してきました。現場で実際に経験した出来事や、旅行の裏側、接客を通して学んだことを、実体験をもとにお伝えしています。


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