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怖がられて当然だけど、飼い主としては寂しい… 異形の魔人がペットのニンゲンとの関係に悩む姿に胸が痛む、異世界飼育コミック【書評】

  • 2026.6.8

【漫画】本編を読む

生き物を飼っても、すぐに懐いてくれるとは限らない。守りたいその相手にとって、自分はまだ“怖い存在”でしかないことだってある。

『ニンゲンの飼い方』(ぴえ太/KADOKAWA)は、ひ弱で繊細な「ニンゲン」を飼うことになった異形の魔人の奮闘を描くコミック。ペットを迎える喜びをはじめ、飼い主とペットが信頼関係を築く難しさも描かれるところが、本作の大きな魅力だ。

この物語は、ニンゲンを拾い、飼い始めることにした異形の飼い主の視点だけでなく、ニンゲンの視点でも描かれていく。ニンゲンの青年は、飼い主が用意してくれたサークルからの脱走を試みる。そりゃあ当然だろう。この青年は、近所のコンビニにアイスを買いに行っただけなのに、気づけば、魔獣や魔人だけが住む異世界にいたのだ。おまけに彼を拾ったのは、丸く大きな頭と、細長い身体をもつ不気味な怪物。逃げ出そうと思うのは当然のことだろう。だが、サークルの外に出ようと、水入れに登るもあえなく足を踏み外して落下し、結局は全身水浸しになっただけ。そこへやってきたのは、飼い主。飼い主はびしょ濡れになった青年を心配するが、青年からしたら、この怪物が危害を加えてくるのではないかと、恐怖しかない。

人間が“飼われる側”という不思議な設定のこのコミックを読むうちに、気づけば、自分が得体の知れない怪物になったような気分になる。きっと飼い始めのペットからしたら、自分もこの飼い主みたいに恐ろしい存在に見えるのだろう。そんな視点で読めば、逃げたい青年と、守りたい飼い主のすれ違いは、ちょっぴり切なく目に映る。生き物を飼うのって、信頼を築くのって本当に難しいことなんだ……。でも、いつの日かは、きっと飼い主の思いもペットに届くはず。そう信じながら、読み進めれば、続きが気になって仕方がなくなってしまうに違いない。

文=アサトーミナミ

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