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超ワイルドな料理人アナリース・グレゴリーのレストラン「ルマシェル」がタスマニアにオープン

  • 2026.6.3
Hearst Owned

タスマニアの湖で釣りをし、森できのこを集め、山羊や鶏を育てる。華やかな料理人としてのキャリアを持ちながら、ワイルドライフを堪能するアナリース・グレゴリーのレストランがついにオープンして話題に。

1AUD=¥114(2026年6月2日現在)

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数々の名店で研鑽を積んだ実力派

現在、タスマニアで料理人として活躍する41歳の女性シェフ、アナリース・グレゴリーのキャリアは輝かしいものだ。ニュージーランドの有名シェフの父のもとで育ち、15歳で料理を始め、オークランド工科大学で料理芸術のディプロマを取得して卒業。

フランスの「ミッシェルブラス」やスペインの「ムガリッツ」、オーストラリア・シドニーの「キー」といった、料理界のレジェンドたちが率いる名だたるレストランで研鑽を積んできた。

モロッコのフェズ市の旧市街にあるレストラン「ニュメロ7」にゲストシェフとして招かれ、3カ月間、限られた冷蔵設備のなか、ラクダのコブから鳩まであらゆる食材を料理したこともある。

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彼女の人生を大きく変えることになったのが、2017年にタスマニア・ホバートにあるレストラン「フランクリン」の料理長として白羽の矢が当たったこと。 もともと都会よりも田舎の生活に惹かれていたアナリースは、自然が身近にあり、新鮮な食材、澄みきった空気と美しい海があるタスマニアにすっかり恋してしまったのだ。

(写真)ミキュイで火入れしたホタテを海藻のソースで。

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森・川・海etc. タスマニアを丸ごと料理

大人気店だった「フランクリン」だが、2020年にコロナ禍の影響を受けて閉店したとき、アナリースはそのままタスマニアに残ることを決めた。

世の中の飲食店が営業自粛ムードのなか、森に入ってきのこや木の実を拾い、川で釣りをし、海に潜り、山羊や鶏を飼い、薪火で料理をして友人たちにふるまった。

(写真)ウニの前菜。地元の海藻とともに(2年前のプライベートパーティーの料理から)。

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世界の果てで獲って、釣って、料理

彼女の自然のなかでの生活とレシピを写真と共に掲載した2021年発刊の著書が『HOW WILD THINGS ARE Cooking, Fishing and Hunting at the Bottom of the World(本能のままに:世界の果てで獲って、釣って、料理する』(Hardie Grant社刊)だ。

この本がきっかけとなり、翌年にはオーストラリアの公共放送局SBSの番組「A Girl’s Guide to Hunting, Fishing, and Wild Cooking(ワイルドガールのための狩猟と釣り、料理ガイド)」が放映され、タスマニアの美しい自然のなかで生き生きとワイルドライフと美食を謳歌する彼女の姿が大きな話題に。

国内で“森ガール”ならぬ“ワイルドガール”が増加したらしい(昨年新シリーズも放映されたばかり)。

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10席だけのプライベートなレストラン

アナリースはその後、イベントやプライベートパーティーなどで、フリーランスのシェフとして活動。2年前に私自身がタスマニアを訪れたときに、彼女の料理を食べる機会に恵まれたのだが、地元産のウニやアワビ、ラム肉を使った料理の数々はどれも新鮮で滋味あふれ、彼女の感性が生きたチャーミングな見た目で強く印象に残っている。

そして今年の5月、世界のフーディが待ちわびた、彼女のレストラン「ルマシェル」がホバートにオープン。

自然に囲まれた自宅を改築した10席のプライベートな空間は、田舎のアットホームな雰囲気で、オープンキッチンと薪火オーブンが備え付けられ、外にはピザオーブンも用意されている。

「私自身はこの場所をレストランとは思っていなくて、自宅にゲストを招いている感覚なの」とアナリース。提供する料理には、彼女が育てているハーブや野菜、鶏の卵、自家養蜂のはちみつに加え、彼女が信頼する地元の生産者や漁師がとってきた食材をふんだんに使用している。

(写真)アットホームな空間のレストラン「ルマシェル」。タスマニアの田舎の家をイメージ。

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ラムからワラビーまで薪火で調理

「私のお気に入りは、まだ生きているアワビやロックロブスター、森で採取するキノコ類、海藻、野生の鹿肉やワラビーなどのジビエ類。ワラビーが狩猟できるのはタスマニアだけじゃないかしら。

そのほか素晴らしいラム肉に、シュガーローフキャベツ、セロリアックのような寒冷地野菜や、タスマニアペッパーベリーのような野生のスパイスもある。魅力的な野生の食材が本当に多いのよ。旬の食材を自家製の乾燥&発酵調味料の一部と合わせて、タスマニアの味覚を表現するのが私の料理のスタイル」と話す。

(写真)地元産のラム肉のロースト。身が柔らかく、脂が甘い(2年前のプライベートパーティーの料理から)。

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(写真)アワビを使った手打ちパスタ。ソースが濃厚で磯の香りたっぷり(2年前のプライベートパーティーの料理から)。

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調味料は自家製がほとんどで、コンブチャ、アプリコットやブラックカラントのシュラブ(フルーツなどの酸味のあるシロップ)、さまざまな果物や野菜のコンフィチュール、黒にんにく、トリュフハニー、味噌、松の芽エキス、ビネガー、さまざまな種類のチーズ、発酵唐辛子ソース、海藻ベースのペーストなど数えきれないほどだ。

「頭のなかにはさまざまな料理のアイデアが詰まっていて、それを形にできるのが本当に楽しみなの。たとえばロブスターのおかゆや、ワラビーのパイ包み、海藻を使ったタルト、野生のティーツリーのマドレーヌのほか、鴨を丸ごと薪火で焼くのにも挑戦したいし、考えただけでワクワクするわ」と、目をキラキラさせて語る。

地元の食材や自家製の食材を使うことで、フードロスを避けることができることも、彼女がやりたかったことだ。「今まで働いてきたレストランでは食材の廃棄が膨大だった。もうそんな時代じゃない」。近い将来、電気関連も太陽光などの自然エネルギー100%に変えたいと話している。

週に2回、ランチのみの営業だから予約困難になるのは間違いないだろう。けれど、彼女のキッチンの前でタスマニアの食材の魅力について話を聞きながら、ここでしか食べられない料理を堪能することを想像すると、なんとしてでも次回の旅行の計画に組み込みたいと思ってしまうのだ。

Lumachelle

住所/Glen Huon, Tasmania
インスタグラム/@lumachelle.tasmania
テイスティングメニュー/1人当たり300AUD(飲み物のペアリング込み)

Special Thanks

Tourism Australia

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