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Dリーグ KADOKAWA DREAMS 颯希・RAIZYUインタビュー|新体制のクリエイションと素顔に迫る

  • 2026.5.29
KADOKAWA DREAMS 颯希さん(左)、RAIZYUさん
KADOKAWA DREAMS 颯希さん(左)、RAIZYUさん

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日本発で世界初のプロダンスリーグ「D.LEAGUE」(以下、Dリーグ)。新ルールも導入された2025年10月開幕の「25-26 SEASON」で、6シーズン目となった。渾身のパフォーマンスに熱視線が注がれるステージへの思いを語るのは、KADOKAWA DREAMSの颯希(SATSUKI)選手とRAIZYU選手。たがいの実力も認め合う2人にDリーグにおける「クリエイション」への意識、チームの近況などを聞いた。

6シーズン目の「Dリーグ」にかける思い

――2020年8月に発足。2021年1月開幕の「20-21 SEASON」でスタートし、2025年10月開幕の「25-26 SEASON」で6シーズン目となりました。黎明期からKADOKAWA DREAMSの一員として活躍する颯希選手は、シーンの盛り上がりに何を思いますか?

颯希 スタート当初に比べると盛り上がっているし、認知度も高まりつつあるのがうれしいです。当初はコロナ禍の緊急事態宣言下でしたので、会場が無観客だったんです。最初のシーズンは会場が新木場STUDIO COAST(2022年1月に閉館)、続いて東京ガーデンシアターに会場を移し、今シーズンからはTOYOTA ARENA TOKYOでの開催となり、規模も大きくなって。2022年10月開幕の「22-23 SEASON」からはフリースタイルで選手同士が個性を見せる「CYPHER ROUND」が設けられたり、チームブースでファンのみなさんと交流する時間もできたりと、変化もさまざまありました。当初は発表会のようなショーケースのスタイルでしたが、ダンサーそれぞれの個性も伝えられるようになりました。

――かたや、RAIZYU選手は「22-23 SEASON」にKADOKAWA DREAMSの1.5軍へ加入。昨年、2024年開幕の「24-25 SEASON」よりプロ契約を結び2年目となります。

RAIZYU 1.5軍での下積み期間を経て、ようやくプロ入りした感覚でした。プロとして最初のシーズンは目標が叶ったし、必死に「食らいついてやろう」という1年だったんです。でも、今シーズンにはチームが新体制となり、昨シーズンまでディレクターとしてチームをけん引していたKEITA(TANAKA)さんがエグゼクティブ・プロデューサーとなり、HINATA(.M)さんが新たにプレイヤー兼ディレクターとなって。6人の新メンバーも入った今シーズンは、チーム内での年齢が上になってきたのもあり「勝つために何をするべきか」「自分がどう引っ張っていけばいいのか」と、試行錯誤しながらチーム全体についても考えるようになりました。

新体制で「クリエイション」の共有に力を

――新体制となった今シーズン。KADOKAWA DREAMSのチームとしての空気感はいかがでしょう?

颯希 新たにプレイヤー兼ディレクターとなったHINATAの立ち位置は特殊で、途中で役割が変わったのはDリーグ内でも珍しいことなんです。KEITAさんが黎明期から引っ張ってくれたのとは違い、当初はとまどいもあっただろうし、HINATAがチームの勝利のために自分たちの「クリエイション」を突き詰めている姿を見て、僕も何かできないかとは思っていました。6人の新メンバー加入もあり、チームの顔ぶれもガラッと変わったんです。正直、当初は意思疎通がうまくできず、ギクシャクした時期もありました。

今シーズンのKADOKAWA DREAMSでは組織体制の見直しもあり、Dリーグに限らず活躍の場を持つ「M」「FW」「AVANCE」、そして、Dリーグ選手の「D1」とDリーグ選手をめざす「D2」と、契約の種類もさまざまになったんです。Dリーグ以外にも活躍の場を持つ選手がリハーサルで不在の時間もあり、メンバー同士でそれぞれの動きを把握できていなかったことから「ちゃんとやっているのかな…」と、あらぬ誤解も生まれてしまったんです。

一方ではHINATAを中心に描くチームの理想もあるし、現実と理想のギャップでみんなが不安をおぼえていたと思います。ダンスの「クリエイション」は空想の中にあるから頭の中のイメージを共有するのが難しいし、コミュニケーションを図れていなかったのが、メンバー間での摩擦になっていたのかと思って。時間が経ち、ROUNDが進むにつれて自然と、たがいの思いを共有できるようになりました。

RAIZYU 僕も含めて、一人ひとりが「結果を出すためにどうすればいいか」と考えていたと思います。日々のなにげない会話も大事だし、そんな空気の中では颯希が重要な役割を担ってくれていたと感じます。チームを引っ張ってくれているし、みんなとは違った視点で物事を見る力がうらやましくて、ときにはふざけながらもリスペクトしています。

颯希 僕は今25歳で、RAIZYUは21歳なので年下なんですけど、感覚としては同い年なんですよ。他のメンバーもそうで、みんなが「ファミリー」のような。実は、RAIZYUとの出会いはKADOKAWA DREAMSより前、数年前に僕が初めて手掛けたNUMBER(※1)のセレクション(※2)を受けに来てくれた時なんです。当時から「絶対に将来伸びる」と確信していたし、1.5軍の時代から強いパンチ力を持っていたので、これからがますます楽しみですね。僕は、RAIZYU自身の作品をもっと見たいです。

(※1…振付師がイベント向けに制作したオリジナルダンス、※2…メンバー選抜試験のようなもの)

ベトナムの“ポッピングの天才”MTPOPとの共演も

――今シーズン「25-26 SEASON」からは2チームが新たに参入し、全16チームを8チームごとに分けた2ブロック制でレギュラーシーズンが展開。ROUNDごとの勝敗の決め方も変わり、「テクニック」「コレオグラフィー」「シンクロパフォーマンス」「エースパフォーマンス」に分かれた審査員によるジャッジに加えて、会場や配信で見守るオーディエンスのジャッジも評価対象として、対戦する2チームで獲得した比率(パーセンテージ)を競い合うルールに変更されました。

出典:D.LEAGUEオフィシャルサイト
出典:D.LEAGUEオフィシャルサイト

注※4つの審査項目と配信ジャッジと会場ジャッジにて、勝敗が決定します。各ジャッジ項目について、赤と青のチームがそれぞれ「何%」評価されたかで勝敗が決まります。

RAIZYU パーセンテージでの評価が、開幕当初はどうなるのかなと思っていたんです。オーディエンスのみなさんの評価がより重要になったし、見せ方によっていかに興味を惹きつけられるかを、僕らもより考えるようになりました。

颯希 攻略法をいかに早く見つけるかが重視されはじめて、各チームのパフォーマンスが均一化されてきたのは心配でもあります。もっと、色々な視点があっていいと思うんです。勝利をつかむのはもちろんですが、他のチームとは違う表現をしたいとは思っています。

――チームとしての気持ちも新たになった今シーズンの「ROUND.4」では、ポッピングの天才と称される「2024 Red Bull Dance Your Style」の世界王者、ベトナムのダンサー・MTPOPさんを迎えてのパフォーマンスもありました。

颯希 KADOKAWA DREAMSとして初めて外部からSPダンサーを迎え入れました。MTPOPさんは彼が世界王者となる以前、チームとしてのベトナム遠征で一度だけ、バトルを交えたことがあったんです。彼は努力の塊で、地元では貧しい家庭で育ち、スピーカーで流す音楽に乗せて夜な夜なぶっ通しで踊り、世界王者まで登りつめたんです。今もそれを続けていると聞いて「本当にダンスが好きなんだ」と思ったし、リハーサルでは日本語でラフに「もう一度やりましょう!」とチームを鼓舞してくれて、僕らも励まされました。

RAIZYU 彼の参加を聞いたのは「ROUND.4」の直前で、Instagramを追いかけていたしビックリしました(笑)。一緒に過ごせたのは短い期間だったので、もっと時間をかけて「『クリエイション』の真髄を学びたかった」という寂しさもありました。

――KADOKAWA DREAMSは年間王者を決める「CHAMPIONSHIP」への出場が決定していますが、それぞれの意気込みをお願いします。

颯希 常に新しい表現を求めてダンスをやってきたし、その姿勢は変えたくありません。「CHAMPIONSHIP」での優勝はもちろんですが、見てくださるみなさんにインパクトを与える作品を生み出すのも、大事だと思っているんです。今シーズンでは、SPダンサーのMTPOPさんとのパフォーマンスによって「出会いは必ず返ってくる」と分かったし、僕自身も、チームだけではなく外との繋がりを広げていきたいです。

RAIZYU Dリーグの選手である以上、僕なりにシーンに何か貢献していきたいと常に思っています。でも、まだまだ課題はありますね。パフォーマンスをより磨いていくのはもちろん、自分の作品を積極的に作っていきたい意欲も湧いていて。KADOKAWA DREAMS、そして、Dリーグへの入り口になれるように、モデルのような個人としての活動にも力を入れてみたいです。

ファンからの手紙に心温まる日も

――Dリーグへの熱い思いを伺ってきましたが、お二人のプライベートの一面を掘り下げたくて。まず、チームに情熱を注いできた今シーズン中「テンションが上がった出来事」を教えてください。

颯希 新しいジャケットを買ったこと、かな(笑)。デニム地でポケットなどのポイントが苔のようなデザインになっているジャケットをネットで見つけて、でも、手に入れようか悩んでいたんです。そうしたら、街中の路面店で偶然見かけて、衝動買いしました。自然なモノが好きですし、見ているだけで落ち着く服と久々に巡り会えたのはテンションが上りましたね。

RAIZYU カメラが趣味なんですが、HINATAくんがオーナーのアパレルブランド「DAF」でカメラマンをやったんです。チームを共にするKISAちゃんをモデルに撮ったら、いい感じの仕上がりになって(笑)。どれほどシャッターを切っても写真の仕上がりが抜群でうれしくなったし、テンションが上がりました。

――本、音楽、映画、アニメ、ゲームなどのエンタメでは、日々の気分を上げてくれるようなものはありますか。

颯希 僕はアニメですね!あとは、趣味で絵を描くことも好きなので、その時間も好きです。おすすめのアニメはたくさんあります。王道なところで言うと『呪術廻戦』『推しの子』『地獄楽』、あとは最近でいうと『勇者刑に処す』『永久のユウグレ』も面白かったです。

RAIZYU 僕は『ダンジョン飯』が好きで、3周くらい見ました(笑)。特に1話目が好きです。

――颯希さんはアニメをたくさん挙げていただきましたが、特におすすめの1作品を選ぶとしたら?

颯希 『僕のヒーローアカデミア』です! 主人公のデクが好きなんですが、特に44話が好きで。体がボロボロになりながらも、小さい子を守って戦っている姿が本当に格好良いなと思います。アニメの後半に進むにつれて、どんどん感情移入しながら観てしまいます。

――ファンのみなさんとの交流で印象的だった出来事も教えてください。

颯希 いただく手紙ですね。ちっちゃな子が一生懸命書いてくれたものも心温まって、不思議と、自分が落ち込んでいるときに「そのままでいいんだよ」と突き刺さる言葉をくださる方もいるんです。色んな方がいて、Dリーグのおかげでいただいたご縁にもありがたさを感じています。

RAIZYU 2026年1月の「第2回FAV感謝祭」での人気投票でランクインできたのがうれしかったですね。たしか18位くらいだったかと思います。僕自身、トップリーグでは2年目ですし、まだまだだと思っていたんです。でも「これほど期待してくださっている方がいるんだ」と感じたし、もっと頑張りたいと思いました。

取材・文=カネコシュウヘイ 撮影=林ユバ

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