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マウスの新時代くるか、「卵型マウス」登場

  • 2026.5.11
卵型マウスを開発。イメージ / Credit:Canva

パソコン作業を長く続けていると、いつの間にか手首や腕が重く感じられることがあります。

その原因の一つは、私たちがマウスを「机の上で滑らせるもの」として使い続けていることかもしれません。

英国のスタートアップNextAxis Designは、この常識を少し変える卵型のポインティングデバイス「Ovo」を発表しました。

Ovoは机の上を移動させるのではなく、手の中で傾けたり回したりすることでカーソルを操作する新しいタイプのデバイスです。

現在Kickstarterで支援を募っており、手首への負担を減らすことをうたう入力デバイスとして注目されています。

目次

  • 机の上を滑らせない“卵型マウス”
  • 「慣れ」は必要だが、手首の負担を減らすかもしれない

机の上を滑らせない“卵型マウス”

私たちが普段使っているマウスは、基本的に「平らな面の上で本体を動かす」道具です。

カーソルを右へ動かしたければマウスを右へ、上へ動かしたければマウスを奥へ滑らせます。

操作は直感的ですが、長時間使うと手首や腕を細かく動かし続けることになります。

これに対してOvoは、見た目からして従来のマウスとはかなり異なります。

形は卵のような丸みを帯びたデザインで、手のひらに包み込むように持って使います。

重さは98グラム、サイズは48×61ミリメートルとされており、机上を大きく滑らせる前提ではありません。

Ovoの特徴は、手の向きや傾き、回転を読み取り、それをカーソル操作に変換する点にあります。

本体を傾けることでカーソルを動かし、回転させることでスクロールや連続的な移動を行います。

タップによるクリックや、スワイプによるスクロールにも対応しています。

つまりOvoは「机の上で動かすマウス」というより、手の中でバランスを変えながら操作する入力デバイスなのです。

さらに、Ovoは机の上だけでなく、空中でも使用できるとされています。

従来のマウスは、基本的にマウスパッドや机などの接地面が必要です。

しかしOvoは本体の動きや向きを3次元的に読み取るため、ソファやベッドでくつろぎながらパソコンやタブレットを操作したり、プレゼン中に手元でカーソルを動かしたりする用途にも向いている可能性があります。

また、Ovoはカスタマイズ性も重視しています。

感度の調整、マクロの割り当て、ジェスチャー操作、作業別プロファイルの作成が可能とされており、ユーザーの作業内容に合わせて操作方法を変えられるのです。

本体は上下2つのシェルに分かれた構造になっており、上部と下部に別々の操作を割り当てることも可能。

上部でタップやカーソル操作を行い、下部でスワイプやスクロールを行うような使い分けが想定されています。

では、従来のマウスと比べて、Ovoにはどんなメリットがあるのでしょうか。

「慣れ」は必要だが、手首の負担を減らすかもしれない

Ovoについて開発側が特にアピールしているのは、従来のマウス操作で生じやすい手首への負担を減らせる可能性です。

一般的なマウスでは、手首を机の上に置いたまま、前後左右に細かく動かす操作が続きます。

短時間なら問題にならなくても、長時間の作業では手首、前腕、肩に疲れを感じる人も少なくありません。

一方Ovoは、本体を机の上で何度も滑らせるのではなく、手の中で傾けたり回したりして操作します。

特に相性が良さそうなのは、連続的な移動や回転操作が多い作業です。

たとえば動画編集では、タイムラインを左右に移動しながら細かな位置を探す場面があります。

従来のマウスでは、ドラッグ操作を何度も繰り返す必要がありますが、Ovoでは本体の連続的な回転によって、こうした移動をより自然に行える可能性があります。

立体物を扱うデザインソフト、プレゼン中の画面操作などでも、従来のマウスとは違う操作感を得られるかもしれません。

もちろん、Ovoは万能なマウスではありません。

細かなクリック精度が必要な作業や、従来型マウスに最適化された作業では、今まで通りのマウスの方が使いやすい場面もあるでしょう。

また、Ovoのような新しい操作方法には、どうしても慣れが必要です。

私たちはすでに、普通のマウスを手元を見なくても扱えるほど使い慣れています。

しかしOvoでは、傾き、回転、タップ、スワイプといった動作が画面上の操作に結びつきます。

最初のうちは、自分の手の動きがカーソルにどのように反映されるのかを覚え、その違いに慣れていく必要があります。

ちなみにOvoは、現在、Kickstarterでの早期支援価格119ドル(約1万8700円)、予定小売価格は199ドル(約3万1200円)とされています。

Ovoは、マウスを「机の上で滑らせる道具」から「手の中で傾けて操作する道具」へ変えようとする興味深い試みです。

それが本当に手首にやさしい新しい操作手段になるのか、それとも一部の作業に向いた個性的なガジェットにとどまるのかは、実際の使い心地にかかっています。

参考文献

This egg-shaped mouse is the latest to offer less wrist strain
https://newatlas.com/computers/ovo-egg-shaped-mouse-wrist-strain/

OVO: Not a Mouse. A New Way to Point.
https://www.kickstarter.com/projects/800078983/ovo-not-a-mouse-a-new-way-to-point/description

ライター

矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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