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1日1万歩はもう古い?実は健康効果は8000で頭打ち…歩き方次第で太る恐れも 正しいウオーキング術とは

  • 2026.5.5
1日1万歩歩くと健康によいのは本当?(画像はイメージ)
1日1万歩歩くと健康によいのは本当?(画像はイメージ)

健康維持のために、歩くことが推奨されています。歩数計で日々、歩数を計っている人は多いのではないでしょうか。ところで、ネット上では「1日1万歩歩くと減量できる」という内容の情報がありますが、本当なのでしょうか。用賀きくち内科 肝臓・内視鏡クリニック(東京都世田谷区)院長で、健康運動指導士、健康スポーツ医、総合内科専門医・指導医の菊池真大さんに聞きました。

1日1万歩は科学的根拠なし

Q.1日1万歩が推奨されています。この歩数は本当に正しいのでしょうか。理由も含めて、教えてください。

菊池さん「『1日1万歩』という数値は科学的根拠がなく、1960年代に日本で発売された『万歩計(manpo-kei)』の普及により、1万歩という目標広告から広まったと考えられています。

スペイン・グラナダ大学などの国際研究チームが、10万人以上を対象に解析した結果、死亡リスクの大幅低下は8000歩前後で最大化しており、心血管疾患のリスク低下は7000歩付近で頭打ちとなり、1万歩まで歩いても追加効果は小さく、8000歩で十分に健康効果が得られると考えられるようになりました(Ortega FB, et al. J Am Coll Cardiol. 2023)。

また別の研究でも、8800歩で死亡リスクが大きく低下し、500歩増えるごとに健康効果が積み上がりますが、効果の伸びは1万歩付近で頭打ちになるといった結果があります(Paluch AE, et al. JAMA Intern Med. 2021)。

1万歩は多くの人にとって負担が大きく、継続率が低い一方で、8000歩なら達成しやすく継続できる運動量と考えられ、長期的な健康効果が高いと考えられています。国際的な健康ガイドライン(WHO,2023)でも、1日8000歩前後が健康維持の目安とされており、日本でも厚生労働省により提唱された『健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023』の中で、1日8000歩を健康維持の推奨目安として提示されています」

Q.1日1万歩を実行すると痩せると聞きますが、本当なのでしょうか。理由も含めて、教えてください。かえって太る恐れはないのでしょうか。

菊池さん「『痩せる方向に働く』のは確かだと思います。『GLUT4』という筋肉や脂肪細胞にある“糖の入り口”となるタンパク質が、必要なときだけ細胞膜に移動して血糖を取り込みます。筋肉が収縮すると、インスリンを使わなくてもGLUT4が細胞膜に移動し、血糖が筋肉へ取り込まれます。その結果、血糖値が上がりにくくインスリン分泌も抑えられ、脂肪がつきにくい代謝状態がつくられます。

しかし、1万歩は消費カロリー約300~500キロカロリー、8000歩は消費カロリー約200〜350キロカロリーと、歩数に対する消費カロリーは意外と少ないです。歩くことで空腹になり、カロリーの摂取量が多くなった場合、消費を上回れば当然太ります。また、ゆっくり歩きだけだと筋肉刺激が弱いため、筋肥大はほぼゼロに近い状況といえます。

その結果、特に骨盤付近の大殿筋、ハムストリングス、体幹の筋肉は歩くだけでは維持しにくく、筋肉が減ることで基礎代謝が低下し、かえって太りやすくなる恐れもあります。脂肪燃焼効果や体力向上の観点からは歩幅やピッチを大切にして、坂道歩行や階段歩行、早歩きとゆっくり歩きを交互に行うインターバル歩行などの工夫したウオーキングが必要です」

Q.ウオーキングやランニングをする時間がない人の中には、通勤時に多めに歩く人もいます。その際の注意点はありますか。

菊池さん「通勤で歩数を増やすことは、日常習慣に無理なく組み込むことで非常に持続しやすい効果的な方法です。しかし、いくつかの注意点があります。革靴やパンプスで長距離を歩くと、足裏や足指、膝、腰を痛めるリスクが高いため、スニーカーにするのが望ましいです。

もし職業柄、革靴やパンプスを履かないといけない場合、クッション性、指の余裕、低めのヒールを選ぶ必要があります。また、足は夕方に大きくなることを考慮し、夕方に靴選びをすることも重要です。

最も気を付けたいのは、荷物です。片側の肩掛けバッグ、重いリュックなどは骨盤の傾きや猫背を招き、腰痛や肩こり、膝痛の原因になります。姿勢が崩れた状態でトレーニングすると筋肉のつき方もおかしくなります。両肩で背負うのが最も安全です」

オトナンサー編集部

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