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派手じゃないのに心ひかれる! 鎌倉市・六国見山で見頃を迎える【ヤマアジサイ】の景色と歩き方

  • 2026.5.28

派手じゃないのに心ひかれる! 鎌倉市・六国見山で見頃を迎える【ヤマアジサイ】の景色と歩き方

決して派手ではないけれど、その楚々とした姿に心ひかれるヤマアジサイ。花色、花形ともに多種多様なヤマアジサイが、まるで自生地のように咲く山があります。神奈川県鎌倉市北部にある六国見山森林公園を訪ねました。

ヤマアジサイが織りなす自生地さながらの景色

古都・神奈川県鎌倉市は、豊かな自然と歴史が息づく人気観光地。市域の約半分が山林や丘陵地といわれています。かつて相模・武蔵・伊豆・安房・上総・下総の六国が望めたことから名づけられたという六国見山(ろっこくけんざん)。この標高147mの小高い山にあるのが「六国見山森林公園」(以下、六国見山)です。

2019年から毎年、鎌倉アジサイ同好会と鎌倉のNPO団体「北鎌倉湧水ネットワーク」が協力し合い、六国見山にアジサイの植栽活動を始めました。これまでに約1000株のアジサイが植えられており、その多くがヤマアジサイ。都心からわずか1時間程度の場所に、自生地を思わせる情景ができあがりつつあります。

「六国見山にはもともとヤマザクラが多く植わっていて、北鎌倉千本桜とも呼ばれているサクラの名所なのです。落葉樹のサクラの下のゆるやかな傾斜地という、ヤマアジサイが育つのに適した環境といえます」(鎌倉アジサイ同好会・石川晃一さん)

か細い枝で清楚に咲くイメージとは裏腹に、ここで咲くヤマアジサイは人の肩ほどまで大きく育っており、ダイナミック。花色こそ派手さはなく控えめですが、ヤマアジサイがもつ本来の姿が垣間見られる場所なのです。

落葉樹の下、冬から春はよく日が当たり、初夏からは木陰になる。ヤマアジサイにとって絶好の環境。

派手さこそないものの、繊細で優美な多種多様のヤマアジサイが競演。植栽されているのは鎌倉アジサイ同好会の会員が増やした株や維持できなくなった株。それぞれの株には品種名ではなく番号をつけ、同好会とNPOのスタッフでリストを作成し管理している。

古くは段々畑だったところもあり、今は落葉樹の落ち葉が上質な腐葉土となるため、土はフカフカ。2~3年生の株を植えると、2年ほどで見ごたえのある株になるそう。植え足し前には、大きく成長することを見越して2mの株間をあけて穴を掘り、200株のヤマアジサイを植栽した。

ヤマザクラと同様、六国見山を北鎌倉の名所に

最初の植栽から5年以上がたち、予想以上の景色ができあがったことに驚いているという同好会の会員やNPOスタッフの方々。当初は、株があまり定着しないことも考えて、やや密植ぎみにしていたそうです。一昨年と昨年、同好会の会員から集めたヤマアジサイ200株ずつを植え足したときには、株間を2mほどに拡大。植栽したアジサイはついに1000株に達しました。携わってきた皆さん、ヤマザクラと同様にこの六国見山を「北鎌倉の千本アジサイ」として名所にしたいという思いがあるそうです。

ただし、株数が増えた分、管理の苦労も。もともと自然の場所なので、つる性の草がアジサイの株元をすぐに覆ってしまうため、トリマーでの除草は必須です。また、ヤマアジサイの花が終わった6月には皆さんで剪定を行い、7月までには終わらせています。

ヤマアジサイを横目に眺めながら、小道をたどって少し上ったところには展望台があります。六国見山の名のとおり、伊豆大島や富士山など眺望を楽しめる日も多いそう。ヤマアジサイの自生地さながらの景色を満喫できる六国見山、歩きやすい靴を履いて、散策したい秘密のスポットです。

ヤマアジサイ愛好家にとっては希少な品種との出合いが期待できる場所であり、鎌倉近辺の子どもたちにとっては学校の遠足の行き先としても親しまれている六国見山。なかには樹齢300年ともいわれるヤマザクラもあり、木陰が多く初夏でも冷涼で過ごしやすい。「ヤマザクラのときとヤマアジサイのとき、両方見に来てほしいですね」(NPO団体「北鎌倉湧水ネットワーク」野口稔さん)

展望台まで上れる小道からは、旺盛に育ったヤマアジサイを上から眺めることもできる。

六国見山森林公園

所在地/神奈川県鎌倉市高野36番14
アクセス/JR大船駅東口バス乗り場「高野台」行きに乗り、「高野台」バス停下車、徒歩5分で六国見山森林公園北口へ。または、JR北鎌倉駅下車で徒歩30分。円覚寺側道路を大船方面に向かい、権兵衛踏切を右折し道なりに進み、途中、階段を上り、高野台の住宅地を抜けて、六国見山森林公園南口へ。
ホームページ/神奈川県鎌倉市のホームページ(https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/)から「六国見山」を検索
※駐車場、お手洗いはありませんので、ご注意ください。

撮影/柴田和宣 協力/鎌倉アジサイ同好会

※この記事は『園芸ガイド』2026年夏号の記事を、WEB用に再編集したものです。

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