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新研究が「縦縞で着やせ」神話を打ち砕く

  • 2026.5.3
着やせするのは縦縞?それとも横縞? / Credit:Canva

「細く見せたいなら縦縞」

この定番のファッションルール、実は間違っているかもしれません。

最新の研究によれば、場合によっては横縞のほうが細く見えることがあるというのです。

なぜそんな逆転現象が起きるのでしょうか。

その謎に迫ったのが、台湾の国立雲林科技大学(National Yunlin University of Science and Technology)の研究チームによる実験でした。

この研究成果は2026年4月16日に『i-Perception』にオンライン掲載されています。

目次

  • 着やせするのは「縦縞」?それとも「横縞」?
  • 見え方を決めるのは“縞の方向”だけはなかった

着やせするのは「縦縞」?それとも「横縞」?

この研究の出発点は、「縦縞は痩せて見える」という広く信じられている常識に対する疑問でした。

実はこのテーマは、視覚心理学の分野でも長年議論されてきた問題です。

たとえば、「ヘルムホルツ錯視」と呼ばれる現象では、横方向の線が入った図形が、縦方向に長く、細く見えると考えられています。

この理論に従えば、横縞のほうがむしろ細く見える可能性があり、「縦縞で着やせ」論が間違っていることになります。

しかし過去の研究では結果がバラバラで、「横が細い」という研究もあれば、「縦のほうが細い」という研究もありました。

この食い違いの原因として研究チームが注目したのが、「縞の向きだけで議論していた点」です。

現実の服は単純ではありません。

縞模様には、線の太さや間隔、服の形状、見る角度など、複数の要素が組み合わさっています。

そこで研究者たちは、「縞の向き」だけでなく、「縞の種類」と「間隔」にまで踏み込んだ検証を行うことにしました。

実験では、台湾の大学生を対象に視覚調査が行われ、同じ女性モデルが異なる縞模様の服を着た画像を見せて、体型がどう見えるかを評価させました。

論文の方法部分では241人が参加したとされ、要旨では調査サンプル数が214人と記されています。

モデルはBMI20.8の平均的な体型で、服の形もすべて同じに統一されています。

用意された縞模様は様々で、黒線と白地の幅が異なるタイプが複数用意されました。

基本を「黒線幅×白線幅:1cm×1cm」とし、「1×2」、「1×5」、「2×2」、「5×5」など様々でした。

実験は3段階に分けられています。

まず横縞だけを比較する実験、次に縦縞だけを比較する実験、そして最後に横縞と縦縞を比較する実験です。

特に3つ目の実験では、横と縦を同時に並べるだけでなく、交互に表示して記憶を頼りに比較させる方法も取り入れられました。

これは、現実の服選びに近い状況を再現するための工夫です。

その結果、少なくとも今回の条件では、最も細く見えると評価された代表的なパターンは、横縞1×2でした。

一方で、縦縞はどのパターンが細く見えるかについて評価がばらつき、一貫した結果は得られませんでした。

つまり、「縦縞なら細く見える」という単純なルールは成り立たないことが示されたのです。

では、なぜこのような結果になったのでしょうか。より詳細な結果を次項で見ていきます。

見え方を決めるのは“縞の方向”だけはなかった

「着やせ」が単純なルールで説明できなかったのは、人間が体型を判断するとき、「横幅」だけを見ているわけではないからです。

論文では、横縞が身体の立体的な特徴を反映しやすい可能性が示されています。

特に、細かすぎず広すぎない横縞は、見る人に「細く見える」という印象を与えやすかったと考えられます。

ただし、この効果は条件付きです。

たとえば、間隔が広い横縞(1×5)では評価が大きく低下しました。

線と線の間が空きすぎると、視覚的なまとまりが弱まり、横縞による細見え効果も失われやすくなると考えられます。

一方で縦縞はどうでしょうか。

縦縞は一般に、背を高く、スラッと見せると考えられがちです。

ところが今回の結果では、それが必ずしも「細く見える」という評価に直結するわけではありませんでした。

前から見るか、後ろから見るかによって、細く見えると評価される縞の種類が変わったのです。

興味深いことに、等間隔の細かい縞(1×1)では、横縞よりも縦縞のほうが細く見える場合もありました。

つまり、縦縞にも一定の効果はあるものの、それは特定の条件に依存しているのです。

この研究では、男女差についても一部確認されており、女性のほうが縞模様の違いに敏感に反応する傾向が見られました。

また、「2×2」のようなパターンでは、横縞と縦縞のどちらが細く見えるかを判断しにくい場面もありました。

こうした結果から導かれる結論は明確です。

体型の見え方を左右するのは、縞の向きそのものではなく、縞の種類、間隔、配置といった設計全体なのです。

研究者らは、こうした特徴を妊婦服などのデザインに応用できると考えています。

参考文献

Science debunks the fashion myth that vertical stripes are always slimming
https://www.psypost.org/science-debunks-the-fashion-myth-that-vertical-stripes-are-always-slimming/

元論文

The influence of striped clothing on visual body perception: A study on pattern spacing design
https://doi.org/10.1177/20416695261441454

ライター

矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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