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幼い頃に性被害にあった、当時の記憶がフラッシュバック… 「傷はかさぶたになるけど、かさぶたが治りきることはない」【著者インタビュー】

  • 2026.4.27

【漫画】本編を読む

※この記事はセンシティブな内容を含みます。ご了承の上、お読みください。

ある日、突然、学校に行けなくなった小学3年生の勇。おねしょをする、父親の健に触られただけで嘔吐するなど、普段とは明らかに違う様子が続いていた。病院に連れて行ったり、学校や周囲に聞きまわるも、理由が分からず、悶々とした日々を過ごしていると、英子のもとに警察から電話がかかってきて――。

息子の性被害事件と戦う家族の姿を描いた漫画『性被害のせいで、息子が不登校になりました』(あらいぴろよ:著、斉藤章佳:監修、飛田桂:取材協力/KADOKAWA)。著者は、虐待や毒親に関するコミックエッセイを手がけ、自身もトラウマ治療中と語る漫画家のあらいぴろよさん。

おぞましい性犯罪に、深い傷を負う勇。さらには、加害者の衝撃的な過去も明かされ――。そんな中、英子はあらゆる支援や家族によるケアで息子を救おうとする。性被害に限らず、すべての傷ついた人たちに送る本作について、著者のあらいさんに話を伺った。

――加害者の九野に判決が下された後も、被害者の両親は九野への憎しみに苦しめられていましたね。

あらいぴろよさん(以下、あらいさん):英子は自分が望むあまり、実際にはなかった“九野が反省するさま”を夢にまで見ますし、ふたりはこの思いをずっと引きずっていくのだと思います。でも、憎しみ続けるのは苦しいし、本望ではないはず。この先も九野を許すことはないと思いますが、適切なサポートを受け続けることで九野と精神的な距離は取れるようになると思っています。

――勇のその後の姿も描かれています。どのような思いで描かれたのでしょうか。

あらい:私自身も過去に親から虐待や性被害を受けたことがあるんです。トラウマ治療を受けるまでの私はキレやすかったりひどいモラハラをかましたりフラッシュバックに襲われたりと、とても不安定でした。勇もそういう状態なのだと思い描きました。

――あらいさんご自身も、いまだに傷を負っているのですね。

あらい:そうですね。傷はかさぶたになりますけど、なにもしないままではかさぶたが治りきることはないのですが、適切な治療を受けることでかさぶたからその先の傷跡にするところまで持っていけることをトラウマ治療を受けて知りました。ですから終盤に、勇がこれから心理療法を受けることになっていると描かせていただきました。そうしたケアは受けたほうがいいと私は思っています。過去のことだとわかっていても、条件反射みたいなのが残っているので。知らない人も多いのですが、フラッシュバックなどのトラウマ反応は適切なケアによって緩和することもあるようです。

取材・文=吉田あき

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