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ふるさと納税で“10万円寄附”した40代男性→「これで翌年の住民税が軽くなる」と思いきや…3年後、判明した“痛恨のミス”

  • 2026.5.8
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーとして勤めながら、相続や税金に関するご相談を数多く受けてきた中川です。

ふるさと納税はワンストップ特例制度のおかげで、確定申告と縁のない会社員にも広がりました。

ところが、医療費控除など別の事情で確定申告をした年は、申告書の書き方ひとつで寄附金控除が丸ごと抜け落ちることがあります。

今日は、医療費控除のために確定申告したことで、ふるさと納税10万円分の控除が消えてしまった会社員の話をご紹介します。

「申請書を出したから安心」という思い込み

Aさん(仮名)は40代の会社員で年収700万円。共働きの妻と小学生のお子さんが1人います。

毎年12月になるとふるさと納税ポータルサイトで4〜5自治体に寄附し、その年も合計10万円を入金しました。年が明けてすぐ、各自治体から届いたワンストップ特例の申請書に記入し、返送も済ませました。返礼品も無事に届き、Aさんは「ワンストップ特例を出したから安心。これで翌年の住民税が軽くなる」と思っていました。

寄附額は、限度額の範囲内です。手続きさえ間違わなければ、自己負担2,000円を除いた約9万8,000円が住民税から差し引かれるはずでした。

医療費控除で確定申告→ふるさと納税の記載漏れ

ところがその年は、お子さんが大きな病気にかかり、医療費が多くかかった年でした。

Aさんは初めて「医療費控除」を受けるために確定申告を行います。ここに大きな落とし穴がありました。

実は、確定申告を行った時点で、それ以前に提出していた「ワンストップ特例」の申請はすべて無効になるというルールがあります。つまり、確定申告書の中で「寄附金控除」についても改めて自分で記載し、申告し直さなければなりません。

Aさんは医療費の計算だけに気を取られ、寄附金控除の欄を空欄のまま提出してしまったのです。

翌年6月、住民税の通知書が届きましたが、Aさんはざっと眺めただけで、ふるさと納税分が反映されていないことに気づかなかったのです。

3年後、家計相談で発覚した誤算

その後もAさんは毎年同じパターンで寄附を続け、医療費控除があった年も申告書の寄附金欄を埋めないままでした。
3年が経った頃、家計の見直しでファイナンシャルプランナーに相談したAさんは、住民税の通知書を見せたところで指摘を受けます。

「申告した年のふるさと納税分が、住民税から控除されていません」

寄附自体は記録に残り、返礼品も受け取っています。それでも本来戻ってくるはずだった控除が、申告書の記載漏れによって宙に浮いていたわけです。

「ワンストップ特例で控除されるはず」という思い込みが、音を立てて崩れました。

救済策と、寄附の前に確認したいこと

このようなケースでは、更正の請求という手続きで税務署に申し出れば、原則として法定申告期限から5年以内であればさかのぼって控除を取り戻せる場合があります。

ただし対象年や金額の確認には資料が必要で、年が経つほど書類の整理は大変になります。Aさんも当時はお子さんの看病で家計も気持ちも余裕がなく、領収書の保管が行き届かなかった年があり、満額は取り戻せませんでした。

医療費控除や住宅ローン控除の初年度など、確定申告をする年は、ふるさと納税の寄附金控除を申告書に記載することが必要です。
ポータルサイトのシミュレーションは、限度額の目安を示してくれますが、申告書の書き方までは教えてくれません。
今年寄附を考えている方は、「確定申告をする予定があるか」を一度立ち止まって確認してみましょう。


※税制や手続きの詳細は、その年の法律や個人の状況(他の控除の有無など)によって異なります。具体的な申告内容については、必ずお住まいの地域の税務署や税理士などの専門家にご確認ください。

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