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麻辣湯のメリットは?漢方で見る巡りと胃腸の相性

  • 2026.3.27

突然ですが、麻辣湯(マーラータン)という料理を知っていますか?

最近SNSなどでも話題になっており、気になっている人も多いかもしれません。

実は漢方の視点で見ると、麻辣湯は“巡り”や胃腸との相性がポイントになります。

そこで、今回は麻辣湯がからだに与える影響や注意点などを、あんしん漢方薬剤師の山形ゆかりさんに教えていただきます。

麻辣湯、流行ってるけど注意すべきこと

唐辛子
出典:Unsplash

麻辣湯は中国発祥のスパイススープ料理です。

唐辛子や花椒(ホアジャオ)などをベースに、野菜や春雨、きのこ、豆腐、肉類などを自由に選べるのが魅力です。

美容志向の女性から人気を集める理由は、「野菜がたっぷり摂れる」「からだが温まる」「代謝が上がりそう」といったイメージがあるからかもしれません。

実際、唐辛子に含まれるカプサイシンは脂肪代謝などエネルギー代謝を促進したり、発汗を促したりするといわれています。

しかし、だからといって誰にでも常にいい影響があるとは限りません。

漢方では、食べ物にも体質との相性があると考えます。

とくにポイントになるのは「その日の体調(寝不足、生理前、風邪気味など)」「もともとの体質(冷えやすい、のぼせやすい)」「食べるタイミング(空腹時、深夜など)」などです。

もともと冷えやすく、手足が冷たい「寒証(かんしょう)」タイプの人には、麻辣湯のような熱性の食材はプラスに働きやすい傾向があります。

一方で、のぼせやすい、口内炎ができやすい、便秘気味といった「熱証(ねっしょう)」傾向の人は、辛味を強くしすぎると不調を悪化させることもあります。

また、大量のカプサイシンが体内に入ると、粘膜が傷つきやすくなって胃腸などが荒れる可能性があるので、とくに胃腸が弱っている日や空腹すぎる状態での摂取はおすすめできません。

「流行っているから」ではなく、「今日は自分に合う日?」と一度立ち止まる視点が大切です。

辛味&香辛料の影響を3軸で整理

腹部
出典:Photo-ac

麻辣湯のメリットを理解するには、「血流」「発汗」「胃腸」の3軸で考えるとわかりやすいでしょう。

血流

唐辛子の辛味成分カプサイシンは、体温を上昇させ血流を促進する働きがあるとされています。

血流がよくなることで、冷え改善や肩こりの軽減につながるかもしれません。

漢方ではこれを「血(けつ)の巡りを促す」と表現します。

血流が滞ると、顔色がくすむ、生理痛が重い、クマができやすいといった不調が出やすいと考えられています。

つまり、血の巡りが滞りがちな人にとって、適度な辛味は巡りを動かすサポートになる可能性があるのです。

発汗

辛いものを食べると汗が出ますよね。

これはカプサイシンが交感神経を刺激し、発汗を促すためとされています。

漢方では「発散作用」と呼ばれ、体表にこもった余分な熱や水分、老廃物などを外へ出す働きと考えます。

むくみやすい人や、からだに熱がこもりやすい人にとってはメリットになることも。

ただし、汗をかきすぎると体力も消耗しやすいとされます。

疲労感が強い日や寝不足の日は、発汗過多でぐったりしてしまうこともあるため注意が必要です。

胃腸

辛味は胃液分泌を促す一方で、過剰になると胃粘膜を刺激します。

適量なら食欲増進につながりますが、食べすぎれば胃痛や下痢の原因になることも。

漢方的に、胃腸は「エネルギー」を作る大切な場所。

ここが弱ると、肌荒れや疲れやすさにもつながると考えます。

つまり、麻辣湯は「巡りをよくする力」がある反面、「胃腸に負担をかけやすい一面」も持ち合わせているのです。

明日からできる「合う日においしく」食べるコツ

食事する女性
出典:Unsplash

ここまで、麻辣湯がもたらす影響についてお伝えしました。

麻辣湯は、からだによさそうだからといって無闇に食べるのはおすすめできません。

その日のコンディションや自分に合った食べ方で楽しむのがポイントです。

そこで、まずは下記の3つを意識してみてください。

辛さは“段階式”にする

何度もお伝えしている通り、麻辣湯には唐辛子が含まれています。

麻辣湯のメリットをいかすには、辛さに対する自分の適量を知ることが重要です。

体調がいい日に、まずは控えめな辛さからスタートしましょう。

「食後に胃が重くならないか」「汗をかきすぎていないか」「翌日口内炎や吹き出物が出ていないか」こうした反応を観察しながら、段階的に辛さを調整していきます。

カプサイシンの作用は個人差が大きいことも知られています。

「友達が大丈夫だから自分も平気」とは限りません。

自分の適量を知って、調整しながら食べましょう。

“避けたい日”の見極めチェックをしてから行く

体調がよくない日に過度な辛味を摂取してしまうと、さらに体調が悪化してしまう可能性があります。

「寝不足」「強いストレスがある」「生理前でイライラしやすい」「胃がムカムカしている」「便秘や口内炎がある」などの症状がある日は、避けるのが無難でしょう。

逆に、冷えを感じる日や、雨でむくみやすい日などは、適度な辛味が心地よく感じられることもあります。

食後ケアをセットにして、巡りを荒らさない

自分に合う辛さを見つけて体調も問題なく麻辣湯を楽しんだ日は、発汗で失われた水分を補い、食後に胃腸を休ませるためのケアを行うことも大切です。

「白湯をゆっくり飲む」「湯船につかって深呼吸する」「早めに就寝する」などでからだを整えましょう。

巡りを促す食事は、アフターケアまで含めて完成するといえます。

麻辣湯を漢方目線で見ると?

生薬
出典:Unsplash

唐辛子は漢方では「熱性」に分類され、からだを内側から温め、気血の巡りを促す食材と考えられています。

とくに冷えによって滞った巡りを動かす力があるとされ、寒さで悪化する腹痛や冷え性傾向の人には相性がいい場合も。

ここで重要なのが、漢方でいう「巡り」の考え方です。

巡りとは単に血流だけを指す言葉ではありません。

漢方では「気(生命活動を支えるエネルギー)」「血(栄養や潤い)」「水(体内の水分)」の3つがスムーズに流れている状態を「巡りがいい」と表現します。

麻辣湯のような辛味の強い料理は、とくに「気」を動かす力が強いとされ、気の巡りが滞るとイライラ、胸の張り、喉のつかえ感などが出やすいと考えられています。

また、からだが冷えて血の流れが滞っている「瘀血(おけつ)」傾向の人にとっても、熱性の食材はプラスに働くことがあるかもしれません。

冷えによる生理痛や、末端の冷え、顔色のくすみが気になる場合、からだを温めて巡らせる食事は理にかなっているといえるでしょう。

ただし注意したいのは、麻辣湯は温めて巡らせる力が強い料理であるという点です。

もともと体内に熱がこもりやすい「実熱(じつねつ)」タイプ、たとえば「のぼせやすい」「ニキビや吹き出物が出やすい」「口内炎ができやすい」「便秘傾向がある」といった人が強い辛味を摂りすぎると、体内の熱をさらに助長する可能性があります。

さらに、漢方では胃腸は「気血を生み出す源」とされます。

辛味は適量なら胃の働きを活発にしますが、過度な刺激は胃腸を弱らせる方向に働く場合も。

つまり、麻辣湯は「冷えによる停滞を改善する」「気血の巡りを促す」「発汗によって余分なものを外へ出す」というメリットが期待できる一方で「体内の熱を強めすぎる」「胃腸に負担をかける」という側面も持ち合わせています。

大切なのは「からだを温める料理=常にいい」ではないという視点です。

漢方目線で見ると、麻辣湯は“体質とタイミングが合えば、巡りを整えるサポーターになる料理”。

逆に、からだがすでに熱を帯びているときや、胃腸が弱っているときには負担になりやすい料理ともいえます。

自分が今どんな状態なのかを観察しながら取り入れること。

それこそが、麻辣湯を美容と健康の味方にする最大のポイントなのです。

麻辣湯を上手に味方につけるには

麻辣湯のメリットは、巡りを促し、冷えや停滞を改善しやすい点にあります。

一方で、胃腸への刺激や過度な発汗には注意が必要です。

「麻辣湯=ヘルシー」ではなく、「自分に合う辛さで、合う日に食べる」が正解といえるでしょう。

体質を知り、反応を観察しながら楽しむことが、美容と健康を両立するコツです。

流行グルメも、漢方目線で見れば自分の体調を整えるヒントになります。

<この記事の監修者>

あんしん漢方薬剤師

山形 ゆかり

薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。

病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発にも携わる。

症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

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