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「106万円を超えないようにシフト調整」は昔の話だった。パート主婦が知らないと損をする“2026年10月の大改正”【社労士が解説】

  • 2026.4.14
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、社会保険労務士の加藤あゆみです。

「106万円を超えないように、シフトを調整しています」
パートで働く方から、こうしたお話を伺うことは本当に多いです。

ところが今、この「106万円の壁」そのものがなくなるという大改正が目前に迫っています。

「106万円以内」を守ってきたのに

42歳パート勤務・時給1,100円のFさん(仮名)は、夫の扶養に入りながらスーパーで週18時間働いています。

本当はもう少しシフトを増やしたいのですが、「社会保険に入ると手取りが減る」と聞いて、年収約100万円に抑えてきました。

ところがある日、パート仲間から「来年から106万円の壁がなくなるらしいよ」と聞き、「それなら私の働き方はどうなるの?」と不安になったそうです。

2026年10月、何が変わるのか

現在、パートやアルバイトが社会保険に加入する条件の一つに、月額賃金8.8万円以上(年収約106万円)という要件があります。

2026年10月から、この賃金要件が撤廃されます。さらに、企業規模の要件も段階的に撤廃される予定です。

つまり今後は、週20時間以上働いていれば、収入額にかかわらず社会保険に加入することになります。

「手取りが減る」だけで判断しない

Fさんが週20時間以上に増やして月収が約12万円になった場合、社会保険料の本人負担は月約1万7,000円。年間で約20万円の負担増です。

「やっぱり損じゃない?」と思うかもしれません。でも、この負担で得られるものは少なくありません。

  • 将来の老齢厚生年金が上乗せされる(10年加入で年間約8万円の増額)
  • 傷病手当金が受けられる(病気やケガで働けないとき、給与の約3分の2を最長1年半)
  • 出産手当金が受けられる(国民健康保険にはない給付)

特に傷病手当金は、国保にはない大きなメリットです。万が一のときの「保険」として考えると、月1万7,000円の保険料は決して高くありません。

2026年10月までにやっておくべきこと

まずは、自分の週の所定労働時間が20時間以上かどうかを確認してみてください。

20時間以上であれば、改正後は自動的に社会保険の加入対象になります。「入りたくないから時間を減らす」という選択肢もありますが、その分だけ収入も減り、将来の年金も増えません

大切なのは、「壁を超えない」ことをゴールにするのではなく、世帯全体の手取りと将来の保障を含めてシミュレーションすることです。

制度は、知っている人だけが得をします。改正前の今のうちに、ご自身の働き方を一度見直してみてください。

※本記事は2026年4月時点の情報に基づいています。賃金要件の撤廃は2026年10月を予定しています。


執筆・監修:あゆ実社労士事務所
人材育成・キャリア支援を軸に約10年の実務経験を持つ、社会保険労務士/国家資格キャリアコンサルタント。 IT企業の人事として、新卒・若手育成、研修設計、評価・キャリア支援の仕組みづくりに携わる一方、個人では企業や個人に向けたキャリア相談・人事支援を行っている。 これまでに累計100名以上のキャリア面談を実施し、1on1制度設計や面談シートの設計、育成施策の言語化を支援。 近年は生成AIを活用した業務設計・人事業務の効率化にも注力し、「現場で使えること」を前提にしたAI活用の伴走支援を行っている。

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