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“月8.7万円”で住宅ローンを契約した30代共働き夫婦→「無理なく払える」はずが…5年後、残りの返済額を見て“青ざめたワケ”

  • 2026.4.14
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こんにちは。資産形成のサポートを担っているマネーシップス代表の石坂です。

住宅ローンを考えるとき、「毎月いくら払えるか」で判断していませんか。実際のご相談でも、この基準で選ばれている方は多いです。

ただ、その選び方が後から負担の差につながるケースも少なくありません。特に変動金利は、最初の負担が軽く見える一方で、将来の変化が見えにくい特徴があります。ここでは、実際の事例をもとに、その違いと選び方の基準を紹介しましょう。

「月8.7万円」が5年後に変わった例

変動金利は、最初の返済額が低く、「これなら払えそう」と感じやすい仕組みです。

たとえば、借入3,000万円・金利0.5〜0.7%前後であれば、毎月の返済は8〜9万円台に収まるケースもあります。ただ、これはあくまでスタート時の金額です。

事例:返済額が想定以上に増えたケース

相談者は30代の共働き世帯で、「月8.7万円なら無理なく払える」と考えて変動金利を選びました。借入当初は順調で、貯蓄や教育費の準備も進んでいました。

しかし数年後、「思ったより残高が減っていない」と感じるようになったといいますたとえば、5年経っても元本が数百万円しか減っていない状態です。

これは、金利上昇で利息の割合が増え、元本が減りにくくなったためです。ただ、この時点では返済額はほぼ変わらず、問題に気づきにくい状態でした。その後、返済額の見直しで状況が一変します。

この事例のポイントは以下の通りです。

  • 最初は返済額が低く見える
  • 金利上昇で元本が減りにくくなる
  • 変化に気づきにくい
  • 見直し時に負担が一気に増える

この結果、家計の余裕は大きく減少し、貯蓄や支出の見直しが必要になりました。さらに、総支払額も当初より大きく増える見込みとなりました。

なぜこのような変化が起きるのか

変動金利は金利が見直される一方で、返済額は急に上がらないよう、5年ルール(5年ごとに金利見直し)・125%ルール(前回の125%を超えない)で調整されることが多いのです。そのため、負担増がすぐには見えません。

ただ実際には利息は増え続け、元本が減りにくくなります。この差が積み重なり、後から大きな負担になります。

たとえば、借入3,000万円・35年元利均等で金利が0.6%から1.2%に上がると、月返済額は7.9万円→8.8万円、総支払額は約350万円増えます。

金利 月返済額 (万円) 総支払額差
0.6% 7.9 -
1.2% 8.8 +350万円

判断は「毎月」ではなく「全体」で行う

住宅ローンは「今払えるか」だけでなく、「将来どうなるか」で考えることが大切です。特に、金利が上がったときの返済額や総支払額は事前に確認しておく必要があります。

また、今の家計の余裕に加えて、教育費など今後の支出も踏まえて考えることが重要です。

FP視点で見る「選び方の基準」

多くの相談で共通しているのは、「月額の低さ」で選んでしまう点です。本来は総支払額や将来の変化まで含めて判断する必要があります。

判断のポイントは次の通りです。

  • 今の返済額だけで決めず、金利が上がった場合の金額も確認する
  • 将来の収入や支出を踏まえても無理なく払えるかを考える

変動金利は低金利が続けば有利ですが、金利が上がると負担は後ろに集まります。大切なのは、「金利が上がっても大丈夫か」という視点です。


執筆・監修:石坂貴史
証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、2級FP技能士、AFP、マネーシップス代表。累計1,200件以上のご相談、金融関連の記事制作、校正・監修を手掛けています。「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」の6つの分野が専門。お金の運用やライフプランの相談において、ポートフォリオ理論と行動経済学を基盤にサポートいたします。

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