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5,000万円の都内マンションを購入→転勤が決まり、“月15万円”で賃貸に出すが…30代男性を待ち受けていた“想定外の事態”

  • 2026.5.5
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

住宅ローン控除は「年末のローン残高」に注目されがちですが、実際にはそれ以上に重要な前提があります。

それが「自分が住んでいるかどうか」です。

条件を満たしていれば大きな節税効果がある制度ですが、転勤などで住まなくなった場合は扱いが変わります。

今回は実際に起きやすいケースをもとに、どの時点で控除が使えなくなるのか、その考え方を紹介します。

「残高はあるのに…」転勤で貸し出した瞬間に控除が止まった

ご相談に来られたのは、30代後半の男性会社員です。

数年前に都内でマンションを購入し、住宅ローンを利用していました。

物件価格は約5,000万円、頭金は500万円、借入は4,500万円という条件です。

年末時点のローン残高は約4,000万円あり、住宅ローン控除により年間で30万円前後の税負担が軽減されていました。

毎年の確定申告も問題なく行い、「この状態が10年程度は続く」という前提で家計を組んでいました。

しかし、ある年に勤務先から地方への転勤辞令が出ます。期間は未定でしたが、少なくとも3〜5年は戻れない見込みでした。

家族で引っ越すことを決めたものの、マンションをどう扱うかが課題になったそうです。

売却も検討しましたが、購入からまだ数年であること、将来的に戻る可能性があることから保有を選択しました。

そのうえで、「空き家にするか、貸すか」の判断に迫られます。

管理費と修繕積立金で月3万円前後、固定資産税が年間15万円ほどかかる状況だったため、空き家のまま維持するのは負担が大きいと感じました。

不動産会社に相談したところ、賃料は月15万円前後が見込めるとの説明を受けたそうです。

そこで、家賃収入でローン返済を補う形を選択しました。

年間で約180万円の収入が見込めるため、維持費との差を考えても合理的な判断に見えました。

この時点でも本人の認識は、「ローン残高が4,000万円ある以上、控除は続くのではないか」というものでした。

転勤はやむを得ない事情であり、将来的に再入居する可能性もあるため、制度上も継続できるのではないかと考えていました。

しかし、税務上の扱いを確認したところ、「賃貸に出している期間は居住用とは扱われないため、その間は住宅ローン控除は使えない」と説明を受けます。

結果として、転勤後に賃貸へ出している期間は控除が受けられず、年間約30万円の節税効果が失われることになりました。

転勤期間が数年に及ぶ場合、合計で100万円以上の差になる可能性もあり、想定とのズレが大きい結果となりました。

「住んでいるかどうか」で控除の扱いが変わる

住宅ローン控除は、ローン残高ではなく「自分が住んでいるか」で判断されます。

転勤という事情があっても、賃貸に出している期間は「居住用」とは扱われず、その間は控除は使えません。

一方で、空き家として維持する場合でも、転勤などやむを得ない事情があり、将来再び住む前提があること、さらに賃貸など他の用途に使っていないことなど、条件を満たす場合に限り控除の継続が認められる余地があります。

また、将来的に再び住む場合には、一定の条件を満たすことで控除を再開できる可能性があります。

ただし、控除期間の残りがあることや、再入居後に改めて居住要件を満たすことなどが前提となります。

FP視点で見る判断の分かれ目

転勤時は「貸すか、空き家にするか」で控除の扱いが変わります。

賃貸に出す場合はその期間は控除が使えなくなり、空き家として維持する場合は条件を満たす場合に限り継続できる余地があります。

なお、控除を継続するには、転勤した年の確定申告書に『転任の命令等により居住しないこととなった旨の届出書』を添付して提出する手続きが必要です。また、将来の再入居を見据える場合は、再開の条件や残り期間も含めて確認しておく必要があります。

短期的な家賃収入だけでなく、控除の継続や再開の可能性も踏まえて判断することが大切です。

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