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親の死後、実家を相続した60代男性→“空き家”として放置した結果…5年後、家計を直撃した“100万円”の誤算【お金のプロは見た】

  • 2026.5.24
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

みなさま、こんにちは。元銀行員の金融ライター・池田です。

実家を空き家として相続した場合、売却や賃貸など、どのような選択肢を取るべきか時間をかけて考えたいという方も多いでしょう。

しかし、空き家をそのまま放置することにはさまざまなリスクがあります。

今回は、実家を相続したものの対処に困り放置した結果、思わぬ出費につながってしまった60代の男性の事例を紹介いたします。

空き家となった実家を相続したAさん

60代の男性・Aさん(仮名)は、お父さまを亡くして実家を相続しました。

お母さまは数年前に他界していたため、実家は空き家状態に。

Aさんは実家を離れて遠方で暮らしていましたが、実家の売却に抵抗があったことや、退職後に地元に戻る選択肢も検討していたことから、相続した実家をそのまま放置していました。

5年間で100万円?空き家にも維持費がかかる

「やはり実家を手放すことにしました」

そうAさんが話されたのは、相続から5年後のことでした。

空き家を所有していると、毎年の固定資産税や維持修繕費がかかります。

今回のケースでは、年間18万円の固定資産税と荷物の片付けを含むメンテナンス費用により、5年間で100万円もの出費につながっていました。

Aさんは地元に戻るかわからない状態で固定資産税を支払い続けるのが難しくなり、最終的には売却を決断されたとのこと。

しかし、Aさんの実家は老朽化が進んでいたため建物付きでの売却は難しく、結果として解体費用を負担し、更地にして売却することとなりました。

空き家の放置にはさまざまなリスクが

空き家を放置するリスクは、毎年の維持費の負担のみではありません。建物の劣化が進めば、その分資産価値は低下します。

また、管理不足により状態が悪くなると「特定空き家」に指定される場合もあります。特定空き家とは、倒壊の危険がある空き家や、衛生上・景観上の問題につながる可能性がある空き家のことです。

通常、住宅がある土地には「住宅用地の特例」が適用され、固定資産税が軽減されます。しかし、空き家が「特定空き家」に指定され、さらに行政からの勧告を受けると、住宅用地の特例が適用されなくなります。

また、放置すれば「特定空き家」となる恐れがある空き家は「管理不全空き家」に指定され、こちらも行政からの勧告を受けると住宅用地の特例は解除に。その場合、固定資産税の課税標準額が最大6倍にまで跳ね上がるケースもあります。

そのほかにも、悪臭・害獣の発生による近隣トラブルなど、空き家の放置にはさまざまなリスクが考えられます。

空き家の売却は早めの判断が重要

「空き家問題」と聞くとどこか他人事のように思えますが、今回の事例のように、実家の相続によって空き家を抱えることになる方は少なくありません。

空き家を所有している間は固定資産税や管理費用の負担が続くうえ、放置するほど劣化が進みます。売却の意思がある場合は、早めに検討するのが賢明です。

また、建物の劣化が激しい場合はAさんのように更地での売却も可能ですが、更地にすると住宅用地の特例がなくなることから、この場合も固定資産税の負担は大きくなります。

買い手がつかなければ高額な固定資産税を払い続けることになる可能性もあるため、土地の需要を考慮する必要があるでしょう。

実家を空き家の状態で相続する可能性がある方は、この機会に将来的な活用方法について検討してみてはいかがでしょうか。


※空き家の指定基準(特定空き家・管理不全空き家)や固定資産税の減額特例の適用・解除の判断は、各自治体の条例や物件の老朽化レベルによって細かく異なります。また、建物の解体費用や土地の売却相場は地域によって正反対の結果になるため、具体的な処分を検討される際は、自己判断せず、必ず現地の不動産会社や、税理士、司法書士などの専門窓口へ直接ご相談ください。

監修・執筆:元銀行員・ikebu
元銀行員・行政書士資格保有の金融・法律ライター。一種外務員資格(証券外務員一種)、行政書士資格を保有。大学では法学部・法律学科に在籍し、卒業後は地方銀行に入行。個人リテール業務において、投資信託・生命保険商品の販売を中心とする資産運用のサポートのほか、住宅ローンや相続などの幅広い業務に携わる。法人営業では、事業性融資や法人向けの運用商品販売を担当。現在は金融・法律ジャンルを中心にライターとして活動。銀行員時代の経験や保有資格を活かし、専門的な内容を分かりやすく丁寧に解説することを得意とする。

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