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「昇給したから大丈夫」冬ボーナスを使い切った30代男性→翌年6月、給与明細で発覚した“異変”に絶句。【お金のプロは見た】

  • 2026.5.23
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計や働く世代のお金のご相談に向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、昇進で年収が大きく上がった翌年、住民税が跳ね上がり、ボーナスを使い切っていたために家計が苦しくなった会社員Bさんの体験談です。住民税が「前年の所得」で決まる怖さを紹介します。

「ボーナスは使い切ればいい」と考えていた、年収アップの年

Bさんは30代後半の会社員。

前年の春に昇進し、業績連動の賞与もよく出て、年収は大きく上がりました。住宅ローンを抱え、お子さんの中学受験も視野に入り始めた頃です。

そんなBさんの口ぐせはこれでした。

「昇給したから大丈夫。ボーナスは使い切ればいい」

冬の賞与は住宅ローンの繰上返済と、家族での沖縄旅行に充てました。「貯金を崩さずに済んだだけで上出来」と、ご本人としては満足のいくお金の使い方だったといいます。

毎月の手取りも前年より少し増え、生活のレベルも上がっていました。

翌年6月、給与明細を見て異変に気づく

異変に気づいたのは、翌年6月の給与明細でした。住民税の欄を見ると、先月までの金額からぐっと跳ね上がっています。

手取りに換算すると、月およそ2万円のマイナス。Bさんは反射的に会社の人事に問い合わせましたが、返ってきたのは淡々とした答えでした。

「住民税は前年所得をもとに自治体が計算します。お手元の特別徴収税額決定通知書に内訳がありますので、ご確認ください」

帰宅して通知書を広げると、前年の給与・賞与をすべて反映した金額です。住民税は前年所得をもとに翌年6月から翌々年5月まで給与天引きされる仕組みで、賞与もまるごと課税対象です。

つまり、Bさんが「使い切ればいい」と気持ちよく支出していたあのボーナスは、1年後の毎月の手取りを静かに削り取る形で姿を現していたのです。

ローンと教育費の中で、月2万円の負担が重くのしかかるように

問題は、Bさん家のキャッシュフローが、すでに昇給後の手取りを前提に組まれていたことでした。

住宅ローンの返済・お子さんの塾代・生命保険・車の維持費。固定費は前年より積み上がり、ボーナスは旅行と繰上返済で消えています。そこへ毎月2万円の住民税アップが乗ると、月末の口座残高が想定より一段減っていることに奥さまも気づき始めました。

Bさんはご相談の中で、こうこぼされました。

「年収が上がったぶん、生活も豊かになる気でいたんです。住民税が翌年から重くなるなんて、頭ではわかっていたのに、ピンと来ていませんでした」

災害・失業・著しい収入減など特別の事情があれば、自治体ごとに住民税の減免制度や徴収猶予の制度が用意されています。要件は自治体で異なり、必ず認められるとは限りませんが、特別な事情がある場合は自治体の税務課に相談してみてください。

ボーナスは使い切らず、余裕を持った支出計画を立てましょう

住民税は前年所得を基準に翌年6月から徴収されます。ボーナスを使い切る前に「翌年の住民税アップ分」を別枠でよけておくことが大切です。所得が大きく伸びた年は、ふるさと納税やiDeCoといった制度を活用する選択肢もありますが、ご自身のライフプランや控除枠との相性があるため、各制度の特徴を理解し慎重に判断してください。

「年収アップ=そのまま手取りアップ」ではないということを、ご家族で共有しておくこと。それだけでも、翌年6月の通知書を落ち着いて受け止められるようになります。


※住民税(均等割・所得割)の具体的な税額や計算方法、ふるさと納税をはじめとする各種控除の反映タイミングは、お住まいの市区町村や個人の家族構成、前年の正確な所得内訳によって細かく異なります。翌年の税負担のシミュレーションを行いたい場合は、自己判断せず、お住まいの自治体の税務窓口や、税理士などの専門家へ直接ご相談ください。

執筆・監修:中川 佳人(なかがわ よしと)(@YoshitoFinance)
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。 20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。 専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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