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「管理職になりたくない」昇進を断った40代女性→5年後、同期との年収差180万円に…それでも断って良かったと言える“ワケ”

  • 2026.5.24
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、社会保険労務士の加藤あゆみです。

「管理職にはなりたくないんです」最近、40代の方とのキャリア相談で本当によく聞く言葉です。パーソル総研やリクルートの調査でも、「管理職になりたくない」と回答する40代の割合は年々増加傾向にあります。

理由は人それぞれ。

「責任の重さに見合わない給与増」「ワークライフバランスを崩したくない」「どうせ役職定年で給与は戻る」など、現実的な判断が背景にあります。

ただ、社労士として現場で見ていると、「断る選択」を取った後、5年・10年たって"想定外の差"に気づく ケースも少なくありません。

同期の女性ふたり、5年前の選択

42歳女性・会社員のHさん(仮名・年収550万円)は、5年前に課長昇進の打診を「家庭との両立が不安」と断りました。

一方、同期入社のIさん(仮名・同年代)は同じ時期に管理職を受け、昇進。

5年後、ふたりの試算上の差は以下のようになりました。

  • 年収差:約180万円(Hさん約580万円/Iさん約760万円)
  • 退職金見込み差:約500万円(基本給連動式の退職金規程の場合)
  • 厚生年金の差:生涯で約100〜300万円(昇進を断った42歳から57歳までの15年間、標準報酬月額の差が月5〜10万円続いた場合の試算例)

※あくまで一例で、企業の給与制度・退職金規程・本人の勤続年数により大きく異なります。

ただ、Hさん本人は「後悔していない」と話します。

「子どもの成長に立ち会えた」「家族の体調を優先できた」「自分のメンタルも守れた」お金以外の指標で見れば、Hさんにとっての「得」は確かにあったのです。

つまり、「管理職を断る選択」は損か得かの単純な話ではなく、何を優先するかで答えが変わるということです。

「断る場合」に取れる4つの代替戦略

それでも、お金面の差を放置せず、別ルートで取り戻す選択肢もあります。社労士視点でおすすめするのは、以下の4つです。

①専門職コースへの移行
ジョブ型雇用への移行が進む大企業では、管理職を経ない年収アップルート(専門職コース)が新設されている例があります。所属企業の人事制度を確認してみてください。

②社内ジョブチェンジ
同じ会社内でも、需要の高い部署・スキル領域への異動で年収アップが見込めるケースがあります。社内公募制度を活用するのも一手です。

③副業・社外活動による収入補完
本業の枠を超えて、副業や社外講師・顧問業などで収入の柱を増やす方法。ただし税・社会保険のルールには注意が必要です。

④資格取得+転職
40代後半でも、専門性が評価される領域では転職で年収アップは可能。教育訓練給付金など公的給付も活用できます。

「優先順位を自分で決める」が一番のキャリア戦略

制度は、知っている人だけが得をします。

「管理職になる/ならない」は、お金だけで決める話でも、感情だけで決める話でもありません。「自分が何を優先するか」を明確にしたうえで、不足分を補う戦略を組み立てるのが、40代以降の現実的なキャリア設計だと思います。

迷われたときは、社労士やキャリアコンサルタントへの相談もぜひ検討してみてください。


※本記事に登場する事例は、実際の相談をもとに個人が特定されないよう内容を再構成した試算例です。年収・退職金・年金の差額は、企業の給与制度・退職金規程・本人の勤続年数・家族構成などにより個人ごとに大きく異なります。
※専門職コース・ジョブ型雇用の導入状況は企業によって異なります。所属企業の人事制度の詳細はご自身でご確認ください。
※税制・社会保険制度・公的給付(教育訓練給付金等)は法改正により変更される可能性があります。最新の情報は厚生労働省・日本年金機構等の公式サイトでご確認ください。
※具体的なキャリア選択や年金見込み額の確認については、社労士・キャリアコンサルタント・年金事務所等にご相談ください。

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