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父の死後、“2000万円の実家”を3兄弟で共有→「必要になったら売ればいい」放置するが…3年後、家族を直撃した“難しい問題”

  • 2026.5.7
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、マネーシップス代表 IFAの石坂です。

不動産を「平等に分ける」方法として共有はよく選ばれますが、あとから売却や活用ができなくなるケースもあります。

この記事では、実際の相談事例をもとに、なぜ共有が“動かせない資産”につながるのかを紹介します。

「平等に分けた」はずが、誰も動かせない実家に

50代の男性会社員の方からの相談です。

父親が亡くなり、相続財産として実家が残りました。

立地は地方都市の住宅地で、相続時の評価額は約2,000万円です。

預金は葬儀費用などで大きく減っており、実質的にこの不動産が主な資産でした。

相続人は兄弟3人です。長男は実家の近くに住んでおり、次男である相談者は首都圏在住、三男は別の地方に住んでいました。

話し合いの中で、「誰か1人が取得すると不公平になる」という意見が出て、最終的に3人で3分の1ずつ共有する形を選びました。

この時点では「とりあえず共有にしておき、必要になったら売却すればよい」という認識でした。

相続から1年ほど経ち、固定資産税の納付書が届きます。年間の税額は約9万円で、3人で分担することになりました。

さらに、空き家のまま放置することに不安があり、年に数回の清掃や庭の手入れを業者に依頼するようになり、年間で約6万円ほどの管理費も発生していました。

その後、相談者は「使う予定がないので売却して現金で分けたい」と提案します。

しかし長男は「いずれ自分の子どもが使うかもしれない」として売却に反対、三男は「どちらでもいいが今は動きたくない」と判断を保留しました。

不動産会社にも相談しましたが、「共有の場合は全員の同意がなければ売却できない」と説明されます。

持分だけを売る方法もありますが、買い手がつきにくく、価格も大きく下がる可能性があるとのことでした。

その後も数回話し合いを行いましたが、意見はまとまらず、売却は見送られたままです。

結果として、相続から3年以上が経過した現在も、実家は空き家のまま残り、固定資産税と管理費として年間約15万円の負担が続いています。

資産としては約2,000万円の価値があるものの、現金化はできず、活用もされていない状態です。

さらに、このまま時間が経過すれば、将来的に各相続人の子どもへと権利が分散し、共有者が増えて意思決定がより難しくなる可能性もあります。

当初は「公平に分けたつもり」が、結果として「動かせない資産」を生む形となり、相談者は判断の難しさを実感することになりました。

1人の反対で止まる仕組み

不動産を共有にすると、売却などの重要な判断は原則として全員の同意が必要になります。

そのため、1人でも反対すると手続きが進みません。

また、売れない状態でも固定資産税や管理費は発生し続けます。

さらに、時間が経つと相続が重なり、共有者が増えて関係が複雑になるリスクもあります。

共有を避ける考え方

重要なのは、「公平に分ける」と「自由に動かせる」は別だという点です。

共有は一見公平に見えますが、将来の選択肢を狭める可能性があります。

対策としては、相続時に売却して現金で分ける、もしくは1人が取得して他の相続人に代償金を支払う方法があります。

こうすることで、意思決定が1人でできる状態を保つことができます。

すでに共有になっている場合は、持分の売却や分割請求などの方法もありますが、関係性や条件によって難易度が変わります。

いずれにしても、「どう分けるか」だけでなく「その後どう使うか」まで考えておくことが大切です。

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