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「足りない分は出すよ」親から結婚費用“200万円”を一括で振り込まれ…→数ヶ月後、30代息子を襲った“想定外の落とし穴”【お金のプロは見た】

  • 2026.4.16
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、マネーシップス代表 IFAの石坂です。結婚費用については、親からの援助でも通常必要な範囲であれば税金がかからないと考えられています。

一方で「何に使ったか」だけでなく「どう受け取って、どう使ったか」まで見られる可能性があります。

同じ200万円でも扱いが分かれることがあり、後から気づくケースも少なくありません。この記事では、現場で起きやすいパターンをもとにその違いを紹介します。

「結婚費用だから大丈夫」の思い込みがズレる瞬間

今回は、30代前半の男性会社員の方からのご相談です。

結婚式と新婚旅行の準備を進める中で、両親から「足りない分は出すよ」と言われ、結果的に200万円の援助を受けることになりました。

内訳としては、結婚式場が約140万円、新婚旅行が約60万円で、合計200万円程度の見込みでした。

ただ、実際の支払いは一度ではなく、式場は申込時30万円、中間金50万円、最終支払い60万円といった形で、2〜3か月に分かれていました。

この方は「どうせ使うお金だから」と考え、親から自分の口座に200万円を一括で振り込んでもらい、そこから必要に応じて支払っていく形にしました。

結果としては、ほぼ予定通り、式場と旅行費用に全額を使い切っています。通帳の履歴やカード明細も残っており、本人としては特に問題意識はありませんでした。

ただ、結婚後しばらくして、住宅購入の相談で資金の流れを確認する機会があり、その中で「この200万円ってどういう扱いになりますか?」と何気なく確認したところ、「使い道自体は問題なさそうですが、受け取り方は少し気になりますね」と言われたそうです。

話を詳しく聞くと、「一度に200万円を受け取っていると、その時点で自由に使える状態と見られることがある」「その後に結婚費用に使っていても、形式としては贈与と判断される余地がある」という説明でした。

特に、「支払いが分かれているのに、資金だけ先にまとめて受け取っている」という点が引っかかりやすいとのことでした。

この時点ではじめて、「使い道が合っていれば大丈夫というわけではない」と気づいたといいます。

その後、念のため当時の契約書や領収書を整理し、「実際にどの支払いに充てたのか」を説明できるようにまとめ直しました。

結果として大きな問題にはなりませんでしたが、「今後同じような形は避けた方が安心」と言われる形になりました。

問題になるのは「何に使ったか」より「どう動いたか」

今回のケースでは、200万円すべてを結婚費用に使っているため、一見問題はなさそうに見えます。

しかし実務では、「いつの時点で誰の管理下にあったか」が重要になります。

一括で200万円が口座に入ると、その時点で自由に使えるお金と見られやすくなります。

そこから数か月にわたって支払っている場合、「一時的な預かり」ではなく「本人の資産」と判断される可能性があります。

また、本来は30万円、50万円、60万円と支払タイミングが分かれているにもかかわらず、資金を先にまとめて受け取っている点も、ズレが生まれる原因です。

安全なのは「必要な分だけ動かす」こと

結婚費用の援助では、「使い道が正しい」だけでは足りず、「お金の動きが一致しているか」が重要になります。

まず、最も分かりやすいのは、親が直接支払う方法です。これにより、本人の資産として扱われにくくなります。

次に、本人の口座を使う場合でも、一括で受け取るのではなく、支払ごとに30万円、50万円と必要な分だけ受け取る形にすることが重要です。これにより、「その支払いのための資金」と説明しやすくなります。

また、支払いの証拠を必ず残しておくことも前提になります。

契約書や領収書と資金の流れが一致していることが重要です。

制度として非課税の考え方があっても、判断はあくまで個別です。

「何に使ったか」だけでなく、「どう受け取ったか」まで含めて整えておくことで、後からのズレを防ぐことができます。


執筆・監修:石坂貴史
証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、2級FP技能士、AFP、マネーシップス代表。累計1,200件以上のご相談、金融関連の記事制作、校正・監修を手掛けています。「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」の6つの分野が専門。お金の運用やライフプランの相談において、ポートフォリオ理論と行動経済学を基盤にサポートいたします。

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