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成長株に300万円投資→「50万円くらい利益が出たら売る」はずが…6ヶ月後、30代男性を直撃した“想定外の事態”【お金のプロは見た】

  • 2026.4.16
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、マネーシップス代表 IFAの石坂です。

株の相談を受けていると、「利益が出ていたのに売れなかった」という話はとても多いです。評価額が増えると安心しがちですが、その利益は売らない限り確定しません。

実際には、100万円以上の含み益が出ていても、半年ほどでゼロになるケースもあります。本記事では、実際の相談事例をもとに、「勝っていたのに負ける」状態がなぜ起きるのかをわかりやすく解説します。

利益が出たのに売れない…「あと少し」がすべてを崩す

今回は30代前半の男性会社員の方からのご相談です。

投資を始めて約1年で、ある成長株に300万円を投資しました。

購入後、株価は順調に上昇し、3か月後には評価額が400万円近くまで増えました。

含み益は約100万円です。ご本人は当初、「50万円くらい利益が出たら売る」と決めていました。

しかし、実際に50万円を超えたあたりから考えが変わります。

「ここまで上がったなら、450万円くらいまではいくのではないか」と思い、売却を見送りました。

その後も株価は一時的に上がり、評価額は420万円前後まで上昇。含み益は120万円近くまで増えました。

この時点でも売却すれば十分な利益でしたが、「500万円までいくかもしれない」と期待し、保有を続けました。

ところが、その後の決算発表をきっかけに流れが変わります。

株価は一気に下落し、評価額は420万円から350万円程度まで急落しました。

ご本人は「一時的な下げ」と考え、そのまま保有を続けました。

しかし、その後も回復せず、さらに下落が続きます。2か月後には評価額は320万円まで下がり、含み益は20万円程度まで減少しました。

ここで「せめて元の400万円近くまで戻ってから売りたい」と考え、売却を見送りましたが、結果的に株価は戻らず、半年後には評価額は290万円まで下落。

最終的には10万円の損失で売却することになりました。

本来であれば100万円以上の利益が出ていたにもかかわらず、結果はマイナスに転じてしまいました。

「あと少し上がるはず」が判断を遅らせる

このケースのポイントはシンプルです。「最初に決めたルールを守れなかったこと」です。

本来は50万円の利益で売る予定でしたが、実際にその水準に達すると、「もう少し上がるのではないか」と考えてしまいます。

これが判断のズレの始まりです。

また、一度420万円という高い評価額を見てしまうと、それが基準になります。

その結果、「そこまで戻らないと売れない」と考えるようになり、下落しても動けなくなります。

さらに、下落が始まると「今売ると損を確定する」という意識が強くなり、売却を先延ばしにしてしまいます。

その間に価格はさらに下がり、結果として最も不利なタイミングで売ることになります。

利益を守れる人は「売る基準」を先に決めている

含み益は、売却して初めて利益になります。この前提を外さないことが重要です。

今回のケースでいえば、「300万円→350万円(+50万円)」の時点で売却していれば、確実に利益は残りました。

しかし、「もっと増やしたい」という気持ちが判断を変えています。

対策としては、あらかじめ売却ルールを決めておくことです。

たとえば「+50万円で半分売る」「評価額が10%下がったら売る」など、数字で決めておくと判断がぶれにくくなります。

また、「今この株を300万円で買うか」と考えることも有効です。

もし買わないと判断するなら、そのまま持ち続ける理由は弱いと考えられます。


執筆・監修:石坂貴史
証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、2級FP技能士、AFP、マネーシップス代表。累計1,200件以上のご相談、金融関連の記事制作、校正・監修を手掛けています。「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」の6つの分野が専門。お金の運用やライフプランの相談において、ポートフォリオ理論と行動経済学を基盤にサポートいたします。

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